こんにちは。夏は終わりましたが、秋になり大阪でステキな祭りが開催されると聞いて、なんばにある大阪タカシマヤで開催された「日本酒祭」に行ってきました。
今回が8回目の開催で、過去最大のスケールで開催され、全国約120もの蔵から800銘柄以上が一堂に会するという驚きのイベントです。
実際会場を巡るととにかく広く蔵元ブース数が多く、飲食スペースやおつまみの販売など、単純に日本酒を購入しに行くだけでは勿体無い1日楽しめる良イベントでした。
残念ながら8回目の期間は9月3日(水)〜8日(月)で終了したのですが、非常に盛況だったので次回も開催されると思われます。会場の様子や購入システムなどをレポートしていきますので、次回に向けた参考になると嬉しいです。
https://www.takashimaya.co.jp/osaka/nihonshumatsuri/
目次
気になる会場の雰囲気は?試飲は出来るのか!?
さて、会場であるタカシマヤ7階の催事会場にやって来ました。
今回のテーマは「色彩に酔う、至福のひととき」で、黄、青、桜、琥珀など色を愛でる新しい日本酒の楽しみ方に出会えるそうです。これは期待が高まります。
会場内には多くの蔵元さんがブースを出展しているので、気に入ったお酒を選び、総合レジでお支払いするのが通常の購入方法です。
しかし今回は「祭」なので、出展されているお酒を試飲することもできます!試飲には無料試飲と有料試飲の2種類があり、無料試飲は小さなプラカップに少量のお酒を注いでいただけるので、色々な種類を試してみるのに最適です。ブースにもよりますが半数ほどの銘柄が、無料試飲できました。
もう1つの方法が有料試飲です。会場内2か所で共通チケットを1枚110円で販売しており、そのチケットを蔵元ブースに渡すことで有料試飲をいただけます。有料試飲でいただけるのは各蔵の特にオススメの銘柄で、大きめのプラコップに結構な量(半合より少し多い程度)を注いでもらえます。
各ブースの天井部に酒蔵の名前と有料試飲の銘柄、必要なチケット数が記載されているのでわかりやすいです。
チケットはBARでも使用することができ、「バイヤーズBAR」や「獺祭のBAR」、堺筋本町にある名店「日本酒うさぎ」のBARコーナーがあり、皆さんお昼から楽しそうに日本酒を楽しんでおられました。メニューも流石に豊富で、お酒の購入だけでなく純粋に日本酒を飲みに来るだけでも充分楽しめそうです。
スターター:暑い時期は酸っぱいリキュールからが正解!
会場を一通り見たところで、早速日本酒の試飲をいただいていきます。
時刻はまだお昼前、日本酒好きとはいえ暑い時期に1杯目から度数が高めなお酒はしんどい気候なので、まずは食前酒的に日本酒を使用したリキュールからいただきました。
最初は香川県の西野金陵の「金陵 ゆず酒」と「文旦酒」からスタートしました。ゆずの果汁率はなんと45%でフレッシュなゆずの味をダイレクトに感じられます。文旦も同じく45%が果汁で、文旦の方がしっかりとした苦味のある味わいでどちらもアルコール度数は8%と低めです。
実は新潟酒旅の翌日だったので、肝臓に若干の疲れを感じていたのですが、この酸味で身体全体がシャッキとして目が覚めたように感じました。(笑
www.nishino-kinryo.co.jp
次に山形県の楯の川酒造のリキュールをいただきました。
楯の川酒造は清酒も造っているのですが、ユニークなリキュール「BAR ヨー子」シリーズも展開しています。
BARを営む店主・どこかミステリアスな“ヨー子“と、BARを舞台に、ユニークなお客様との出会いやエピソードをお酒で表現するシリーズで、ヨーグルトやレモン、グレープフルーツ、はっさく、ジンジャーエールなど様々な果物を使用した数多くのリキュールを展開しています。
いくつか試飲をいただきましたが「激レモンサワー」が非常に印象的でした。レモンを丸齧りしたようなめちゃくちゃな酸っぱさ!私は酸っぱいものが大好きなのですが、鼻の毛穴からブワッと汗が出るほどの酸味でした。
「激レモンサワー」はレモン男との再会に歓喜のヨー子が作る味。
「レモン男も黙らせた、BARヨー子史上最強の刺激!なんと50%以上がレモン果汁という驚きのレモンサワー」とそれぞれのお酒にユニークなストーリーがあるのが面白いですが、なんと50%以上がレモン果汁という驚きのスペックでした。それは酸っぱいはずですよね。
瓶の中に大量の果汁が溜まっており果実味と刺激が爆発したような1杯で、特に酸っぱいもの好きな方は一度チャレンジいただきたいです。
他にもヨーグルト、ネーブルオレンジ、スモモも試飲させていただきましたがどれもフルーティーで特にスモモは甘すぎず適度な酸味でちょうど良い味わいでした。
どれも個性的なのでぜひ一度試してみてください。
shop.tatenokawa.com
チャレンジ:大人のミックスジュースにコーラ!?クラフトサケとは?
