夏はラムが似合います
いや、ラムに夏が似合うのかもしれません
というのもやはりサトウキビと海がなんとなく結びついてしまい、海と夏が結びつくからなのでしょうね
というわけで今回はフランス海外県マルティニーク島のラム
セント・ジェームスとJ・バリーのホワイトラムをご紹介いたします
目次
セント・ジェームス
セント・ジェームスは私が初めて買ったアグリコールのホワイトラムで、衝撃を受けたことを今でも思い出します
インペリアルブランとフルール・ド・カンヌというブランを飲んだことがありますが、どちらも鮮烈なサトウキビの香りが特徴で、これでもかというほどのジューシーで肉厚な舌触り、黒糖のようなミネラル感のある香りがとても美味しいです。
インペリアルブランは度数が40%で、度数が高めのものが多いアグリコールラムの中では比較的飲みやすい部類だと思います。サトウキビらしい甘さはもちろんですが、白胡椒のようなスパイシーさもあり、さまざまな飲み方、合わせ方が出来ると思います。
フルール・ド・カンヌは【サトウキビの花】という意味のフランス語で、度数は50%あります。
サトウキビの収穫は糖度が高まった乾季に行われますが、かつて凄まじい乾期となった年があり、糖度が極限まで高くなったこの年にのみ作られたのがこのフルール・ド・カンヌです。
先述の通り厚いボディが特徴的なセント・ジェームスですが、インペリアルブランと比べると、度数の違いもありますが、糖度の高いサトウキビを使っているおかげで非常に【濃い】です
高いアルコールに慣れている方はぜひストレートで味わっていただきたいです
少し加水すると、
イチオシは【ハイボール】です
度数の高さと味わいの濃さのおかげで、炭酸で割っても全然割り負けしないので、濃く、それでいて爽やかでミネラル感があって、あまり抽象的な表現は好きではないのですが、【太陽を感じる】ラムですね。夏の暑い日にぴったりです。
柑橘を絞るならライムがオススメですよ
フルール・ド・カンヌは2024年現在終売の商品となっていますので、見かけたら【買い】の商品ですね
J.バリー
J・バリーはピラミッドの形をした12年熟成の商品が有名で、マルティニークで樽で熟成した商品に熟成年数を記載して販売した最初のブランドと言われています*
*マルティニークのアグリコールラムはフランス本土で作られるブランデーのコニャックなどと同じく【VSOP】や【XO】などの表記が多いためあまり熟成年数の数字を記載しない
熟成したものの味わいはナツメグなどのスパイシーさ、ココアなどのビター、プルーンなどの濃い甘さなどが特徴となります
今回紹介するブランは乳酸飲料のような甘酸っぱさやハチミツのような甘さ、パイナップルを感じることが出来ました
ボディはやや厚いように感じますが、香りに華やかさがあるのでスルりと飲めてしまいますね
マルティニークで定番のカクテル【ティ・ポンシュ】にもオススメです
ティ・ポンシュはアグリコールラムとライムと砂糖だけで出来る簡単なカクテルです
今でこそカクテルとして飲まれていますが、大昔の植民地時代は労働者たちがサトウキビ栽培という過酷な労働に向かう前に飲んでいたものでした。ライムからはクエン酸を、砂糖からはエネルギーを、そしてラムからは戦うパワーを貰っていたのですね
ティ・ポンシュは当時から変わらず、元気になれる飲み方です。歴史を感じる事もできますのでぜひお試しを
蒸留所
さて、今回この二つのブランドを一緒にご紹介したのには理由があります
実は製造している蒸留所が一緒なのです
元々は別々でしたが、1992年からブランド名、蒸留設備、レシピをはじめ、働いていた人々やサトウキビ農園など全てを引き継ぎました
セント・ジェームス蒸留所はJ.バリーを含めいくつかの閉鎖されたブランドを引き継いでおり、マルティニークで最も多いと言われる6つの蒸留機があります
その為さまざまなラムが作られていますが、メインはセント・ジェームスとJ.バリーで、他のブランドは地元で消費される安価な第二ブランドとして作られているようです
日本ではなかなかスーパーなどで多くの種類のラムを見かけることが少ないので羨ましいです
同じ蒸留所で作られている両者ですが、比べてみると味わいの違いに驚かされます
ぜひ比べて楽しんでいただきたいですね
まとめ
セント・ジェームスは力強く、ボディの厚みを感じられる味わいになっている印象です
対してJ.バリーは優しい味わいです。アグリコールラムは原料の特性上サトウキビの鮮烈な風味、香味があります
飲み慣れていないと面食らってしまう事もあるかもしれませんが、J.バリーは比較的穏やかで、アグリコールラムを初めて飲むという方にもオススメしたいラムの一つですね
夏にぴったりなラムブラン、ぜひお試しあれ!