中央アメリカのニカラグアはコーヒーで有名ですが、実はラムも特産品なのです
日本ではあまり知られていないニカラグアのラムですが、アメリカやヨーロッパでは高い評価を得ています
今回はニカラグアで唯一のラムブランド、フロール・デ・カーニャをご紹介いたします
目次
原材料と製造
フロール・デ・カーニャはモラセスから作られるタイプのトラディショナルラムに分類されます
ニカラグアのサンクリストバル火山の麓の街、チチガルパに蒸留所があります
国内唯一の蒸留所で、ニカラグアのラム=フロール・デ・カーニャ蒸留所のものと考えて差し支えないと思われます(2024年現在)
火山の麓という肥沃で魅力的な土地のお陰で、自社農園のサトウキビや洗練された水を原材料として利用することが出来ます
SDGsとの関連
近年【SDGs】という言葉をよく聞くようになりました
Sustainable Development Goalsの略で、持続可能な開発目標と訳されます
貧困や不平等の撲滅やクリーンエネルギーなど様々な目標が掲げられていますが、どれも実現するには険しいなと感じるのが正直な感想ですが、だからといって決して無視していいものではないとも、同時に考えています
さて、なぜSDGsの事に触れたのかというと、今回取り上げているフロール・デ・カーニャは、非常に【サステナブル】なラムだからです
フロール・デ・カーニャ蒸留所では、発酵中に発生する二酸化炭素を全て回収しリサイクルしたり、動力源としてサトウキビの搾りかすを利用するなど様々な取り組みをした結果、地球の気候変動の原因とされている温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる【カーボンニュートラル】の認証を取得しました
さらに適切な最低価格の保証や、安全な労働環境、環境に配慮した栽培など様々な基準が設けられている【フェアトレード】の認証も取得しています
もちろんこのような活動に取り組んでいる企業や蒸留所は他にも多くありますが、フロール・デ・カーニャではSDGsという言葉が取り上げられるようになる、遥か昔から環境に配慮した製品作りをしてきました
では逆にこのような活動をしていると発信していない企業や蒸留所が優れていないのかといえば、決してそんなことはないのですが、ラムは原材料にかつて行われた邪悪なる三角貿易に関係しているサトウキビが使われているという性質上、サステナブルであるという事が、非常に重要で評価すべき点だと私は考えています
フロール・デ・カーニャの味
サステナブルなラムはどんな味なのでしょうか?
実際に飲んでいきましょう
今回は18年熟成のものを用意しました
フロール・デ・カーニャはウイスキーと同じく最低熟成年数の表記になります
また基本的にバーボン樽で熟成されているとのことです
グラスに注いで香りを楽しみます
ベリー類の心地よい甘酸っぱい香りと、キャラメルのような甘い香り
遅れて最初に感じたベリー類とは違う柑橘のような爽やかな香りも感じられました
口に含むと、刺激は穏やかでクリーミーな舌触り
ボディは軽いように感じますが、香りでも感じたキャラメルやバター、トフィのようなリッチな風味とバーボン樽由来のビター感とバニラのような優しい味わいも感じられました
一本軸が通っている飲み心地で、飲み飽きしないラムですね
まとめ
フロール・デ・カーニャはカーボンニュートラル認証とフェアトレード認証の両方を取得している、唯一の蒸留酒だそうです
そういったサステナブルな商品というのは全体的に価格が高かったり、普段目にすることが少なかったりと、様々な理由で購入する機会というのが限られてしまうのが現状です
しかし品質は良いものが揃っていて、買う人も作る人もハッピーになれる素晴らしい商品であることは間違い無いと思います
まあ、あまり難しく考えずにこのフロール・デ・カーニャというラムをぜひ試してみてください
サステナブルな商品としては比較的安価な部類に入ると思いますし、何より美味しいですから
世界がより良くなるように願いながら、私はこのラムを楽しみます