美しく、華やかで、きれいで、ロマンチックなワイン。それが「ロゼワイン」です。さまざまなワインがありますが、ロゼワインだけが持つあのバラ色の美しさは、多くの人の目を惹きつけます。
今回は、熱狂的なファンも多い「ロゼワイン」についてとりあげます。
目次
ロゼワインの作り方
ロゼワインは美しいピンク色を呈しますが、その濃さによっておおよそ製法の区別がつくとされています。
まず、もっとも薄い色をしているもの。これは、ブドウを直接つぶして汁を搾り取り、その後にピンクの果汁を発酵させて作るものです。「直接圧搾法」と呼ばれています。今回紹介している3つの方法のなかで、もっとも淡い色をとります。
直接圧搾法は「白ワイン製法」とも呼ばれますが、それとは別に、ブドウをつぶしてある程度置いて作るやり方もあります。ここからはさらに2つの方法に枝分かれします。
「短時間」で果汁だけを絞って、それを発酵させたものは「マセラシオン」という手法で作られたロゼワインとなります。直接圧縮法よりも色は濃いのですが、セニエに比べると色は薄くなります。
「短時間」ではなくある程度短い「期間」発酵させたものは、「セニエ」と呼ばれる濃い色をしたロゼワインになります。
なお、樽などでしっかり熟成させると、赤ワインができあがります。ちなみにセニエは、元々はこの「赤ワイン」を作るための手法でもあります。
ロゼワインの持つ特徴と味の傾向
ロゼワインの持つ最大の特徴は、やはりその美しさにあります。可愛らしいピンク色は場を華やかにさせますし、心躍るディナーの始まりにぴったりです。
しかしながら、同じ「ロゼワイン」といっても、味はさまざまです。
たとえば、「ウィスパリングエンジェル」という何とも美しい名前を冠したフランス プロヴァンスのロゼワインなどは、白ワインの風味を強く感じさせるロゼワインです。わずかの苦みがあって、ライムやレモン、オレンジなどのかんきつ系の香りを強く感じさせます。また、スパイシーでシナモンの香りもあり、味にもボリューム感があります。
対して、同じ年(両方とも2016年)に、同じフランスで作られた「タヴェル・ロゼ」などは全く違う味を持ちます。コート・デュ・ローヌで育てられたこのワインは、強いストロベリー香とレモンの果皮、バラの香りなどをまとい、非常に濃いピンク色を呈します。渋みと酸味の両方があり、スパイスの味もします。ロゼワインというと食前酒というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、こちらの方は羊肉などをも受け止めることができる味に仕上がっています。
地域は違うものの、同じ国・同じロゼ・同じ年のものであっても、味は大きく異なります。ロゼワインは日本人向きのワインだと評するソムリエもいますから、一度飲み比べてみるのも面白いでしょう。特に色の違いに着目すると、それぞれの個性が見えてきます。
参考URL:https://www.enoteca.co.jp/article/archives/394/