まん防も明け、行きつけで日本酒を飲む頻度が一気に増えた。昨年度我慢をしていた日々が懐かしい。
最近は九州のお酒を飲む機会が多い。九州と言えば焼酎というイメージが強いが、良質な日本酒もたくさんある。今回は、直近で飲んだ日本酒を紹介していこう。
目次
1杯目
大分 クンチョウ酒造 「薫長 初搾り」
九州のほぼ真ん中に位置する大分県日田市。盆地なので冬は底冷えするに違いないが、この気温こそが酒造りに適した環境ともいえる。
無濾過の生酒ということで、春らしいフレッシュな味わいと九州らしい濃いめの味わいが交差する。
決してフルーティー系ではなく、昔ながらのお米を感じる純米であるものの、サラッとした喉越しとで飲みやすい日本酒になっている。
2杯目
佐賀 天吹酒造 「天吹 333周年記念酒 愛山」
非常に長い歴史を持つ酒蔵で、薫り高い花酵母を用いた酒造りを行っていることが特徴。
今回のお酒は、創業333周年を記念して造られたもの。酒蔵は本当に長い歴史があることを再認識させられる。
枝いっぱいに小さな葉と小さな花を付けるアベリアという花から抽出された花酵母で仕込まれましたこのお酒は、封を開けた瞬間から広がる果実酒の様に甘みのあるフルーティな香り、酸と米感のバランスの取れた味わいが素晴らしい。大吟醸ならではの飲んだ後のキレもしっかりしていて、すぐに二口目を飲みたくなる。
食中酒に合うのはもちろんだけど、単体でも飲みたい一杯だ。
3杯目
大分 三和酒類 「和香牡丹 純米吟醸」
この酒造が造った「和香牡丹 純米吟醸 山田錦50」は、2021年度全米日本酒歓評会の吟醸部門で最高賞のグランプリを受賞している。全国でも認められる実力派の酒蔵。
大分県の穀倉地帯である宇佐。今回のお酒は、そこで育てられた飯米「ヒノヒカリ」を使用している。最近、ササニシキなど、飯米(=食事用のお米)を使った日本酒もよく見るようになった。
ついつい「ご飯の香り」を想像してしまいがちだが、香りにも味にも、思ったより米感はない。ほのかな甘味と、全体的に丸い味わいが感じられるお酒になっている。飯米で醸した日本酒の場合は「ご飯に合うものは肴にも合う」という日本酒の定石がぴったり当てはまるため、味噌漬けや塩辛を肴にチビチビやるのにぴったりだろう。
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水がきれいな土地だからお米も美味しいわけで、当然清酒も美味しいものになる。東京になかなか出回らないお酒も多いが、なるべく積極的に探し、味わっていきたいものだ。