アメリカで作られるバーボンウイスキー。
気取らず親しみやすい味わいのものが多く、多くの人の疲れを癒しています。
そんな幼い頃からの親友のような酒質のバーボンですが、高級品、しばしばプレミアムバーボンと称されるものもいくつか存在しています。
今回はお馴染みジム・ビーム系の最高峰ブッカーズをご紹介いたします。
目次
ブッカーズとは
ブッカーズという名前は実在した人名です。
ブッカー・ノウ。ジム・ビーム蒸溜所の6代目マスターディスティラーです。
ジム・ビームというブランドの由来である4代目のマスターディスティラー、ジェイムズ・ビームの孫に当たる人物で、ジェイムズからバーボン製造に関する知識や技術を、直接受けた最後の世代です。
ブッカーは自身の名を冠したブッカーズを初め、ノブ・クリーク、ベイカーズ、ベイシルヘイデン、いわゆるプレミアムバーボンと呼ばれるラインナップを手がけた人物でもあります。
禁酒法下の1929年に生まれたブッカーは祖父から受け継いだバーボン作りの知識と技術を持って、禁酒法以前の力強いバーボンを作ることに心血を注いだようです。
ジム・ビーム蒸溜所だけにとどまらず、バーボンの世界で伝説的な人物が作り上げたブッカーズはどのような味わいなのでしょう。実際に飲んでいきたいと思います。
ブッカーズの味わい、おすすめの飲み方
まず香りですが濃厚なトウモロコシの甘みと香ばしさ、オイリーでリッチで少し塩気があります。
味わいはリッチの極み。甘美で香ばしく、妥協のない味わい。敬意から思わず背筋が伸びる力強さがあります。
トウモロコシ由来の甘さと、オークラクトン由来のココナッツ様の柔和な甘みの心地よさ。ビターなニュアンスもあるが甘みの心地よさを邪魔しない完璧なバランスです。
油断すると60%オーバーのアルコール度数に喉を焼かれそうになります。
嗜好品の楽しみ方をアレコレ言うのは好きではないのですが、グラスの中のブッカーズというバーボンに誠意をもって向かい合わないと、灼熱感を感じて終わってしまうでしょう。
余韻は非常に長く、口中から液体がなくなってもしばらく甘みと香ばしさが残る。
ブッカーズ自身が非常に力強い味わいを持っているので、食べ物と合わせるのは難しそうですが、やはりバーボンなのでアメリカ伝統のBBQとは抜群に相性が良さそうですね。
また葉巻と合わせるのも良さそうです。
飲みすすめて、舌が慣れてきた頃にジム・ビームの片鱗を感じ取ることが出来るかもしれません。
究極とも言えるカスクストレングス、樽出しのウイスキーなのでぜひストレートで楽しんでいただきたい逸品。もし加水するのであれば数滴ずつ慎重に。変化を楽しんだり好みの味わいにすると良いかと思います。
まとめ
バーボンの頂点に立つウイスキーの一つと言っても過言ではないブッカーズ。
ブッカーズをはじめ、バーボン、その他ウイスキー、もっと広い観点で言うとお酒全般に言えることですが、お酒を味わうときは誰かに見せびらかすためではなく、自分のために味わいましょう。
どんな高級なお酒を飲んでも、あなたはあなたです。偉くもないですし、他人より優れているということはありません。
他人が言っている高尚な美辞麗句を連ねたようなテイスティングコメントではなく、自分が感じた味を信じてください。それが一番大事なことです。
ブッカーズはその気持ちがないと太刀打ちできない力強いバーボンです。
一気に呷れば喉を焼かれ返り討ちに遭ってしまうでしょう。しかしゆっくりと、時間をかけて、向かい合うことでバーボンの、ウイスキーの、お酒というものの本質が理解できると思います。
説教くさくなりましたが、最終的には楽しむのは自分自身です。自分が楽しめる飲み方をしてくださいね。