美しく、勇ましい馬をモデルにしたお酒があります。
その名も「ザ・セブン」。
「ザ・セブン」は、島根県仁多郡、簸上清酒合名会社により造られています。
「...お酒に馬?」
その背景が気になるところです。
今回は、「ザ・セブン」、「七冠馬」、そしてこの馬のエピソードについてご紹介します。
目次
歴史に残る名冠馬「シンボリルドルフ号」
このお酒ラベルのモデルは、歴史に残る名冠馬である、「シンボリルドルフ号」です。馬名「シンボリ」は馬主の冠名、「ルドルフ」は神聖ローマ帝国の皇帝、ルドルフ1世に因んで名づけられています。
シンボリルドルフ号は、日本競馬史上4頭目の中央競馬クラシック三冠馬(無敗で三冠達成した初の馬)で、その他のGI競走を含めると史上初で七冠を獲得しました。
シンボリルドルフ号は、6歳まで競走馬として活躍し、数々の名誉を残します。
競争馬引退後、シンボリルドルフ号は北海道門別町のシンボリ牧場にて種牡馬生活に入ります。
島根県仁多郡にて酒蔵を構えていた簸上社の蔵元は、シンボリ牧場主と親戚になった縁により、シンボリルドルフ号をモデルにした日本酒、「七冠馬」を造ったのです。
「七冠馬」の定番商品はいくつかありますが、今年(2021年)発売のひやおろしの七冠馬はこちら。
「七冠馬」は1996年から造られ、2011年のシンボリルドルフ号の逝去後も引き続き造られています。
競馬ファンにとって、このお酒を目にする度に、名馬のことをずっと思い続けることでしょう。
「ザ・セブン」シリーズのラベル色
日本酒「七冠馬」は火入れされていますが、「ザ・セブン」は「七冠馬」の数量限定、生酒のシリーズになります。
「ザ・セブン」のラベルの色は、競馬を知っている人しかわからないこだわりの秘密があり、発売されたものより、競馬でいう1枠からの枠色順になっています。
競馬の枠色とセブンシリーズのお酒は以下のとおり。
枠番号 | 枠色 | お酒の種類 | 酒米 |
---|---|---|---|
1 | 白 | タイプ K 山廃 | 佐香錦 50% |
2 | 黒 | タイプ C 生酛 | 改良雄町 50% |
3 | 赤 | タイプ R | 山田錦 50% |
4 | 青 | タイプ O | 改良雄町 50% |
5 | 黄 | タイプ M | 美山錦 50% |
6 | 緑 | タイプ G | 麹米改良雄町 23%、掛米五百万石 77% 精米55% |
7 | 橙 | タイプ Y | 山田錦55% |
8 | 桃 | 現在はまだ発売されていない。 |
タイプ「X」の謎
各々の日本酒には「タイプX」と名づけられています。
「X」部分が何を意味しているのか気になるところですよね。
公には公表されていませんが、某酒販店様のご協力により蔵元の方に確認することができました。
タイプR:ラベルカラー”Red”の頭文字の”R”。
タイプO:酒米の改良雄町、”Omachi”の”O”。
タイプM:酒米の美山錦、”Miyama-Nishiki”の”M”。
タイプG:「七冠馬」の定番商品「特別純米」の原酒のラベルがゴールドであるため、”Gold”の”G”。
(よく”Green”の”G”と間違われるそうです)
タイプY:酒米の山田錦、”Yamada-Nishiki”の”Y”。
タイプK:残念ですが、公には非公開。
8枠目(桃)がまだ世に出走していませんが、今後どんなお酒が出てくるのかとても楽しみです。
一押しのお酒
現在(2021年10月下旬)であれば、白のタイプK、青のタイプO、黄色のタイプMが購入可能です。ぜひお試しください。
いずれのお酒も「うまい!!」の一言につきますが、筆者のお勧めは、青のタイプO「七冠馬 ザ・セブン タイプO 純米吟醸 生原酒」です。
改良雄町らしいコクのある旨味、ほどよい酸味を感じますが、生原酒ながらも後口に重たさを感じさせず、作りのきめ細やかさを感じます。
食中酒でお供となるお勧めのお料理は、例えば、シンプルにフライパンでオリーブオイルで焼いたサーモンのソテー等があうでしょう。ローズマリー等の香草を添えるのもお勧めです。
他にも、豚肉のしゃぶしゃぶをゴマダレであわす等のお料理がお勧めです。
ぜひお試しください!!
商品情報
商品名:七冠馬 ザ・セブン タイプO 純米吟醸 生原酒
製造者:簸上清酒 島根県仁多郡奥出雲町
使用米:改良雄町
精米歩合:50%
日本酒度:+2
酸度:2.0
Alc度:17.5 度
今回は「ザ・セブン」のご紹介をさせていただきました。生酒の「ザ・セブン」から火入れしている「七冠馬」もお勧めです。
今回写真を掲載した七冠馬のひやおろしについては季節ものですので、ご興味がある方はぜひお早目にお試しください!
歴史に残る名馬、シンボリルドルフ号。
このお酒を飲む度に、歴史に残る名冠馬を思い続けましょう。