「稲とアガベ醸造所」という変わった名前のブースに来ました。こちらをはじめ数社ではクラフトサケというお酒を試飲・購入できるとのこと。
調べてみると2022年「稲とアガベ醸造所」を中心に「クラフトサケブリュワリー協会」が設立され、クラフトサケとは日本酒(清酒)の製造技術をベースとして、お米を原料としながら従来の「日本酒」では法的に採用できないプロセスを取り入れた、新しいジャンルの自由で多様なお酒だそうです。
フルーツやハーブなどの副原料を入れることも特徴で、ブースに置かれていたTAMESHIOKEシリーズには「まるでレモンサワー!」「大人のミックスジュース」と記載されていました。いただいてみると本当にレモン!発酵させるときにレモンや4種類のフルーツを入れているのだとか。
果実酒やリキュールほどフルーツ感が強すぎない、キチンとお酒の味もしっかりしているのが魅力だと感じました。
こちらも普段日本酒を飲まない方でも抵抗なく、スルッといただけてしまう味わいです。
inetoagave.com
お隣のブース、新潟県の「LAGOON brewery」は先日の旅行で現地を訪れた酒蔵です。現地でもいただきましたが、大阪でも改めていただきます。キツネのパッケージが可愛い「翔空 HOP SAKE ほっぺ」はビールに使用されるポップを使用したお酒で、ホップのフルーティーかつ華やかな香りが魅力です。
同じく新潟で飲んだ「酔いどれメロン」「酔いどれイチゴ」もいただきました。ブースに立っておられた方に先日訪れたことをお話すると、とても嬉しそうに対応いただけました。本当にステキな蔵でしたので、ぜひ行ってみてください。
また面白いブースを発見しました。「足立農醸」は大阪府高槻のたった8坪の団地でクラフトサケを造る個性派な酒蔵です。代表の方がかなりのこだわりを持って造られるレアなクラフトサケをいくつか試飲させていただきました。「MIYOI」はなんと原料にライチ果汁を使用しており、香りや味わいも非常に爽やか!スッキリ飲みやすいフルーティーな味わいです。
他にもシャインマスカットとブルーベリーのスパークリング、「団地のコーラでしゅ(酒)。」はどうしてコーラ風味なのだろうと不思議に感じたのですが、原料にカルダモンやシナモン、クローブ、スターアニスなどカレーに使用するようなスパイスが組み合わされていました。なるほど、最近流行りのクラフトコーラに近い香りと味わいになるわけです。カレーのような不思議なニュアンスで非常に美味でした。
小規模なのでなかなか出会えない蔵との出会いと、お酒の新しい一面を発見できて嬉しくなりました。
sakeworld.jp
メイン:赤・オレンジ・黄色・ピンク・紫・白…色彩に酔いしれ気分は最高!
