「グリューワイン」という飲み物は、現在は日本でも比較的よく飲まれるようになったものですからご存知の人も多いかもしれません。
ただ、これが有名なのは、やはり「ドイツ」です。
今回は、ドイツ8都市とオーストリア2都市をまわってすべての土地でグリューワインを飲んできた私が、その特徴と面白さについてお話ししていきます。
目次
グリューワインってそもそもどんなときに飲むものなの?
グリューワインは、「この時期に飲まなければならない」「この時期には飲んだらいけない」という明確な決まりがあるわけではありません。ただ、クリスマス・マーケット(ドイツ語では「ヴァイナハツ・マルクト」)で飲まれることが非常に多いので、「クリスマスシーズンに飲むもの」という印象を持っている人が多いかと思われます。
「グリューワイン」は、ドイツ語です。「グリューヴァイン」とも呼ばれます。日本では「ホットワイン」という表記をしますが、これは英語ではないのだとか。
グリューワインは、簡単にいえば、「温めたワイン」です。ただ、単純にワインを温めてつくるだけではなく、そこにさまざまな香辛料を入れて作ります。また、お店によってはほかのアルコール(ブランデーなど)を追加で入れることがあります。
果物(主にオレンジピール)や砂糖を入れて作られることが基本となるため、熱く、甘く、香り高いのが特徴です。
お店ごとによって多少値段と味が異なります。
クリスマス・マーケットでグリューワインを楽しもう!そのコツは?
クリスマス・マーケットでグリューワインを楽しみたいのであれば、できるだけさまざまな都市をまわってみてください。
写真からも分かるように、グリューワインはかわいらしいカップに入れられて渡されます。このカップは都市ごとで異なるのです。また、「2017」などのように年が入れられているものもあり、季節限定・都市限定のものなのです。
ただ現在では、同じ都市であってもバリエーションをつけているものもあります。そしてそれによって値段や人気が異なることもあります。私は本当はスノーマンのグリューワインカップが欲しかったのですが、時すでに遅く「売り切れだよ」と言われてしまいました……。そのため私は次点の候補だったこの長靴型を選んだのですが、一般的な寸胴型のカップよりも少し値段が高かった覚えがあります(カップではなく、お店による違いかもしれませんが)。
このような「かわいいカップ」「そこでしかもらえないカップ」をもらうことができるのが、ドイツのクリスマス・マーケットの楽しみだといえます。ドイツのお隣のオーストリアでも同じような楽しみ方ができますが、クリスマス・マーケットの規模はやはりドイツの方が大きいといえます。
なお、このカップは返却すればある程度お金が戻ってきます。カップの値段は400円程度といったところでしょうか。
グリューワインの味わいは、実にさまざまです。比較的シンプルな味わいのものもあれば、果実味が豊かなものもありますし、香辛料がガンガンにきかせられているものもあります。
今回ミュンヘンで飲んで衝撃的だったのが、「これでもか!」とブランデーを入れたグリューワインです。「ブランデー大丈夫かい?」と言われて、「大丈夫」と答えたら、VSOPのブランデーが勢いよく注がれました……。グリュー「ワイン」なのですが、香辛料を入れても紛れることのないブランデーの香りがとても強く香ってきました。とてもおいしいのですが、お酒に弱い人は遠慮した方がいいかもしれません。
ちなみに一般的なグリューワインはだいたい700円~800円くらいが相場ですが、このブランデー入りのグリューワインは1200円ほどでした。たしかにここまで入れればこれくらいの金額にはなりますね……!
日本で飲むグリューワインと、現地で飲むグリューワインはまったく風味が異なります。特に、「その年・その都市・その店限定のカップ」は現地でなければ手に入りません。お店ごとに異なる味も、「飲み歩きたくなる魅力」にあふれています。ドイツの冬は日本よりも寒いですから、グリューワインもよく合います。
グリューワインと一緒に、ソーセージなどをぱくつくのも良いですね。
ドイツには何度か足を運んでいますが、行くのなら断然クリスマスシーズンがおすすめです。
現地の人にまじって、表情豊かなグリューワインを楽しんでくださいね!