これを書いている7月下旬現在は緊急事態宣言中。アルコールの提供は20時まで、という中で、家から比較的近いところに良い日本酒の居酒屋を見つけた。行きつけが休業中の今、新しい店を開拓することも大事。早くから飲み始められる週末にお邪魔し、少しだけお酒に浸ってきた。
何杯か飲んだ中から、同じ銘柄で全く違う味の2つをご紹介しようと思う。
目次
1杯目
福井 美川酒造場 「舞美人 sanQ」
福井県福井市にある美川酒造場。1940年代に起こった福井の震災により現存する1棟のみを残して酒蔵が全て倒壊するという悲劇に見舞われるも、一時期の休蔵を乗り越えて復活した酒造。現在の蔵元さんは6代目らしい。
通称「酸っぱ舞美人」と呼ばれている、山廃純米の生原酒「sanQ」
「酸度」が6.6もあるという驚きの酒でありながら、さらにアルコール度数が16度を超えるという、酸っぱくてアルコールが強いインパクト大なお酒。
もちろん酸味がガツンと来るわけだけど、全体的には甘酸っぱい仕上がりになっている。ライチのような酸味ある香りと旨味、そしてお酒そのもののコクがしっかりと感じられて、なめらかに喉を通っていく。この酸度でこの飲みやすさは、特筆すべき味わいだろう。
一つ難しいのは、合わせる肴。漬物とか刺身は相性が悪そうなので、ラムやラタトゥイユ、グラタンのような味の濃い洋風のものがしっくりきそう。
2杯目
福井 美川酒造場 「舞美人 純米にごり 夏」
舞美人のバージョン違い。こちらは夏にも飲みやすいにごり酒。
「にごり」という単語では足りないほどオリがあり、ぱっと見は濁酒(どぶろく)にも見える。
しかし、そんな見た目とは違って、想像以上に口当たりはライトで、爽やかな飲み心地。乳酸がしっかりある、柔らかい味わいは、単体でも肴と一緒でもするすると飲めてしまう。夏向きのお酒なので冷やで飲む前提かと思いきや、意外にも熱めの燗酒も合うらしい。確かに、甘酒や粕汁を飲んでいるかのようなほっこりしたお酒になる気がする。
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これ以外にも様々なお酒が少量ずつ飲め、「色々な種類のお酒を少しずつ飲みたい」という自分にはピッタリのお店だった。
近いうちにまた行き、今年の新しいお酒と出会いたい。