こんにちは。最近急に気温が高くなってきましたね。
本格的な夏の前に、またもや酒好きにはたまらない「祭」を発見してしまいました。
その名は「京都タカシマヤ日本酒祭」です。このイベントは2025年6月18日(水)〜24日(火)に京都高島屋の7階催事会場で開催されており、河原町駅が最寄りです。
初めての参加だったので、会場の様子や試飲がどの程度できるか未知数だったのですが、かなり色々なお酒を試飲させていただけ勉強になる良いイベントでしたので、レポートしていきます。残念ながらもう今年は終了しましたが、皆さまのお酒購入時のヒントになると嬉しいです。ぜひ最後までお付き合いください。
目次
気になる会場の様子は…試飲万歳!日本酒&寿司バーもあり!
さて、気温も一気に上昇して暑い京都にやってきました。
しかし高島屋は阪急河原町駅の地下から直通なので快適です。エレベーターで一気に7階の催事会場までやってきました。
気になる試飲は…ほぼすべてのブースで出来そうで、まだお昼前だったのですが皆さん試飲を楽しみ、どのお酒を買って帰るか吟味しておられる様子です。やった!と思いなからまずは会場全体を見てまわります。
このイベントは日本各地から約30蔵がブースを出しており、北は北海道から南は福岡まで本当に日本全国から色々な酒蔵が集合していました。
これは来た甲斐があります。
↓公式のHPです。こちらに出展している蔵の一覧もあります。
https://www.takashimaya.co.jp/kyoto/departmentstore/special/nihon_sake_matsuri_250605/
酒蔵さんのブースとは別に「日本酒&寿司バーラズウェル」と大阪堺筋本町にある名店「日本酒うさぎ」の飲食ブースがありました。
「日本酒&寿司バーラズウェル」は「酒のほそ道」というサラリーマンの主人公が日々お酒を飲み楽しむ様子を描いたマンガなのですが、最後の酒俳句もおもしろくなんと1994年から連載している長寿マンガです。
私はほぼ全話読み切るほど大好きなマンガで、店名になっている「ラズウェル」とはこのマンガの作者「ラズウェル細木」さんから命名されたもので、ラズウェル細木さんおすすめのセットメニューもあるのだとか。
メニューをみるとラズウェルセットとして「あじのしめたたき」日本酒「町田酒造 MAX大吟醸(50ml)」1,650円の他にも日替わりの握りや日本酒飲み比べ、日替わりの限定日本酒などラインナップが豊富なので、こちらでゆっくり飲むのも楽しそうです。
チケットが1枚110円で販売されており、飲食チケットを購入してお店でチケットを使用するシステムです。
「日本酒うさぎ」さんは日本酒のラインナップが多く51種類もあります!
安いもので1杯チケット5枚=550円から、高いものはチケット10枚=1,100円ですがなんと「新政 コスモス」も飲めるようです。
滅多にお目にかかれないお酒なので、飲んでみたい…
こちらのお店はお食事のメニューは少なめですが、近くにお酒にあうおつまみを販売しているブースがあり、そこで購入したものを持ち込んで良いというルールです。
柿の葉寿司やチーズ、海鮮珍味にドライフルーツなどステキな飲食ブースもありましたので、飲食ブースでおつまみを購入し、日本酒うさぎで日本酒を楽しむのも非常に楽しそうです。
東力士 純米 酔月 生原酒@栃木県
さて、これからは日本酒ブースを紹介していきます。色々試飲させていただきました。
まずは栃木県にある島崎酒造さんがつくる「東力士」です。
パッケージにスイカが描かれており、なんとも夏らしい見た目も素敵です。
「酔夏(すいか)」とかけているそうで、夏限定のおりがらみ生原酒です。
香りや喉越しはスッキリで、おりがらみのまだ生きているようなシュワシュワ微発泡感が本当に夏にピッタリな印象のお酒でした。
