ワインの名産地といえば、フランスやドイツ、イタリアにスペイン、それにアメリカにチリ……といった国々を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
これらの国で作られるワインがすばらしいものであることはもちろん疑いようのないことではありますが、それ以外にもワインを作っている国はたくさんあります。今回はそんな国のなかから「キプロス」を取り上げます。
目次
キプロスとワインについて
キプロスは、地中海に浮かぶ美しい島にある国です。ニコシアを首都とする国であり、モザイクタイルを使った遺跡が非常に有名です。非常に複雑な歴史を持っていて、島の北部はトルコ領となっています。
このキプロスでは、昔からワインが作られていました。今回は一般的な赤ワインを取り上げていますが、この島に残る酒精強化ワインである「コマンダリア」はワイン通の間で広く知れわたっています。強い甘味を呈するワインであり、非常に厳格な条件下の元で育てられているワインでもあります。コマンダリアは世界最古のワインであるとされていて、その歴史は紀元前にまでさかのぼります。かつてはクレオパトラもこれを飲んだとか!
コマンダリアは、現存するワインのなかでもっとも古いものであるとされています。このようなすばらしい歴史を持つキプロス島のワインですが、日本においてはそれほど知名度はありません。しかしインターネットが普及した今、探そうと思えば、インターネット通販などでは比較的手に入りやすくなっています。
キプロス生まれの「オセロ」について
今回は、このキプロス生まれの赤ワインとして「オセロ」を取り上げましょう。非常にシンプルな名前を付けられたこの赤ワインは、キプロスの土着品種であるブドウ(オッサルモとマブロ)を使って作り上げられています。なお、これを作っているのは「KEO社」というところです。ここは、キプロスのなかでも最大手のワイナリーであり、上述したオッサルモやマブロなどのような土着品種に焦点を当てたワイン造りを信条としています。そのため、「キプロスらしい」ワインを選ぼうとするのであれば、このKEO社の作りだしたワインに目を向けることをおすすめします。
これはしばしば、「フランスのボジョレーの良い畑で作られるワインに匹敵する」とも讃えられるワインです。バランスに優れており、甘味と酸味がよく出ているのが特徴です。果実味も十分感じられるでしょう。
香りとしては、一番先に、プラムやカシスなどのベリー系の香りを覚えます。人によっては煙草のような香りを感じる場合がありますが、ばらの花の香りだととらえる人もいます。このあたりは、その時の鼻の状態によっても多少感じ方が違うかもしれません。
ミディアムボディに分類されていますが、比較的飲みやすいワインに分類されるでしょう。果実味があり長く余韻を引きますが、夏場に飲んでもうっとうしさを感じさせないワインだといえます。料理とも比較的合わせやすいでしょう。
あまりにも重すぎる肉料理は受け止めるのが難しいかもしれませんが、ローストビーフなどと相性がよいと思われます。また、意外なところでは、サーモンとホウレンソウとタマネギをごま油やしょうゆで味を調えた和食とも相性がよく、意外な面白さが楽しめます。魚と合わせるのであれば、カルパッチョなどが適当でしょう。
ちなみに、比較的有名なアメリカのアカワインでも「オセロ」と呼ばれるものがあるので、間違えないようにご注意を。こちらは、アメリカのカルフォルニアのナパで育てられる、カベルネ・ソーヴィニヨンなどを使ったワインです。
参考URL:
https://www.budouya.jp/products/detail.php?product_id=31
http://www.akikotomoda.com/lecture/?p=3230