前回の記事でご紹介した、銀座にある新潟情報館『THE NIIGATA』。
こちらの2階にある日本酒試飲コーナー『THE SAKE Stand』では、新潟を代表する蔵元の地酒を味わうことができました。
日本酒の聖地・新潟ならではの豊富なラインナップは、まるで酒蔵巡りをしているかのようで、その味わいも一つひとつに個性が光ります。
今回はその試飲で選んだ5種類のお酒を、飲んだときの感想とともに詳しくレビューしていきます!
それぞれ違う魅力を持つ銘柄ばかりなので、気になるものがあればぜひチェックしてみてくださいね。
目次
金枡 朱(あか)ラベル(金桝酒造)
金桝酒造が手がける『金枡 朱ラベル』は、江戸元禄期の酒造技術を再現した「柱焼酎仕込」を用いた個性的な一品です。この「柱焼酎仕込」とは、自社製米焼酎を少量加えることでうまみを強化する製法のこと。自社栽培の米「越淡麗」を使い、風味が豊かで厚みのある味わいに仕上がっています。
ふわりと広がる風味にはどことなくみりんを思わせる甘やかさがあり、米の味わいがしっかりと感じられます。
江戸時代から続く技術と、現代の洗練された味わいが見事に融合した一本です。
君の井 山廃仕込み 純米吟醸(君の井酒造)
『蔵付乳酸菌』を生かした伝統の山廃仕込みを守り続けている、君の井酒造の『君の井 山廃仕込み 純米吟醸』は、山廃ならではの奥が深いコクと旨味が堪能できるお酒です。
穏やかさの中に、どこか八朔のような柑橘のニュアンスと、ほのかな酸味があり、あとからパパイヤにも似たトロピカルな甘みが感じられました。
口に含むとしっかりとした歯ごたえが感じられ、時間とともに旨味が増すのも印象的。
優しい風味がありつつも、しっかりとした余韻を感じられます。
淡麗辛口魚沼 純米(白瀧酒造)
白瀧酒造が手掛けるこの『淡麗辛口魚沼 純米』は、長年親しまれた『淡麗魚沼 純米』と『辛口魚沼 純米』を統合して生まれた新しい銘柄。魚沼産の米だけを使用した、キレの良い超辛口の純米酒です。さらりとした飲み口が心地よく、米の風味が前面に感じられます。
飲んだ瞬間に「めっちゃ米!」と思うほど、飯米(食用の米)のような味わいが広がり、どことなくほっこりとした親しみやすさがあるのが特徴です。
まさに“淡麗辛口”を体現する新しいスタンダードと言えるでしょう。
鮎正宗 純米吟醸 銀ラベル 鮎(鮎正宗酒造)
鮎正宗酒造から登場する『鮎正宗 純米吟醸 銀ラベル 鮎』は、トロピカルな甘さが特徴で、ねっとりとした果実感が楽しめる一本。香りには熟したフルーツの甘みがあり、シェリー樽で熟成されたウイスキーを思わせる豊かな深みも感じられます。
飲み進めるごとに、フルーティーさがじわりと増していき、食事をともにしなくても十分満足感を味わえます。食事中にゆっくりと楽しみたい方や、じっくりお酒を味わいたい方には、この一本がオススメです。
極上吉乃川 純米吟醸(吉乃川酒造)
吉乃川酒造の『極上吉乃川 純米吟醸』は、新潟らしい淡麗でありながらも、まろやかな深みのある一本です。地元で契約栽培された酒米「五百万石」を100%使用し、品のある香りと深い旨味が楽しめます。
ほのかに感じるさつまいものような甘さが魅力で、中間に現れるほのかな酸味がアクセントに。口に含んだときの広がりが心地よく、後味はすっきりとした切れの良さが印象的です。
飲みやすいので、日本酒初心者の方にもおすすめの一本です。
銀座にいながら新潟の名酒を満喫できる『THE NIIGATA』の試飲コーナーで、心に残る日本酒との出会いを体験しました。
5種類それぞれに異なる魅力があり、どのお酒も新潟の土地と蔵元の思いが感じられるものばかり。新潟のお酒に興味がある方、あるいは新たなお気に入りを見つけたい方は、ぜひ『THE SAKE Stand』を訪れてみてください。
次に行くときにはまた別の銘柄を試して、味の違いを比べるのも楽しみの一つになりそうです。