暑い夏をスッキリと冷ましてくれそうな1杯でした。これは幸先の良いスタートを切れました。ちなみに価格は1,600円(税込1,760円)とお値段もしこまで高くないのも嬉しいポイントです。
桂月 CEL24 純米大吟醸50夏の生酒@高知県
こちらは高知県にある土佐酒造さんのブースで、「桂月」という私が大好きなお酒をつくる蔵です。特に「CEL24」という酵母を使用したお酒が大好きなのですが、今はCEL24を使用した夏の生酒という夏限定酒があったので試飲させていただきました。
こちらもまたパッケージが可愛いペンギンが描かれています。可愛い見た目にも惹かれますが、味わいも本当に素晴らしいです。
CEL24という酵母を使用すると、本当にこれはお米が原料のお酒ですかと疑ってしまう程、フルーツ&ジューシー感全開のお酒に仕上がります。
こちらもやはり香り高くフルーティーで、日本酒はまだそこまで飲んだことがない方にも飲んでいただきたい、日本酒のイメージが変わる1杯です。
横の白くまラベルもフレッシュでしたが食中酒よりの味わいで、飲み比べできるのもイベントの良い点です。
三千櫻 純米 完熟バナナ酵母@北海道
色々な蔵が出展されているイベントで嬉しいのが、今まで聞いたことのない蔵元さんやお酒と出会い、新しい味わいに触れられることです。
今回も新しいお出会いをしてしまいました。それが北海道にある「三千櫻酒造」がつくる「完熟バナナ酵母」を使用したお酒です。
パッケージもバナナの形で特徴的で、いただいてみるとまず香りに驚きました。本当に完熟したバナナの香りなのです。
味も甘いのかと思ったのですが、味わいは意外と甘くなくお米の旨みが感じられる1杯で、香りと味わいのギャップがなんとも面白い1杯でした。
このブースでは「夏のにごり」というお酒もいただきました。こちらは瓶内二次発酵のお酒で、生原酒でありながら微発泡しているのとアルコール度数12度とアルコール度数が低めなため、これからの暑い季節にピッタリな味わいでした。
大谷酒造 純米 二十世紀梨@鳥取県
大谷酒造さんのブースには非常に華やかなラインナップのお酒が並んでいました。鳥取らしく梨・シャインマスカット・さくらと記載があり、てっきり甘いリキュールかと思ったのですが、これらの果物や植物の酵母を使用した日本酒(清酒)なのだとか。
3種類を飲み比べさせていただき、特にシャインマスカットは酸がしっかりしており、まるで白ワインのようでした。さくらは少し甘めでしたが、どれも美味しくいただけました。
梅酒もいただきましたが梅の味がしっかりしており、甘すぎず良い味わいでした。こちらも日本酒を飲み慣れない方でも飲みやすく、フルーティーさが素晴らしいお酒でした。しかし改めて酵母の違いで味わいがここまで変化する日本酒の深さに驚きです。
蓬莱泉 純米吟醸 和・熟成生酒@愛知県
こちら愛知県にある関谷醸造さんの特徴は「生酒でも熟成させること」です。普通、生酒は新鮮なフレッシュさが特徴的なお酒なのですが、試飲させていただいた「和・熟成生酒」も一年間熟成した生酒です。
口に含むと甘みも旨みもしっかりしており、思わず「旨い!」とうなってしまう味わいです。20本限定の販売なのだとか。
生酒でない火入れしたものと比較すると、火入れしたお酒の方が酸味が強めな印象でした。やはりこの蔵なら熟成された生酒が個性的なので、飲んでみていただきたいです。
天花 純米吟醸 無濾過生原酒@秋田県
こちらは秋田県にある大納川さんのブースです。こちらの酒蔵さんは以前別の会場でもブースを出展しておられていただいたことがあるのですが、どれも素晴らしいお酒です。
ブースには蔵元でまさに酒作りをしている方が立っておられ、「袋しぼり」のお酒もいただいたのですが、袋しぼりを行う際の大変さを教えていただき、その苦労があった上で完成したお酒と聞くと、より美味しく感じられました。袋しぼりとは、お酒つくりの最終工程でお酒を絞って清酒にする工程で、圧搾機を使わず袋にお酒を入れてポツポツと濾していく方法です。
