ボジョレー・ヌーボーの解禁が楽しみで、11月になるとわくわくする……という人もいるのではないでしょうか。
ここではそんなボジョレー・ヌーボーの歴史と生い立ちを解説していきます。
目次
ボジョレー・ヌーボーの歴史について
ボジョレー・ヌーボー(「ボージョレ・ヌーボー」「ボジョレー・ヌーヴォー」とも。ここでは「ボジョレー・ヌーボー」の表記に統一)は、言わずと知れた「ボジョレー地区で作られている新酒」のことを指します。その年に収穫されたばかりのブドウを使って作られるこのボジョレー・ヌーボーは、
・ボジョレー地区で作られたものだけを指す
・その年に収穫されたブドウから作る
・ガメイを使う
・解禁日は決まっている
という特徴を持ちます。
ボジョレー・ヌーボーは、もともとは「ブドウの収穫を祝うための宴」でふるまわれていたお酒でした。収穫祭に使うワインであったため、「年代物の」ワインとは味も性質も異なります。
解禁日は、1984年までは11月の15日と定められていました。しかし時代を経るに従い、運送業者の都合なども鑑みて、「11月の第3木曜日」と決められました。
なお、2021年のボジョレー・ヌーボーの解禁日は11月18日です。
日本で大人気! ボジョレー・ヌーボーが注目されたバブル期
さて、このような特徴を持つボジョレー・ヌーボーは、バブル期に爆発的な人気を得て一気にその知名度が上がりました。
日本全体が潤っていたバブル期は、日本にワインが広く知れ渡った時期でもあります。
ボジョレー・ヌーボーは(多少の違いはあるものの)タンニンが比較的柔らかいため飲みやすく、ワインに慣れていない人にも飲みやすいという特徴があります。また日本では時差の関係で本国フランスよりも7時間程度早く解禁日が来ること、元々「初物」を重要視するお国柄もあったことなどもあり、非常にニーズが高くなったのです。
この当時のことを描き出した作品などを見ていると、「テレビ局の景品でボジョレー・ヌーボーがあたり、それを高く売った」などのエピソードが出てくることもあります。
このような「狂乱」ともいうべき状況は、やがて下火になっていきます。2021年の現在では、コンビニなどでもボジョレー・ヌーボーが扱われるようになり、「珍しいもの」「特別なもの」とは言い難くなりました。
しかしこれは、裏を返せば、それだけボジョレー・ヌーボーが日本人に浸透していったことのあらわれだと言えるのかもしれません。