「ワインの名産地」と聞いて、「アルメリア」を思い浮かべる人は決して多くはないでしょう。しかしここもなかなか面白いワインを作っているのです。
ここでは、アルメリアのワインをとりあげて、その歴史や特徴について解説していきます。
目次
アルメリアはワイン発祥の地とも考えられている
世界には数多くの「ワイン発祥の地」がありますが、アルメリアもまたそんな「ワイン発祥の地」の候補のうちのひとつです。今から10年ほど前に、アルメリアにて醸造所の跡が発見されたことは非常に大きく、注目される理由ともなりました。その醸造所はなんと6100年も前のものだったといわれています。
非常に面白いことに、アルメリアのワインの歴史は「宗教的な寓話」と結びつけられています。キリスト教のなかの聖典として「旧約聖書」がありますが、その聖書のなかで、ノア(「ノアの箱舟」で有名)は初めてブドウを植えた人間だとされています。そしてその土地が、このアルメリアだと考えられているのです。日本人の多くにとってキリスト教はやや遠い存在のように思われますが、このような宗教観がアルメリアの人々の心に息づいています。また、現在つくられているワイン用のブドウも、この流れを汲んでいると考える人もいるかもしれません。
さて、このアルメリアのワインのなかには、素焼きの壺を使って作られるワインもあります。この壺は「クヴェヴリ」と呼ばれるものであり、アルメリアワインを語るうえで重要なものでもあります。
アルメリアのワインのなかには、アレーニ・ノワール種を使ったものがあります。これは世界で最も古いブドウ品種だとされています。また、土着品種も積極的に取り扱っています。
「素焼きの壺を使った伝統的な醸造」「古いブドウ品種」「土着品種」という言葉から、どことなくレトロで、トラディッショナルなワインを連想する人が多いかもしれません。しかし実際には、アルメリアのワインは非常に現代的で革新的なものも扱うようになっていっています。これは、現代に生きる著名な醸造家のコンサルティングの元で生み出されているともいわれています。
土着品種、伝統的な作り方もあればモダンで新しいスタイルのワインもある……それが現在のアルメリアワインの特徴です。アルメリアでは、日々、個性豊かで非常に多様性に富んだワインが生産されています。
アルメリアのワインは、日本での知名度はそれほど高くはありません。しかし有名な醸造家に近年注目されているところでもあるため、今後は日本によく入ってくるようになるかもしれません。
面白いワインを飲もう! アルメリアの「アルメリア・ポメグラネート」
上でも述べたように、アルメリアのワインは非常に多様性に富んでいます。その多様性を表すワインとして、「アルメリア・ポメグラネート」を取り上げます。
アルメリア・ポメグラネートは、ブドウだけで作られたワインとはまったく味わいを異にするワインです。アルメリア・ポメグラネートには「ザクロ」が入っているからです。アルメリアの土着品種であるアレニと、果物のザクロを合わせて作られたこのワインは、非常に個性的な味になっています。
外見は非常に濃い赤色なのですが、渋みはほとんどありません。甘さの方が支配的で、香りも甘めで、またかわいらしい香りになっています。食事と合わせるのは難しいので、食前や食後に飲むとよいでしょう。
個性豊かで面白いワインであり、また珍しいワインでもあります。ただそのくせのある味わいは、どうしても好き嫌いが分かれやすいものです。
「どうしても飲みにくさを感じる」という場合は、氷で割ってください。
氷で割ると、アルメリア・ポメグラネートの強烈な個性がやや薄れ、飲みやすい味わいになります。また、飲むときもしっかり冷やして飲むことをおすすめします。赤ワインはある程度温度を上げて楽しむ……という人が多いかと思われますが、アルメリア・ポメグラネートの場合は冷やした方が飲みやすくなります。
ポルトガルで育てられるワインは、専門家からも熱い視線を集めています。カステロ・ダルバ・ドウロ・ブランコが気に入ったのならば、ポルトガルが誇るマデイラワインやポートワインなどを飲んでみて、カステロ・ダルバ・ドウロ・ブランコとの違いを楽しむのもよいでしょう。
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