日本ワインの生産量約3割のシェアを占め、生産量日本一を誇る山梨県。山梨県は2019年8月7日に「ワイン県やまなし」を宣言し、今年8月にはその1周年を記念したイベントとして、山梨県内で活躍されている3名の女性醸造家のワイナリーをオンラインで訪問するイベントを開催しました。
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日本ワインの発祥地「ワイン県やまなし」
山梨県は日本ワイン発祥の地として重要な産地です。日本全国には331か所のワイナリーがあり、そのうちの85か所が山梨県に集まっており、その数は日本一を誇ります。
また、2008年には山梨県北杜市が日本最初のワイン特区として認定され、山梨県の土地と気候の特性を生かしたさまざまなブドウ栽培とワインづくりが盛んです。
さらに、山梨県を代表する白ブドウ品種・甲州が2010年に、黒ブドウ品種のマスカット・ベーリー・Aが2013年に「国際ぶどう・ぶどう酒機構(O.V.I.)」のリストに登録され、これらの品種を使ったワインをヨーロッパに輸出する際、ラベルに品種名の表記が可能になりました。山梨県は日本ワインの国際化にも大きく貢献しています。
今回オンライン訪問したワイナリーはフジッコワイナリー(甲州市勝沼町)、Kisvin(甲州市塩山)、丸藤葡萄酒工業(甲州市勝沼町)の3軒。
それぞれのワイナリーを、オンライン訪問しながら一緒に飲んだワインとともに振り返ります。
フジッコワイナリー/甲州スパークリング2018
「フジッコのお豆さん」で有名なフジッコさんのワイナリー。チーフワインメーカーの鷹野ひろ子さんいわく、お出汁や発酵食品を使った和食に寄り添えるワイン造りを意識していらっしゃるそう。甲州ブドウは日本をそして山梨県を代表する白ブドウ品種で、他の品種と比べて糖度があがらないという特性があります。今回いただいた「甲州スパークリング」は、その特性を利用し、成熟したぶどうから伝統的なシャンパーニュ方式で醸造されています。果実味がジューシーで、それでいて酸がまろやかなので繊細でさっぱりとした口当たり。辛口な印象でお刺身(特に白身のお魚)やお寿司にも合いそうです。
Kisvinワイナリー/ジンファンデルロゼ2019
Kisvinは甲州市塩山にある2013年に創業した新進気鋭のワイナリー。醸造責任者の斎藤まゆさんが、醸造所の中からワイナリーを紹介してくれました。斎藤さんはカリフォルニアで醸造の修行を積んだ経歴をお持ちです。いただいたのは「ジンファンデルロゼ2019」。ジンファンデルはカリフォルニアを代表するブドウ品種で、ロゼは珍しいなぁと思っていたら、なんと日本国内でジンファンデルを育てているのはこのヴィンヤードだけだそうです。宝石のような輝く色合いで、プロヴァンスのロゼを思わせるようなしっかりとした骨格のあるロゼワインでした。
キスヴィン シャルドネ [2018] キスヴィン・ワイナリー
丸藤葡萄酒工業/万力ルージュ2018
丸藤葡萄酒工業は創業130年、明治時代から山梨でワイン造りをなさっている老舗中の老舗ワイナリー。ルバイヤートのブランドで知られています。欧州品種の栽培にも注力している安蔵正子(あんぞうまさこ)さんは長年このワイナリーでワイン造りに携わっていらっしゃいます。飲ませていただいた「万力ルージュ2018」は、安蔵さんご自身が所有されている山梨市の畑で収穫した欧州品種(メルロー、タナ主体)で作られています。ワイン造りの極意を質問された安蔵さんは「毎年畑に向き合って、一番いいと思うときに収穫しています。醸造に関して人間の手がおよぶところは本当に微々たるもので、ブドウの力が9割。ブドウが頑張ってワインになっていくのを見守る、というスタンスです」とおっしゃいます。何気ない言葉の中に、ブドウ栽培への深い愛情とワイン造りへの信頼が感じられ、エレガントでやさしい味わいのワインは安蔵さんのお人柄なのかもしれません。貯蔵庫には酒石酸の結晶がキラキラ光っていて、古民家を改装した素晴らしい社屋とともに歴史を感じられるワイナリーでした。
日本ワイン 山梨/丸藤葡萄酒 ルバイヤート ルージュ 樽貯蔵 赤 720ml W417 お届けまで10日ほどかかります
日本ワインは20年くらいの間に各段においしくなったと感じます。それはブドウ栽培、ワイン醸造に携わる方々畑づくりから見直して「自分たちが飲みたいワインを作りたい」「次の世代に残せるものを作りたい」という熱い思いに支えられているということが伝わってきました。3軒ともぜひ実際に訪問したいワイナリーです。
フジッコワイナリー https://fujiclairwine.jp/
Kisvin Winery http://www.kisvin.co.jp/
丸藤葡萄酒工業 http://www.rubaiyat.jp/