「ドイツ」は、非常によく知られたワインの名産地です。ドイツで育てられたブドウから作られたワインは、よく日本にも入ってきています。
今回はこの「ドイツワイン」の特徴を取り上げるとともに、そのドイツワインの代表例を1つ紹介します。
目次
ドイツワインの今昔物語
「ドイツワインといえば、非常に甘いワイン」と思う人も多いことでしょう。実際、かつてのドイツワインといえば、甘口の白ワインが大多数を占めていました。
これには、ドイツ独自のワインの格付けも影響を及ぼしているのかもしれません。
ドイツワインの格付けは、「生産地限定格付け上級ワイン」「生産地限定上級ワイン」「地理的表示つきワイン」「地理的表示のないワイン」に分けられていますが、その最上級である「生産地限定格付け上級ワイン」は、さらに糖度によって6段階にわけられているのです。このため、「上質なドイツワイン=甘口のワイン」という考え方をする人もいたのではないでしょうか。
しかし現在では、日本にも辛口の白ワインがよく入ってきています。現在は、現地でも日本でも、さまざまなドイツワインがバランスよく展開していると言ってもよいでしょう。
ドイツは、「モーゼル」「ラインヘッセン」「ファルツ」「ラインガウ」「フランケン」「ヴュルテムベルク」の6つの大きな産地を持っています。このなかでもフランケン地方のワインは、丸みを帯びた独自のかたちのワインボトルを採用しているため、非常に目立ちます。
また、モーゼルワインはよく緑色のボトルに入れられているため、これを「美しい緑の瞳」の比喩表現として使った物語などもあります。
ドイツワインを代表するブドウは、やはり「リースリング」です。鮮やかな酸味と繊細な風味を持ったブドウです。このリースリングは、ドイツを代表する「貴腐ワイン」の原材料としても非常によく使われています。
カルフェルツ・リースリング・フルフトズースについて
ここからは、実際にドイツのワインを取り上げてお話していきましょう。今回ピックアップするのは、美しい緑のボトルが印象的な「カルフェルツ・リースリング・フルフトズース」です。
ボトルの色・デザインからも分かるかもしれませんが、これはモーゼル生まれの白ワインです。リースリングを原材料としたワインであり、非常にバランス感覚に優れたワインでもあります。
白い鼻の香りと、濃厚な洋ナシの香りを強く感じます。またその奥に、わずかにナッツ系統の香りも感じます。
甘みが強いワインではありますが、酸味もあります。このため、最初の1口目の印象よりもだいぶ飲みやすい味わいに仕上がっています。フルーティーでありながらもやや重みもあり、存在感のあるワインだともいえるでしょう。
この「カルフェルツ・リースリング・フルフトズース」を作っているワイナリーは、1907年に生まれています。110年以上の時間をかけて育てられたこのワイナリーのワインは、コストパフォーマンスもよく(1800円~2000円程度)、1本冷蔵庫に入れておいても損はありません。
合わせる料理に関しては、スパイスをきかせたものがよいでしょう。また、ソーセージや軽いピンチョスなどとも相性がよいものです。比較的しっかりしたワインではありますから、メインディッシュに合わせることもできます。
今回は「カルフェルツ・リースリング・フルフトズース」を取り上げましたが、ドイツのワインは無数にあります。ボトルデザインが愛らしいものも多く、選ぶ楽しみもあるでしょう。甘口・辛口、そして今回はあまり大きくは取り上げませんでしたが「赤ワイン」もまた、独特の風味を持ちますから、ぜひ楽しんでみてください。