時間と手間がかかるのですが、その分お酒にストレスがなく(圧搾機だとプレスされるのでどうしてもお酒に圧やストレスがかかってしまう)上品な甘みに仕上がります。いただいてみると口の中いっぱいにお米の旨みや香りが広がり、満足感の高い1杯でした。
他にも五百万石を使用した鶯のラベルのお酒、定番のハートラベルもいただきました。
どれも美味しくて選ぶのが難しいのですが、ハートラベルが一番旨みとフレッシュさの味わいが取れているように感じましたので、まずはハートラベルを試してみてください。
喜久盛 トヨニシキ55@岩手県
なんだか不思議なパッケージを発見しました。一見、よく見る銘柄が筆文字で書いてあるように見えるのですが、よく見るとファミコンのようなドットで構成されています。
初めて見たパッケージでしたので店員さんに聞いてみると、なんと「タクシードライバー」(日本酒の銘柄)を作っている岩手県の「喜久盛酒造」つくったお酒で、いただくと味は酸味がしっかりしてかなり個性的な味わいでした。
味わいに驚いていると、開けてすぐは暴れん坊のような尖った味わいだが、開けてからしばらく経つと落ち着いてまた異なる魅力ある味わいになるそうです。
タクシードライバーもかなり個性的な味わいなのですが、蔵元に商品を注文すると生酒なのにクール便にせず常温で送ってくるのだとか。普通、生酒は火入れをしていないので暑さに弱く、暑い環境下に置かれると劣化して味が落ちてしまうため冷蔵庫で貯蔵し、配送の際も暑い時期はクール便にするのが常識です。しかし、常温で配送するのは「あえて」らしく、常温にすることで熟成を進ませる狙いがあるそうです。
これが出来るのも品質劣化にも耐えるポテンシャルや自身があるからなのでしょう。この個性に惹かれてファンになる方も多そうです。
同じブースの「純真無垢な純米生原酒 ーINNOCENT60無垢ー 」も飲んでみたのですが、こちらもなかなかの旨口でした。普通に飲むと個性がある味に感じると思いますが、直前に飲んだ喜久盛 トヨニシキ55が個性的すぎて少し霞んでしまいました。
しかしこちら「感動の瞬間。このお酒は搾りたての瞬間を閉じ込めた無濾過生原酒です。」と記載があるので、またの機会に飲んでみたいお酒です。
また出会えますように!
秀鳳 純米大吟醸 雄町@山形県
「雄町ファンに捧げる一本」という謳い文句が記載されており、惹かれてしまいました。私もしっかり雄町ファンの「オマチスト」です。雄町とは日本酒の酒米の一種で、主に岡山県で生産されているお米です。
味わいはジューシーかつお米の旨みがしっかりとしたお酒に仕上がる傾向があり、こちらのお酒も試飲したところ、まさに「これこれ」と言いたくなる雄町らしい甘みと旨みがしっかりとした味わいでした。
雄町好きの方、また雄町の味に興味を持たれた方はぜひ飲んでみてください。
純米吟醸 翠玉 無濾過生@秋田県
こちらも初めて見かけたお酒で、秋田県両関酒造さんのお酒です。
調べてみると、なんと「十四代」の高木酒造からの技術支援から生まれた「花邑」に次ぐ第二弾のお酒だそう。「翠玉(すいぎょく)とはエメラルドのことで、その名の通り繊細な香りと、しっとりした旨味を秘めた宝石のような美酒に仕上がっています。」という言葉通り、生原酒らしいしっかりとした味わいですが重すぎず、甘さがなめらかでしっかりしたクオリティの高いお酒でした。
100%秋田のお米にこだわって作っている点も素晴らしいです。
紫色ラベルの純米吟醸と白色ラベルの特別純米酒があり、精米歩合(お米を削った割合)による味の変化が非常によくわかりました。
いかがでしたか?最終的に2本購入したのですが、本当に最後絞り込むのが難しくなるほど他にもステキな日本酒が多くありました。イベントは終了しましたが、皆様のお酒購入のヒントになれば嬉しいです。
また別のイベントレポートも発信していきますので、よろしくお願いします。