ここで三年以上エッセイを書かせてもらっている恩恵として、以前もキリン「氷結無糖」の新商品発表会に招待いただいたが、今回はそんな氷結の新商品「mottainai」シリーズをお送りいただいた。商品の味に期待を膨らませつつ、発売の背景なども理解しながら、味わっていきたい。
(説明の一部について、プレスリリース資料より引用)
目次
【取組の背景】
これまで様々な果実をベースにスッキリ飲みやすいお酒を造ってきた「氷結」。果実は氷結にとって欠かせない一方で、近年では、気候問題・後継者不足・肥料コストの増加など、果実農家が抱える課題はますます多くなっているようだ。また、我々消費者のSDGsへの認知は高まっているものの、いざ「サステナブルな商品ですよ」と出しても、身近なものでないとあまり購入されない、といった調査結果もでているらしい。
こうした現状を踏まえ、キリンは定番のお酒として“身近”なイメージを持たれている氷結ブランドで、果実農家支援の取り組みを開始した、というわけである。
【mottainaiシリーズとは】
新シリーズ「氷結®mottainai」では、規格の問題で廃棄される果実を「モッタイナイ果実」と位置付け、商品に使用することでフードロスを削減している。同時に、商品の売り上げ1本につき1円を生産者へ寄付するとともに、今後は様々な地域特産の果実を使用することで、継続的に日本全国の果実農家の支援に取り組んでいく、というプロジェクトを進めている。
【今回のお酒】
キリン 「氷結®mottainai 浜なし」
シリーズ第1弾で扱う果物は、横浜のブランド梨である「浜なし」。廃棄予定だった「モッタイナイ果実」の浜なしを使用したお酒である。
パッケージからして、いつもの氷結とは少し異なる。通常の氷結や無糖の氷結は果実のイラストが小さめだが、こちらはかなり大きめに描かれていて果物にしっかりフォーカスが当たっている。独特な缶の形状によって梨自体がダイヤカットされているように見えるのも面白い造りだ。なお、写真上は見えないものの、裏面に二次元コードが配置されていて、特設サイトにアクセスできるようになっている。
口に含むと、まず梨の芳醇な甘さが飛び込んでくる。桃のようなどっしりした甘みとは違う、瑞々(みずみず)しさを感じる甘み。
続いて押し寄せるのは、氷結らしい強めの炭酸感。心地よく舌を刺激しながら、甘みを口の中いっぱいに運んでくれる。
そして重要なのは飲み込んだ後の後味。あれだけしっかりした甘みがスッキリと消え、爽やかさだけが残る。もう一度味わいたくなって、缶に口をつけてしまう。
梨が好きな自分も満足できるチューハイだった。
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この商品によって、浜なし約22,000個分のロス削減を達成したとのこと。
改めて廃棄される果実の量に驚き、同時にこのプロジェクトのSDGsに対するインパクトに感心してしまう。他の果実も併せると、どれほどのフードロスが起きているのだろうか。ぜひこうした取組がどんどん拡大していってほしいと思いつつ、シリーズ第2弾を待ちたい。