現在は世界各国で数多くのワインが育てられています。そのなかにははるかに長い歴史に育まれたワインもありますし、またワイン文化が比較的浅い国もあります。加えて、「ワインの名産地」として広く知られた国もあれば、「ここでもワインが育てられている」というと多くの人が「そんなところでもワインが育てられていたの?!」とびっくりするような国もあります。
そして、多くの人にとって、「レバノン」という国は、後者の「そんなところでもワインが育てられていたの?!」と驚く国のうちのひとつなのではないでしょうか。
今回は、そんな「レバノン」で育てられているワインについて取り上げていきます。
目次
レバノンという国のワインについて~レバノンワインの意味と育てられ方
恐らく、日本人にとって「レバノン」という国は、「情勢が安定しておらず、命の危険性があって、怖い国」といったイメージを抱かせる国なのではないでしょうか。実際、レバノンでは反政府デモなども行われており、2019年の10月現在であっても政情は安定しているとはいえません。
レバノンの一部は「十分注意レベル」に留まっていますが、地域によっては、「不要不急の渡航中止」あるいは警戒度3の「渡航中止勧告」と外務省によって勧告が出されています(なお、一番警戒レベルが高いのは、「警戒度4」の状態です)。
実際にレバノンを訪れた人のなかには、「レバノンはそれほど危険な地域ではない」「内線は昔の話だ」と語る人もいますし、料理がおいしい国だとも言われています。このどちらを信じるかは人によりますが、レバノンで作られるレバノンワインが、私たちを楽しませてくれることはたしかです。
レバノンは、アラブ圏でもっとも特筆すべきワインの生産地だと言われています。レバノンワインがこのように躍如するようになったのは、皮肉にも第一次世界大戦がきっかけであったとされています。レバノンは、第一次世界大戦の後に、ワインの一大生産国であるフランスの植民地化にありました。フランスがもたらしたワイン作りのための技術やワインのためのブドウは、レバノンの持つ、地中海性の気候と非常にマッチしたといわれています。この影響のためか、レバノンワインは、フランスワインの流れを受け継ぐ、ボルドー系が多いとされています。
レバノンワインは、現在は日本でも比較的手に入れやすいものとなっています。レバノンは、ブドウにとりつく病害が非常に少なく、ワインがよく育ちます。また、石灰岩質土壌を持っており、酸のきいたワインを生み出すことでも知られています。
レバノンワインがたどってきた歴史やその背景にあるもの、また現在のレバノンの状態は、決して手放しに「良いもの」ということはできません。しかし現在市場に出回っているレバノンワインの価値は、そのような歴史や背景に影響されることのないものだともいえるでしょう。
引用:
外務省海外安全ホームページ「レバノン」
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_055.html
レバノンワイン「プリウレ・クサラ」について
ここからは、レバノンワインの1種類である「プリウレ・クサラ」について見ていきましょう。
プリウレ・クサラは、レバノンのシャトー・クサラが作りだしたフルボディのワインです。レバノンワインを試すのに最適な1本とされており、非常にローコスト(1500円~2000円くらいが多いかと思われます9で手に入れられるのも特徴です。
カベルネ・ソーヴィニヨンやムールヴェードル、カリニャンにサムソーといった4つのブドウから作られた赤ワインであり、しっかりとした重厚な重みをもちます。ワインの分類としては、フルボディに分類されます。
カベルネ・ソーヴィニヨン由来と考えられるミントのような清涼感があるのが特徴で、スワリングをするとこれがより強く出ます。ただし、スワリングをすると、複雑みのある香りも出てきます。ブルーベリーやブラックベリーといったベリー系の果実香が出て来るワインですが、人によっては「熟したストロベリーの香りのような」と形容することもあります。
味わいとしては、かなり特徴的な苦みがあります。タンニンは比較的豊かで、しっかりと感じられます。かなり重みのあるワインであり、「フルボディで、しっかりとした重みのあるワインが飲みたい」と感じる人におすすめです。かなり男性的な味わいを誇るワインでもあるため、ずっしりとした肉料理などに合わせるとよいでしょう。特にビーフステーキなどがおすすめです。
プリウレ・クサラは、値段の安さもあり、「レバノンワインを試してみたい」と考える人におすすめです。ただ、「プリウレ・クサラ」は赤ワインに分類されますから、「もっときれいな酸を感じたい」「酸が特徴的だというのならば、それを味わえるワインがいい」と考える人は、白ワインを試してみた方がよいでしょう。レバノンワインとしては、白ワインもそれなりに出回っています。
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