浅草にあるふるさと交流ショップ台東にて、毎年恒例のオーストリア大使館観光部によるオーストリアマーケットが開催されました。ふるさと交流ショップ台東は、全国各地の自治体が週替わりで出店するお店ですが、オーストリアマーケットは毎年4週間に渡って開催されます。今年は3月27日から4月22日までの開催となりました。
ここで私が楽しみにしているのは、オーストリアワインです。
普段はあまり見かけないオーストリアワインが、ずらりと並びます。昨年から気になっていたのが、写真右下にある、ひとつだけ様子のおかしいワインボトル。ラベルの代わりに、本物の土が付着しているボトルです。
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ワインを育てた肥沃な土がラベルに
このワインは、Weingut Pollerhof (ポラーホフ)というワイナリーの「Cuveé vom Löss (キュヴェ・フォム・レス)」です。日本語にすると「レス土壌生まれのキュヴェ」 とのこと。このボトルについているのは、ワインを育んだレス土壌そのものだそうです。
このレス土壌は、1800万年前の氷河時代に風によって氷河や乾いた渓谷からオーストリア東部に運ばれて堆積したもの。つまり、時代や場所を超えて日本にやってきた土です。通常であれば海外から土を日本に持ち込むことはできませんが、これは植物防疫所の検査を経て輸入されています。
▼ボトルに土を付着させている様子
このレス土壌は大変肥沃とのことで、リッチな土壌がワインにも反映されています。
キュヴェ・フォム・レス 2023について
タイプ:辛口白ワイン
品種:ソーヴィニョン・ブラン50%、ゲルバー・ムスカテラー50%
産地:ニーダエストライヒ
ヴィンテージ:2023年
アルコール度数:13.5%
参考価格:4290円(税込)
余韻に苦味があり、日本の家庭料理とよく合います。私は大根と豚バラの煮込みに合わせたのですが、みりんを控えてほんの少しだけアップルサイダーヴィネガーを入れたところ、ワインの酸味と香りに非常にマッチしました。
どちらの品種にも共通しているハーバルな香りが爽やかで、きりっと冷やして飲みたいワインです。アペロとしても食中酒としても優秀な一本で、暑くなるこれからの季節でも重宝するワインだと感じられました。気になる方は、輸入元のオンラインショップ からも購入可能です(現在は2024年ヴィンテージが販売中)。