雪が積もる3月中旬、弘前市内にある2軒の酒蔵の直売所に立ち寄ってきました。今回はそのうちの1軒、弘前を代表する地酒「豊盃」を醸す三浦酒造のレポートをお送りします。
三浦酒造とは
三浦酒造は、昭和5年(1930)創業、平成19年(2007)に法人化した酒蔵です。青森県の酒米「豊盃米」を使用している県内で唯一の酒蔵であり、名前の由来も豊盃米と江戸時代の津軽藩祖である津軽為信公が戦場で兵士の士気を鼓舞するために唄った「ホウハイ」節から来ているそうです。
店内では、青森県弘前市を拠点に活動しているライスボールの「レインボー」という曲のMVがずっと流れていました。この曲は「ホウハイ」節をアレンジしたものとのこと。過去にはコラボラベルも発売されるなど、三浦酒造とゆかりの深いアーティストだそうです。
酒米の8割は、周辺の農家がつくった「豊盃米」「華吹雪」「華想い」を使用。残りの2割は兵庫県西脇からの「山田錦」「山田穂」、秋田県大潟村からの「亀の尾」「美郷錦」を使用しています。酵母は、秋田酵母と呼ばれる協会1501号をベースとした蔵付き酵母だそうです。水は、蔵のすぐ近くから見える岩木山の伏流水を使用しています。
▲蔵の近くで撮影した岩木山
現在、杜氏を務めているのは、5代目蔵元でもある三浦兄弟です。高齢化により数年間で
杜氏の退任が相次いだ蔵を兄弟が引き継ぎ、青森県を代表する地酒のひとつにまで発展させました。
弘前駅から三浦酒造への行き方
弘前駅から三浦酒造へは、弘前駅前のバスターミナルから出ている弘南バスに乗ります。
乗り場は7番線乗り場。いくつかの路線が乗り合わせていますが、私が乗ったのは11時発の弘前~板柳線(三世寺経由)です。この路線と弘前~鰺ヶ沢線(天長園経由)であれば、最寄りのバス停であるマックスバリュ弘前城北店まで行けます。弘前~糠坪・楢の木・貝沢線だと、最寄りの停留所は「石渡」となりますが、こちらも徒歩で5分もかかりません。
弘南バスは前乗り前降りの後払いシステムです。現金払いなら乗る時に整理券を取り、交通系カードを使う場合には入り口でピッ!として乗り込みます。運賃は一律ではなく、距離に応じて変わります。弘前駅からマックスバリュ弘前城北店までの乗車時間は約20分、片道の運賃は460円でした。バスからは、歴史を感じる建物や川の向こうにそびえる岩木山が見えたりと、車窓からの風景も楽しめます。
慣れない土地でバスに乗るのは緊張しますが、車内表示もわかりやすくて安心して乗れました。
マックスバリュ弘前城北店から三浦酒造までは、徒歩3分ほどでした。トイレはマックスバリュで済ませておいた方がいいでしょう。
▲三浦酒造直売所
▲受賞看板が並ぶ塀の奥にあるのが酒蔵です。直売所に隣接しており、バスからは先に酒蔵が見えてきます。私が訪れた時には、残念ながら酒蔵見学はやっていませんでした。
こちらで紹介した行き方は、2025年3月13日時点のものです。詳しくは弘南バスのホームページにてご確認ください。
三浦酒造の試飲はカード制
直売所に入ると、右手にグッズやお酒が並んでおり、左手に有料試飲スペースがあります。
1本は準備中だったため、この日に試飲できたのは7種類です。試飲はカード制でした。
こちらには専用の試飲カードを200円で買うと書かれていますが、観光客用に貸し出し用のカードが用意されています。私はカードをレンタルし、1000円をチャージしました。チャージは1000円ずつでお釣りは出ないので、計算してきっちり使い切って欲しいとのこと。
試飲は30ml、60ml、90mlから選べ、料金は30mlで100円から1300円までありました。解説などはなく 、自由に試飲を楽しみます。試飲機の前には腰かけられるイスもありました。
私がまず選んだのは、30mlで300円の「豊盃 純米大吟醸 つるし酒」です。
こちらは豊盃米ではなく山田錦を使用し、39%まで大胆に精米しています。もろみを綿袋に入れて棒につるし、一滴一滴自然に垂れた雫を使用しているそうです。
「純米大吟醸醪が本来持つ香りやふくらみ等の美点が崩れることなく表現された最高傑作です」とホームページには書かれています。米の甘やかさとアタックから余韻まで伸びる酸味が非常に美しいお酒でした。大変おいしかったので購入しようと売り場を見ると、一升瓶(1.8ℓ)で14,520円、四合瓶(720ml)でも7,260円と予算オーバーだったので泣く泣く断念。普段は手が出ないお酒を、300円で試飲できるのはお得です。
続いて試したのが、30mlで500円の「豊盃 純米大吟醸 華想い2023」。
こちらは弘前市産の酒米である華想いを、30%まで精米したお酒です。価格は四号瓶で11,000円! フルーティで華やかな香りがありながらも、日本酒らしい米の存在感もあり、そんな価格も納得です。「華想いの高級感を味わえる限定品」とのこと。
最後は、30mlで200円の「豊盃 パティスリー酒」です。
赤いスリムな瓶が目を引く、甘口の日本酒です。口に入れた瞬間にキャンディのような甘さを感じますが、ベタつくような感覚はなく、酸がしっかりあるのですっきりとしていてスルスルと飲めます。甘口ではなく、「あま口(旨口)」を目指しているそうです。ケーキやアイスクリームのほかに大福にも合うとのこと。こちらは375ml瓶で1650円でした。
こうして1000円を使い切り、30mlで1300円の最高級品の試飲は断念しました。お持ち帰り用の空瓶(100ml)が100円で購入できるので、気に入った日本酒があるけど四合瓶は多いという方や、少しずついくつかの種類を持って帰って飲み比べたいという方には良さそうです。
豊盃を初体験してみて、酒米のさまざまな魅力を醸造の力で引き出している酒蔵だと感じられました。三浦酒造では通信販売は行っていませんが、青森県外でも販売しているお店はあるようなので、気になる方は探してみてはいかがでしょうか。
三浦酒造公式ホームページ:https://houhai.co.jp/
住所:〒036-8316 青森県弘前市石渡5-1-1
営業時間:8:30~17:00
休業日:土•日•祝日、年末年始