若者の”○○離れ”が深刻…というニュースが定期的に報じられるようになってしばらく経ちますが、
よく見かけるのは”お酒離れ”ではないでしょうか。
飲食業界に携わっていると世間の”お酒離れ”は定期的に話題に上がってきます。
地方にある小さいレストランのいちソムリエから見た、”お酒離れ”について感じたことを書いてみようと思います。
目次
世間の”お酒離れ”は本当か?
お酒離れをどう定義するかが大変難しいところなので、ここ数年の間に感じた変化を、
あくまで“飲食業に携わる一個人の感想”として書いていきます。
私はとある地方都市のレストランに勤務しているのですが、ここ数年の間に店全体のアルコールを提供する量が減ったか と言われると、私の勤務するお店ではあまり変化は無い…というのが正直な感想です。
自治体の要請に従ってお酒を提供しなかった期間を除いては、若い方もそうで無い方もお酒を召し上がる方は変わらず召し上がっており、「家で飲むとかえって量が増えてしまう…」とおっしゃる方も居ました。
ここ2年程は飲食店に対する時間短縮要請やお酒の提供自粛などで、どのお店もかなり影響を受けたと思いますし、飲食店とひとことに言ってもその業態は様々で、受けた影響もその規模によるところなので一概には言えませんが、ここ数年の間に”お酒離れ”という一言では表現しきれない、ライフスタイルや考え方の大きな変化があったように感じます。
飲み方とシチュエーションの多様化
お酒離れというよりは、お酒を飲むシチュエーションが多様化した事と、飲む人も飲まない人もお互いの飲める量を尊重し、受け入れる流れが強くなったように感じています。
私の勤務するお店では、ご時世も後押しして週末の大人数でのご予約は激減しました。
ですが、平日に少人数やお一人でいらっしゃるお客様がとても増え、お酒を召し上がる方もそうでない方も、それぞれにお店で過ごす時間を楽しんでおられます。
レストランではワインの他に、ノンアルコールドリンクとのペアリングコースがあるのはもはや当たり前ですし、これまではメニューに載せていてもほとんど頼まれなかったノンアルコールカクテルのご注文をいただく機会も以前と比べてかなり多くなりました。
わざわざ集まることもせず、好きなお店のお料理をテイクアウトしてオンラインで仲間と楽しむというのが一般的になったのも大きな変化の一つですよね。
飲む人も飲まない人も お互いを尊重するお酒の飲み方
お酒離れによって自分好みのお料理とお酒の組み合わせを見つけた時の感動や、お酒が持つ素晴らしい歴史や文化を知る機会が減ってしまうのであればそれは残念だと思いますが、体感的には決してそんなことにはなっていないように感じます。
お酒を飲む方も飲まない方も個々の好みを大切にし、良い時間を過ごせるならこんなに良いことはないですよね。
お酒を扱う業界全体の消費は減っているのかもしれませんが、飲む人も飲まない人もお互いの適量を尊重し合えば、お酒の席はより楽しく充実したものになると思います。
飲めない私もワインは好きなので、ワインの美味しさを少しでもお伝えするため日々勉強していきます。
まだまだ油断できない状況は続きますが、多様化したより良いお酒ライフを楽しんでいきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。