さて、個性的なお酒も楽しんだので清酒も飲んでいきます。
まず訪れたのは三重県の森喜酒造場で「るみ子の酒」が有名な酒蔵です。普通の純米酒はいただいたことがあるのですが、今回はレアなお酒を試飲させていただきました。
初めて見た「るみ子の紫蘇酒」は天然の赤紫蘇を使用した鮮やかなルビー色のリキュールです。紫蘇の酸味と旨みがしっかり美味しい味わいで
こちらも初めての「るみ子の酒 活性にごり生原酒」は瓶内二次発酵のお酒で、まだ瓶の中で酵母が生きている元気な濁り酒です。味わいしっかりでドライ、ガツンとお肉にも合いそうなお酒で、アルコール度数も18度とパンチのある1杯でした。
shop.morikishuzo.co.jp
次に青森県にある八戸酒造は「陸奥八仙」で有名です。シリーズも色々展開されており、いくつかは飲んだことがあるのですが初めて「ピンクラベル」を見かけました。フルーティーでドライしっかりしたキレがあります。
赤ラベルと比較すると、赤はリンゴのような酸がしっかりしているのに対してフルーティーさと最後のキレが際立っていました。
こちらは酒蔵見学もされており、漆喰土蔵と赤レンガ蔵の建物がとてもステキそうです。
次の酒旅の目的地は青森にして、現地を訪れて酒造りを体感したいと思います。
mutsu8000.com
福島県の大七「雪しぼり・本醸造にごり酒」は瓶内二次発酵させた微発泡の濁り酒で、フルーティーながら旨みがしっかりとした個性的な味わいです。
「大七 純米生もと」は生もとらしい独特の味わいがありますが、特に生原酒は酸味がしっかりしておりキレイな味わいでした。(生もととは、江戸時代に確立された日本酒の伝統的な製造法です。)
11年ものの古酒もいただきました。味わいは古酒らしくしっかりしていながらもお値段は1,870円と古酒としては破格です。
同じお酒を燗酒でいただきましたが味わいが非常にまろやかになり、味噌や煮物に合うまったり感が魅力的なお酒です。
純米生酛の梅酒もあり、梅の味わいもしっかりして非常に美味でした。
www.daishichi.com
滋賀県の美冨久酒造は「三連星」が有名で、ブースの方がガンダムの衣装を着ておられました。(補足しておくと機動戦士ガンダムに「黒い三連星」という小隊が登場します。アニメ好きの方はついニヤッとしてしまいますね。)
「手裏剣」は今回のイベント限定のお酒で再販の予定が無いのだとか。
普段は火入れと加水をして出荷しているお酒を、生原酒で出しているそうです。生原酒ならではのフレッシュ感が特徴的な旨みの強いお酒でした。
代表銘柄「三連星」のひやおろしは9月から発売されるお酒で、ひやおろしながらどっしり感は控えめで旨みがストレートにくる味わいでした。
「二黒土星」は初めていただきましたが生酛ならではの酸味が特徴的、かつ寝かせているので熟成感が強いお酒です。
こちらも酒蔵見学ができ、明治時代から続く趣のある蔵が素敵そうです。また行きたい場所が増えてしまいました。
https://mifuku.co.jp/
和歌山の「紀土」も有名なお酒で、私も何種類か飲んだことがあるのですが、変わり種の「赤紀土」がありました。注いでいただくと本当に綺麗な赤色で、古代米の赤米と黒米を使用しているためこの色になっているそうです。味わいは甘みと旨みがしっかりしており、これからの涼しくなってきた季節に焼き魚などしっかりした味わいの食べ物に合いそうなお酒です。
こちらのブースでは清酒以外も多くのお酒を出しておられました。
どぶろくも3種類あり「平和どぶろく 壱ノ濁」はヨーグルトのような見た目で酸味が爽やかなプレーンタイプ。「平和どぶろく 弐ノ濁」は白麹で醸した酸味がしっかりしたタイプでスッキリ美しい味わい。「平和どぶろく 参ノ濁」はホップで醸したタイプで、サラッとしており夏でもスッキリ飲みやすい味わいです。どれも個性的で面白いどぶろくでした。
