外の風も冷たくなってきた今日この頃。なにか温かいものが食べたい。そして冷たいビールが飲みたい。ということで、この日の酒場は都営新宿線森下駅にある老舗居酒屋「山利喜」に決定。北千住「大はし」、月島「岸田屋」と並び、東京三大煮込みのひとつとして酒飲みたちに知られる名店です。
赤い扉が印象的な新館と徒歩2分の所に本館がありますが、両店舗とも土曜日は予約ができません。(2023年12月現在)18時前にはすでに3組の列ができていた本館を横目に急いで新館へダッシュ!無事、今宵の席を確保できました。
目次
山利喜(森下)とは?
大正14年、江東区森下に店を構えた「山利喜」。店は繁盛するも昭和20年の東京大空襲ですべてを失ってしまいました。
戦火から生き延びた二代目が小屋から店を再開し作り始めたのが「煮込み」「やきとん」でした。その美味しさは人々の心をつかみ、さらに人気店へと発展。昭和33年に念願の店舗を森下に構えました。
フランス料理の道へ進んでいた三代目が店を継ぐ際に取り入れたのがフレンチの要素を盛り込んだ新たなメニュー。本館だけでは席数が足りないほどの人気となり、2002年に新館をオープンしたのです。
60年以上の歴史ある煮込み、楽しみでなりません……!
生ビール&人気もつやき「かしら」
店内は1階が調理場を囲んだ広めのカウンター席、2階がテーブル席になっています。今回は友人と一緒にカウンター席へ。焼き場が見える特等席です。
まずは生ビール。お店の重厚な雰囲気だけでジョッキ1杯飲めそうです。夏のビールも美味しいけれど、乾燥している時期のビールも最高。喉を通る心地よい刺激が増加します。
もつやきは塩で。すぐに到着したかしらのお肉はやわらかくジューシー!少し歯ごたえがあるイメージの部位ですがこのかしらは手羽先を食べているかのようにしなやかです。塩と甘い脂があいまってお酒が進みます。
継ぎ足された味がたまらない!「煮込み」
楽しみにしていた今日のメイン、煮込みです。(玉子トッピング)6時間以上煮込んだもつは飲めてしまうほどトロトロ!大量のネギがいいアクセントになっています。素焼きの器はヤケド注意のアツアツ状態です。
追加で頼めるガーリックトーストにタレを染み込ませれば、これまた絶品のおつまみに。
ドリンクメニューにはワインもあるのでお酒選びに迷いました……!
結局ドリングは濃厚な煮込みにあわせてさっぱりとレモンハイ。キンミヤ焼酎、まろやかで美味しい。やはり外で飲むと美味しさ倍増します。お店の雰囲気って大事ですよね。
最後のしめはおすすめの日本酒で
日本酒は飲んで帰らないと、ということで本日のお酒は南部美人(岩手)と紀土(和歌山)です。
南部美人は香りが上品ですっと喉を通り、後味もすっきり。青ラベルがおしゃれです。紀土は冬季限定のしぼりたて新酒。フレッシュで爽やかながらも旨味が感じられる日本酒でした。
両方ともクセがないので料理を選ばず楽しめそう。家に常備すべきお酒のリスト入り決定です。
銀杏の味が濃くて絶品でした。塩を多めにつければ最高のおつまみです。日本酒の甘みとバッチリ合います。
老舗酒場「山利喜 新館」を楽しむ
店の佇まい、手際のよい職人、集まる客の笑い声、すべてが混ざり合ってできた空間は老舗居酒屋ならではの心地良さがありました。
寒くなる冬にアツアツの煮込みをぜひ。