よく知られた一般的なビールも魅力的なものではありますが、手作り感あふれるクラフトビールもまたとてもおいしいものです。
今回はこのクラフトビールのなかから、比較的知名度の高い「シメイ『ゴールド』」を取り上げ、その歴史や味、考え方などについて解説していきます。
目次
シメイ「ゴールド」はトラピストビールのうちの一種
シメイ「ゴールド」は、トラピストビールのうちの一種です。そのため、シメイ「ゴールド」を解説するためには、まずは「トラピストビールとは何か」を取り上げていかなければなりません。
トラピストビールとは、トラピスト修道院でその修道士によって作られているビールを指す言葉です。
キリスト教といえば「赤ワイン」があまりにも有名です。キリスト教では、赤ワインは「キリストの血」と考えます。このため、さまざまな修道院でワインを育ててきました。これは宗教的な意味を持つとともに、修道院・教会の重要な資金源ともなっていました。
しかし、場所によってはワインを育てるのが難しい場合もあります。地理的な理由が元で、ワインがなかなか育てられない場合は、それ以外の選択肢を選ばなければなりません。
そこで注目を浴びたのが、「ビール」です。
ただ、近代化の波や宗教に対する弾圧などもあり、現在ではトラピストビールを扱っている修道院は非常に少なくなりました。トラピストビールは厳律シトー派の修道会によって作られていますが、現在このトラピストビールをつくっているところは、わずか7か所にすぎません。ベルギーとイタリアに、それぞれ6か所と1か所があるだけです。厳律シトー派の修道会自体は147か所もあるということを踏まえれば、これがいかに少ない数字かと言うことが分かるでしょう。
ただ、トラピストビールを生産しているところ自体は少ないものの、シメイビールは非常にメジャーなビールだとはいえます。日本でも非常によく出回っており、トラピストビールのなかでももっとも有名なものであるため、手に入れることは決して難しくはありません。
ちなみに、シメイビールは修道院の井戸水で作られています。
シメイ「ゴールド」の味わいについて
かつて、シメイ「ゴールド」は非常に特別なものとして扱われていました。門外不出となっており、修道士だけしか飲むことが許されなかったのです。
シメイビールといえば、シメイ「レッド」、シメイ「ブルー」、シメイ「ホワイト」がよく取り上げられます。シメイビール自体の歴史は非常に古いのですが、初めからその全てが販路に乗っていたわけではありません。シメイ「ゴールド」はもっとも遅く、2013年に新定番の商品として打ち出されました。
シメイ「ゴールド」は、軽い飲み口が特徴です。ホップの香りも軽く、また華やかです。苦みがほとんどなく、辛味の方が強く感じられるでしょう。
シメイビールは「ワインにも似たテイストを覚える」と評されますが、シメイ「ゴールド」の場合は、そのようなことはありません。ぐいぐいと杯を重ねられるすっきり刑のビールであり、飲む人に重さを感じさせません。
このような特徴を持っているからか、合わせる料理を選ばないのもまたシメイ「ゴールド」の特徴です。ただ、強いて言うのであれば、その爽やかな後味を利用できる揚げ物類などと合わせると活躍がしやすいでしょう。
ただその反面、圧倒的な飲みやすさゆえに、逆にシメイ「ゴールド」はちょっと「物足りなさ」を感じるかもしれません。すぐに350ミリリットルを飲み切ってしまうため、複数本用意するか、ほかのシメイシリーズを用意しておいた方がよいかもしれません。
https://mitsuifoods.co.jp/mfp/import/chimay/5410908000128.html
http://www.dolphins.co.jp/trappist/trappist01.html#06