「赤ワインには、ブルーチーズがよく合う」ということは、ワインを飲む人ならば誰もが知っていることなのではないでしょうか。ブルーチーズのかぐわしい香りや独特の塩味は、ワインと極めて相性がよいものです。
ただ、ブルーチーズには無数の種類があり、そしてワインにも無数の種類があります。またここに「好み」も加わるため、実際には一概に「このチーズにはこのワインが合う」と言い切ることはできません。
しかし、良いチーズ、赤ワインと合わせやすいチーズの代表例を知ることは、ワイン選びにおいて非常に重要な意味を持ちます。
ここでは、個人的な好みも加わりますが、3つほど代表的なチーズを紹介します。
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ゴルゴンゾーラドルチェ
「ゴルゴンゾーラ・ドルチェ」とも記されます。言わずと知れた世界三大ブルーチーズのうちの1つで(ただし、「世界三大チーズ」と言うときは、「ゴルゴンゾーラドルチェ」とはせず、単に「ゴルゴンゾーラ」とされる。また、他の2つは、ロックフォールとスティルトン)あり、非常に知名度の高いものです。
ゴルゴンゾーラは、大別してこの「ゴルゴンゾーラドルチェ」と「ゴルゴンゾーラピカンテ」に分けられます。ゴルゴンゾーラドルチェの方が柔らかな味わいで、ゴルゴンゾーラピカンテの方が刺激的な味わいです。
日本人が青カビに慣れていなかった頃は、「日本に入ってくるゴルゴンゾーラは、そのほとんどがドルチェである」と言われていましたが、現在では状況は大きく変わりました。スーパーなどでも、ゴルゴンゾーラピカンテもドルチェも、両方ともよく扱われるようになったのです。
ただ、ゴルゴンゾーラドルチェの方が、青カビが苦手な人にも受け入れられやすいのは確かです。これは特に、フレッシュな赤ワインとよく合います。若々しい赤ワインとの相性は非常によく、また味の品質もよいため、初心者さんはまずはここから始めるとよいでしょう。
カブラレス
自信を持っておすすめできるのがこれです。個人の好みはあるものの、個人的にはもっともおいしいブルーチーズのうちの1つと思っています。塩分、パンチ、独特の芳香と、ブルーチーズに求められる要素の全てを高いレベルでクリアしており、しかも臭みがほとんどありません。
スペインのチーズであり、それほど知名度はありませんが、通販で取り寄せるだけの価値は十二分にあります。
白ワインにも合い、ビールにも合い、汎用性が高いのがカブラレスの特徴です。もちろん赤ワインとの相性も非常によいといえます。チーズの味自体が突出しており、どのような赤ワインともよく合いますが、特にフルボディのものと相性がよいでしょう。
ブルー・ジンズ
「食べやすい定番」「なかなか手にはいらないけれど、チーズとして突出した味を誇るもの」を紹介した後は、やや「ひねくれ者」のチーズを紹介します。
ウォッシュチーズで有名な会社が作り出したブルーチーズで、なんとこれはジンで洗ってあります。非常に個性的な味わいで、くるみやりんごの味とともに、パンチとコクのある香りを楽しめます。
強烈で、口の中に広がるあまりにも主張の強い味わいは、ブルーチーズ が初めて! という人には向かないかもしれません。しかし玄人の舌を楽しませるに足るチーズですし、好きな方はこれのファンとなるでしょう。
強いワイン、パワフルなワインとの相性も悪くなく、非常に骨太なマリアージュを楽しめることでしょう。「一般的な、ワインとチーズの組み合わせに飽きてきた」という人は、実験的に試してみてください。新しい世界が開けるでしょう。
ちなみに、「ジンで洗っている」というころからも分かる通り、ワインだけではなく、ジンとの相性もよいチーズです。