梅酒も甘すぎずサッパリしていてフルーティーさがステキな味わい、夏みかんは夏にピッタリな苦味と酸味がしっかりしていました。
さすが和歌山だけあって梅も柑橘もしっかり美味しいお酒でした。
www.yamatoya-e.com
次は安定の高知県の「酔鯨」です。こちらのブースには酔鯨のラベルにも記載されている鯨の尾のシルエットが刻印されたグラスも販売されており、非常に綺麗でついつい欲しくなりました。大人気商品とのことです。
ブースには普段見かけないレアな銘柄が並べてあり、岡山県産の備前雄町を使用した「純米大吟醸 寅(Tora)」は雄町の甘みと旨みがしっかりした今までの酔鯨のイメージを覆されるお酒です。一方「純米大吟醸 丞(Joh)」はすべて高知県産にこだわった最高の大吟醸のお酒で、純米大吟醸らしい華やかな香りとお米の甘みが心地よいお酒でした。
また、「かじゅ」と言うリキュールも初めていただきましたが、甘くないので焼き魚などお魚にも合いそうな上品なお味でした。
酔鯨には、土佐蔵というステキな施設があるので、一度訪れてみたいのですが、主要駅から車で行くしか方法がなくアクセスが難しいので行けずにいる場所です。
https://suigei.co.jp/
滋賀県にある岡村本家の「長寿金亀」シリーズはなんと10%ごとに精米歩合(お米の磨き具合)が異なるお酒を出しています。
100%(お米をまったく磨いていないお酒)はオレンジ色をしており、ナッツやゴマのような複雑な味わいで非常に旨みが溢れています。
10%削るだけで色はほぼ無色になり、香りも酸味が強く出ているという全く別のお酒に仕上がっています。
80%はしっかり甘口でまた味の個性が全く異なるので、精米歩合だけでここまで味わいに差が出るのに驚きました。
特に100%だとなかなかお米が水に溶けず作るのに苦労されたそうです。
精米歩合100%から20%までラインナップがあり、赤・青・白・茶・緑・黒など色が商品名になっているので、今回の日本酒祭りの「色彩に酔う、至福のひととき」にピッタリのシリーズです。
それぞれのお米が展示されていたのですが、改めて100%と20%の量の違いに驚きです。精米歩合が20%や30%のお米を使用した日本酒が高額になるのも当然ですよね。
こちらも歴史ある酒蔵の見学ができ、10月25日(土)26日(日)は秋の金亀酒蔵祭りを開催予定とのことで、皆さんもぜひ参加を検討ください。
https://kin-kame.co.jp/
他にも色々素敵なブースがあったのですが、長くなりすぎるのでまたの機会に紹介させていただきます。そのくらい酒蔵が多く、本気で回るには1日では体力と肝臓のキャパシティを超えてしまう大規模イベントでした。
オマケ:見かけたら絶対買って!日本酒が進みまくる肴「山うにどうふ」
最後にご紹介したいのが、「山うにどうふ」です。こちらは熊本県の五木屋本舗が製造する秘伝の味噌を使って6ヶ月間漬け込み発酵・熟成させた「豆腐の味噌漬」なのですが、これがなんとも日本酒と相性ピッタリなのです!以前熊本へ旅行した際、初めて食べて衝撃を受けたのでまた購入したかったのですが関西では販売しておらず、今回偶然にも再会出来て非常に嬉しかったです。3個で1,501円でしたので即買いしました!
オリジナル味以外にも、スモーク味噌チーズ、ゆず、わさびなど数種類展開されており、どれも日本酒にピッタリな濃厚な味わいなので、ぜひ一度試してみてください。日本酒好きの方なら虜になること間違いなしです。
他にも会場内には海鮮や餃子、ザンギも販売されておりどこに行っても良い匂いが漂っていました。会場で購入した日本酒とおつまみで立ち飲みしておられる方もいて、丸一日楽しめる大人のテーマパークさながらの楽しいイベントでした。
私は次回の開催時も絶対に行きますので、皆さんもぜひ足を運んでみてください。