カシャッサ、それはブラジルの国民的なお酒の一つ
ラムと同じく、サトウキビを搾ったジュースを原料とした蒸留酒です
原料が同じものがあり、そちらの方がマジョリティだと、どうしても【それに似た味、それの一種】といった評価になりがちですが、カシャッサはラムと原料や起源を同じくしているものの、歩んできた歴史や持ち合わせる風味は全く異なったものとなっています
今回はカシャッサ【ウェーバーハウス プレミアムブラック3年】をご紹介していたしましょう
目次
ウェーバーハウスとは
ドイツから1824年にブラジルに移住したウェーバー家が製造するブランドです
元々はジャガイモからシュナップス(ドイツにおける蒸留酒の総称)を作っていたそうですが、1848年からカシャッサの製造を始めました
2001年に設備が近代化され、ウェーバーハウスブランドが誕生しました
栽培されるサトウキビは100%有機栽培のものを使っており、アランビッケ(アランビック、単式蒸留機)で蒸留される【カシャッサ・アルティザナウ】を数多く生産しています
その樽が、カシャッサたる所以
以前書かせてもらったカシャッサの記事と重複する内容ですが、カシャッサとラムが決定的に違う点は、熟成に使う樽に様々なブラジルの特産木が使われているという点があります
同じ蒸留酒のウイスキーなども、様々な木材で作られた樽や、別の種類のお酒が入っていた樽を使ったりして個性的な風味を生み出します
しかし、カシャッサで使われる木材はほとんど(私は聞いたことがありません)ウイスキーなどでは熟成に使われません
もちろん目指す風味の違いなどから採用しないというのもありますが、そういった意味でも、良い意味で未体験の味を楽しむことができるのがカシャッサなのです
ウェーバーハウス プレミアムブラック3年の味
さて今回ご紹介するウェーバーハウスプレミアムブラック3年には、ブラジルの特産木である【バルサモ】という木で作られた樽が使われています
正確にはカルヴァーリョ フレンセース樽で2年、バルサモ樽で1年の熟成を行なっています
カルヴァーリョとはオークの木の事でフレンセースとはフランスの事、つまるところフレンチオーク樽です
実際に飲んでいきましょう
香りは優しく、ノスタルジックな気分になる、オリエンタルな香りがあります
オリエンタルという表現はなんとも曖昧なものですが、【東洋風】と訳される事が多いです
それでも正直なところ今一つ分かりづらいなあと思いますが、個人的には【どこか懐かしさを感じる風味】という感じで納得しています
都会の喧騒から離れた、いわゆる田舎のような、様々なしがらみから解放され、ありのままの自分でいられる、そんな場所で感じる優しい香り
まあ、やはり抽象的すぎて伝わりづらいですね
ここがテイスティングコメントの難しいところであり、あまり好きになれない理由の一つです
さて、話は戻りますが、ブラジルの特産木であるバルサモで熟成しているおかげで、ウイスキーやブランデーはもちろん、同じ原料から作られるラムでも味わうことのできない味わいを持っています
バルサモからは黒糖、シナモンやアニスなどのエキゾチックなスパイス、オレンジピールなど、独特なコクとハーバルな清涼感を感じられました
カルヴァーリョ フレンセースからは白い花のような上品な甘みが特徴として現れています
個人的には日本人が好きな味だと思います
おすすめの飲み方
ライムと砂糖とカシャッサだけで作れるブラジルの定番ミクストドリンク【カイピリーニャ】にしても美味しいですが、意外なところでお湯割りもありです
暖かい地域のお酒なので温かい飲み物にするイメージはあまり無いかもしれませんが、同じ温暖地域で作られることが多いラムも、砂糖とバターとラムで作る【ホットバタードラム】という飲み方もありますからね
まとめ
熟成年数は3年と、蒸留酒という大きい括りで考えると比較的短い期間ですが、暖かい地域なので3年でも心地よい熟成感を感じられます。加えてブラジルの特産木、今回はバルサモの樽で熟成しているというのもあり、十分な個性を感じることもできて、満足感の高い逸品だと感じました
新しいお酒にチャレンジしたい方、カシャッサおすすめですよ!