サトウキビに関するものを原料としたラムはカリブ海周辺諸国で作られることが多いですが、近年日本でも作られるようになりました
日本でサトウキビといわれて思い浮かべるのは?
そう!沖縄県です!
黒糖などはすっかり有名ですが、ラムも作られているのです
今回は沖縄のラム「イエラム サンタマリア」を紹介させていただきます
目次
伊江島
沖縄のお酒といえば米を原料とした泡盛が有名ですね
県内の様々な場所で泡盛が作られていますが、伊江島は米を栽培するのが難しい土地だったため、泡盛を作っていませんでした
その代わりに島特産のサトウキビを使ったお酒を作ろうと試みたのです
イエラム サンタマリア
イエラムは今のところ生産している全てのラムがハイテストモラセスを原料としたラムになります
サトウキビジュースから作られるアグリコールラムよりも穏やかな風味で、ストレートでいただくのも美味しいです
蒸留所には泡盛の酒蔵出身の人が多いため、ラムの製造には経験も存分に活かされているようです
また原料のサトウキビは伊江島産のものだけを使っています
名前のサンタマリアはヨーロッパで聖母マリアの花として愛されているユリを由来としています
伊江島ではテッポウユリが群生しており、お祭りも開催されるほどの名物となっています
まさにイエラムサンタマリアは【地酒】となったのですね
至高のイエラム
さて、今回実際に飲んでいくのは【至高】の意味である【スプリム】の名を冠したイエラムです
蒸留酒(特にウイスキー)は熟成してあるもの、それも長期熟成のものが良いものとされることが多いですが、このスプリムは熟成をしていないホワイトラム
ラムは熟成していないタイプも一つの商品として完成しています
ウイスキーでもニューメイクやニューポット、ホワイトドッグなどの名前で熟成前の原酒がボトリングされることもありますが、一般消費においてはイレギュラーなものとしての認識だと思います。
私は熟成していないタイプのラムも大好きです。樽熟成していないからこそのフレッシュな味わいがとても魅力的なのです。なのでこのホワイトラムに【至高】という名がついている事がとても嬉しく感じます。
グラスに注ぐと粘度は中程度で充実感のある口当たりです
香りは青々としたサトウキビを彷彿とするフレッシュさを感じます
ライチやキウイフルーツ、パイナップルなどのフルーツとセロリやミョウガなどの香味野菜の風味も優しく感じられます
そしてやはりホワイトラムは海が思い浮かびますね
ステンレス製の単式蒸留器を使っているからだと思いますが、しっかりした厚みとミネラル感、確かに感じられるサトウキビの香り、さながら良質な黒糖を口にした時のような満足感があります。まさに沖縄のラムといった感じです
バターのようなコクと、度数の高さからなのか不思議と香ばしさも感じることができます
バタークッキーなどの焼き菓子のようですね
雑味は全く感じられないのでカクテルベースにしても贅沢なものに仕上がりそうです
暑い時期はモヒートなんて最高でしょうね
ソーダ割も美味しいと思います
まとめ
フランス海外県のマルティニーク島がサトウキビジュース100%から作られるアグリコールラムのメッカとされ、素晴らしいものがたくさんありますが、沖縄という新鮮なサトウキビが収穫できるからこそ出来上がる日本のラムも決して引けを取らないですね
世界に誇れるラムだと思います
今後私が個人的にイエラムを含めた日本産のラムに期待したいのは【日本らしさ】と【ラムらしさ】のバランスが取れた商品が増えることです
日本の伝統的なお酒の技術が使われることは素晴らしいのですが、日本らしさ、例えば使う酵母だったりを重視しすぎると焼酎のような味になってしまいがちなんですよね
馴染みのある味といえば聞こえは良いですが、ラムとしてのアイデンティティを持てないのでは……と感じてしまいます
とまあこの話は私の個人的な気持ちなので、どんな形でも日本でラムの認知度が上がって、ラムが日本人にとって、晩酌の選択肢の一つとして馴染んでいくことを期待しています