2019年の秋に行われたラグビーワールドカップは、今だに記憶に新しいかと思われます。日本が、史上初となる決勝トーナメント進出を決めたこと、果敢にプレーしたプレイヤーへの賛辞、そして諸外国からの反応も大きな話題となりました。日本中を熱狂の渦に巻き込み、さまざまなエピソードを残した2019年のラグビーワールドカップは、それが終わった後でも、人々の口の端に話題として上るほど、大きな感動をもたらしてくれるものでした。
2019年のラグビーワールドカップは非常に大きな話題となりましたが、この大会に向けてさまざまな準備も行われました。この日のために整えられた宿があり、この日のために作られたビールがあり、この日のために特別なメニューを作り上げた会場もあります。
今回はそんななかから、「この日のために作られたビール」として、黄桜の「ONE FOR ALL ALL FOR ONE(ワンフォーオール オールフォーワン、以下カタカナ表記)」を取り上げます。
ワンフォーオール オールフォーワンが生まれた理由とは
日本でも有数の酒造メーカーである「黄桜」は、清酒などをよく造っている会社です。設立してから70年ほど経ちますが、その創業は対象時代にまでさかのぼることができる会社でもあります。
清酒メーカーとして「黄桜」を造ってきた会社ではありましたが、近年はビールを造ったり、レストランを経営したりとさまざまな活躍をみせています。京都にある会社でもあり、多くの人がここのお酒を楽しんでいます。
そんな黄桜が、2019年に新しいビールを開発―販売の発表を行ったのは、2019年の6月のことでした。2019年の秋に行われるワールドカップの盛り上げの一助となれば、ということで打ち出されたのが、「ノーサイド」と「ワンフォーオール オールフォーワン」です。
ノーサイドはアルコールが高めのビールであり、キレのある味を持っているものです。ホップを贅沢に使ったこの「ノーサイド」と、コクが魅力の「ワンフォーオール オールフォーワン」は、両方ともラグビー用語を冠しています。
「ワンフォーオール オールフォーワン」は広く使われている言葉ではありますが、ラグビーの世界で非常によく使われます。「1人は全員のため、全員は1人のため」という意味であり、ラグビーにおいては特に「得点を得るために、全員が己の役割を忠実にしっかりとこなすこと」を意味します。この名前のつけられたワンフォーオール オールフォーワンは、まさに、2019年のラグビーワールドカップを楽しむのにふさわしい1本だったといえるでしょう。
期間限定のビールではありましたが、2019年11月末日現在も、お店などで売られていることがあります。
ワンフォーオール オールフォーワンの味わいについて
赤みがかった琥珀色の外見をしており、泡が非常にきめ細かいのが特徴です。やや重めの味であり、ゆっくりと楽しむことができるビールでもあります。
モザイクホップを使って作られているビールなのですが、ホップからくるトロピカルフルーツのような香りが非常に特徴的です。「南国的な味わいがする」と評されるビールであり、気持ちよく飲むことができるビールでもあります。
ホップの香りと苦み、酸味がしっかりと出るビールであり、ビール党の人には飲みやすいビールだといえるでしょう。強めの苦みや香りは、「嫌味」としては出てこず、素直に飲むことができるのも大きな魅力です。
ビールのなかには冷やさずに飲むことが基本となるものもありますが、「ワンフォーオール オールフォーワン」の場合は、冷蔵庫でよく冷やしてから飲むことが推奨されています。
缶タイプと瓶タイプの両方で展開していますが、飲み方は変わりません。
「ワンフォーオール オールフォーワン」の度数は、一般的なビールとあまり変わらず、5パーセント程度です。「ノーサイド」の方は、ビールにしてはやや度数が高めの6パーセントとなっていますが、それでも度数が高すぎるお酒とはいえないため、ワンフォーオール オールフォーワンとノーサイドを両方続けて楽しむのも良いですね。
2019年のラグビーワールドカップのときに開発された「ワンフォーオール オールフォーワン」を楽しみながら、2020年のラグビーワールドカップに思いをはせるのも一興です。