今年夏にキリンビールの氷結新商品「mottainai」シリーズについて紹介した。第1弾は浜なしだったが、今回はぽんかん。今回も、商品の背景などにも触れながら味わっていきたい。
(説明の一部について、プレスリリース資料より引用)
目次
【取組の背景】
これまで様々な果実をベースにスッキリ飲みやすいお酒を造ってきた「氷結」。果実は氷結にとって欠かせない一方で、近年では、気候問題・後継者不足・肥料コストの増加など、果実農家が抱える課題はますます多くなっているようだ。また、我々消費者のSDGsへの認知は高まっているものの、いざ「サステナブルな商品ですよ」と出しても、身近なものでないとあまり購入されない、といった調査結果もでているらしい。
こうした現状を踏まえ、キリンは「氷結®mottainai プロジェクト」を2024年5月に発足した。定番のお酒として“身近”なイメージを持たれている氷結ブランドで、果実農家支援の取り組みを開始した、というわけである。
【mottainaiシリーズと第1弾の実績】
「氷結®mottainai」シリーズは、規格の問題で廃棄される果実を「モッタイナイ果実」と位置付け、商品に使用することでフードロスを削減している。同時に、商品の売り上げ1本につき1円を生産者へ寄付するとともに、今後は様々な地域特産の果実を使用することで、継続的に日本全国の果実農家の支援に取り組んでいく、というプロジェクトを進めている。
今年5月に発売したプロジェクト第1弾商品「氷結®mottainai 浜なし」では、横浜のブランド梨である「浜なし」、実に約34,000個分の果実のフードロス削減を実現し、売上の一部である約600万円を横浜農業協同組合 果樹部へ贈呈したという。
さて、そんなわけで第2弾を嗜んでいこう。
【今回のお酒】
キリン 「氷結®mottainai ぽんかん」
シリーズ第2弾で扱う果物は、高知県産ぽんかん。「収穫前に温かい雨が降ることで、果実の表面が陥没・褐変してしまう」という柑橘特有の症状、傷、大きさ等を理由に、おいしいのに青果として販売できず廃棄予定だったぽんかんを使用している。
パッケージも第1弾同様、果実のイラストを大きめに配置することで、果物そのものにしっかりフォーカスを当てているのが特徴的だ。
缶を開けたときに、思いっきりぽんかんの香りがするのがとても爽やかで良い。ウォッカベースでノイズになる香りが邪魔しないのも良い。
口に含むと、まずは飲みやすさに惹かれる。香りからするとかなり甘めかと思いきや、果実の自然な甘さを活かしたような控えめさ。
炭酸の刺激も喉に心地よく、一気に飲めてしまう。
アルコール度数が4%で後味もスッキリなので、酔いたいときに飲むというよりは、リフレッシュしたいときや、食中酒として嗜んでリラックスしたいときに使えると思う。
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この商品の生産・販売を通じて、高知県産ぽんかん約20万個分の果実のロス削減を目指しているとのこと。20万。書くと簡単だが、想像すると恐ろしい数だ。こうした取組に企業が動いていくのも納得である。
シリーズ第3弾ではどんな果実に出会えるか楽しみに待ちたい。もちろん、こうした取組が必要ないくらいフードロスが少なくなる方が大事なのだけど。