2020年となりましたが、2019年に行われた秋のラグビーワールドカップの熱狂ぶりと熱い展開を覚えている人も多いのではないでしょうか。日本にとっては史上初である決勝トーナメントへの進出もさることながら、彼らが迫る災害のなかにあっても果敢に戦い続けたこと、そして彼らの戦いによせられた外国人記者の記事などが、紙面やインターネット上をよくにぎわしたものです。
このラグビーワールドカップは多くの感動をもたらしました。またそれだけでなく、ラグビーワールドカップに向けて数多くの料理やお酒が開発されました。そのうちのひとつが、「NO SIDE(ノーサイド。以下カタカナ表記)」です。
これは以前紹介した「ONE FOR ALL ALL FOR ONE(ワンフォーオール オールフォーワン、以下カタカナ表記)」と対になるものだと考えてください。
目次
「ノーサイド」と「ワンフォーオール オールフォーワン」
「ノーサイド」というビールは、日本でも大手と呼ばれる「黄桜」がつくりだしたビールです。黄桜はビールメーカーというよりも清酒メーカーとしての名前の方が有名であり、またこれにおいて長い歴史を持っています。しかし近頃はビールの開発にも関わるようになりました。
この黄桜が、ラグビーワールドカップに向けて打ち出したのが、「ノーサイド」と「ワンフォーオール オールフォーワン」というビールです。2019年の夏に打ち出されたこの2つのビールは、ラグビー観戦のお伴に……ということで、広く打ち出されました。
「ノーサイド」を語るときには「ワンフォーオール オールフォーワン」を捨ててはおけませんし、「ワンフォーオール オールフォーワン」を語るときには「ノーサイド」をないがしろにはできません。
ワンフォーオール オールフォーワンはトロピカルフルーツのような香りをまとうビールで、ホップの香り・苦み・酸味が楽しめるビールです。しかし嫌味はほとんどありません。ノーサイドよりも若干アルコール度数は低いものの、その差は1パーセント程度ですから、それほど違いはありません。
「ワンフォーオール オールフォーワン」は「1人は全員のため、全員は1人のため」という意味を持ちますが、「ノーサイド」はラグビーにおいて「試合終了の笛の音」を意味します。ただ、ノーサイドは同時に、「敗者は勝者の栄光と戦いを讃え、勝者は敗者に尊敬の念を持つ」というスポーツマンシップにのっとった意味も持ちます。これは、ラグビーの高い精神性を表す言葉だともいわれています。
ノーサイドのお味は「キレアジの鋭いドライな飲み口」
ここからは、ノーサイドの味について見ていきましょう。
ノーサイドはシトラスホップを存分に使ってつくられたビールであり、それが味わいにもしっかりと生きています。麦芽とシトラスホップの香りが支配的で、香り豊かな味に仕上がっているのがノーサイドの特徴だといえます。
辛みがとても強く、苦みはほとんどありません。そのため、ビールならではのあの苦みが苦手だという人であっても飲みやすいでしょう。ただし、「ビールがまったく飲めない」と言う人でもゴクゴク飲めるかと言われるとそうではありません。あくまで、「ビールとしての飲みやすさ」を打ち出しているものであって、ビールらしさはしっかりあります。
ドライな飲み口ではありますが、辛みがあるため、ゴクゴクと飲み干してしまうよりもある程度時間をかけて楽しみたくなるビールでもあります。冷やして飲むことが推奨されているので、冷蔵庫でしっかり冷やして楽しみましょう。
商品展開は、「ワンフォーオール オールフォーワン」同様、缶と瓶、2種類の展開です。ノーサイドはラグビーワールドカップのために打ち出された限定品ですが、2019年12月現在、通販などでも買うことができます。ただ、取り扱いを終了させているところもあるので、飲みたい人はお早めにどうぞ。