『アーリータイムズ ホワイト』は、アーリータイムズブランドの中でも、新時代を切り開く製品として登場したアメリカンウイスキーです。もともと1860年に誕生したアーリータイムズは、長い歴史の中で多くのファンに愛されてきましたが、近年、サゼラック社の傘下となり、製造拠点はケンタッキー州バーズタウンのバートン1792蒸溜所に移りました。日本では2022年9月から明治屋が輸入販売を担当しており、従来のイエローラベルやブラウンラベルとは方向性の違う、より軽快で口当たりの良いウイスキーとして提供されています。新しいホワイトは、伝統的な製法に現代の技術を取り入れ、原酒の特徴を活かしながらも、手頃な価格で楽しめることを目指して作られました。
目次
レビュー
グラスに注いてみると、綺麗な金色、少し赤みがかっているようにも。その色合いは、熟成された樽の温かみを感じさせ、視覚的にも心地よい印象を与えます。香りは、バニラやキャラメルのほのかな甘さに加え、オークやわずかなスパイスのニュアンスが感じられ、どこかすっきりとしたフレッシュさが漂います。かつてのイエローラベルやブラウンラベルのような味わいとは異なり、軽やかでありながらもバランスの良い香り立ちで、ウイスキー初心者にも受け入れやすい特徴です。実際に口に含むと、まずまろやかな甘みが広がり、次第に樽由来の木の温かみとほのかなスパイスが感じられ、全体として調和のとれた味わいが楽しめます。ハイボールにして飲むとクリアな口当たりを実感できます。一方で、熟成による複雑な風味や長い余韻を求めるウイスキー通には、シンプルに感じられるかもしれません。特に販売が終了してしまった過去のアーリータイムズと比べてしまうと、かなり軽い印象を受けてしまいます。とはいえ、価格面と実用性を考慮すると、日常のリラックスタイムや友人との気軽な集まりにおいては、十分に満足できる一本であると言えるでしょう。
まとめ
総じて、『アーリータイムズ ホワイト』は、アーリータイムズの伝統ある製法と、現代の消費者ニーズに応える合理的な製造方法が融合した、実用性に優れたウイスキーです。従来の濃厚なイエローラベルやブラウンラベルと比べると、ややシンプルで軽やかな味わいとなっておりますが、普段の晩酌の選択肢としてはアリだと思います。明るいブライトゴールドの色合い、バニラやキャラメルのほのかな香り、そして樽の温かみが感じられる口当たりは、ウイスキー初心者だけでなく、毎日の一杯としてカジュアルに楽しみたい方々にも魅力的です。高級ウイスキーに求められる複雑さは少し控えめかもしれませんが、その分、手頃な価格で質の良いウイスキーを楽しめる点は大きな強みです。伝統と新しい挑戦が見事に調和した『アーリータイムズ ホワイト』、皆さんもぜひ試してみてください。