大阪府豊能郡能勢町に蔵を構える秋鹿酒造。
秋鹿酒造「秋鹿」ラベルに描かれている「へのへのもへじ」マーク、ご覧になったことはありますか?
日本酒ラベルに「へのへのもへじ」マーク、なんとも不思議ですね!
今回は、この「へのへのもへじ」が意味することをご紹介したいと思います。
目次
秋鹿酒造
秋鹿酒造の創業は明治19年。
秋鹿酒造の蔵は、大阪市内から車で約1時間ほど走ったところにある、自然豊かな山に囲まれた土地、豊能郡能勢町にあります。
当蔵は、自営田で酒米を育て日本酒を作る「農醸一貫」が特徴の全量純米蔵です。
ワインでいうと、栽培から醸造・瓶詰めまですべてを行う生産者「シャトー」「ドメーヌ」のような存在。
この生産に対する姿から、自分達の方針のもと、こだわりを持って日本酒作りをされていることがわかります。
秋鹿酒造の自営田による米作り
秋鹿酒造は、酒米造りの第一人者である故人 永谷 正治氏の指導のもと、他の酒蔵より先駆けて蔵元での米造りを開始しました。
永谷氏は、酒米がいかに日本酒の質に影響するか、その重要性を論じられていました。
そんな中、永谷氏本人より、秋鹿酒造自営田がある能勢の風土は、山田錦の栽培に最適であると高く評価されます。その後、秋鹿酒造は、本格的に現在の農醸一貫スタイルの米造りを開始しました。
永谷氏は2007年に逝去されますが、故人 永谷氏の意思を受け継ぐ蔵元及び有志農家が、現在でも酒米となる山田錦や雄町の栽培を続けています。
秋鹿酒造、自営田での酒米の写真はこちら。
【自営田:山田錦】
【自営田:雄町】
また、こちらでは、化学肥料、除草剤を一切使わない、無農薬、米糠、籾ガラ、稲わら、酒粕などを再利用した循環型の有機栽培にて米作りをされています。
無農有機栽培により、米栽培の栄養分が限られるため、その年の気候の影響を大きく受けます。当蔵の米作りに携わっていた元蔵人の方よりお話を聞くと、日々、自営田の丁寧な手入れに常に時間を費やされていたそうです。
「へのへのもへじ」マーク
以上より、自営田で米作りを行い、酒造り、瓶詰作業を行う「一貫造り」の秋鹿酒造。
「へのへのもへじ」マークが入っているラベルの日本酒は、自営田で栽培した無農薬有機栽培の米のみで使ったお酒だけに入れられています。
酒屋さんや居酒屋さんで、秋鹿のこのマークが入っているお酒を見つけた時は、「秋鹿酒造の自営田で育てられで酒米で作られた日本酒だ!」と思ってください。
秋鹿 純米吟醸 火入れ原酒 一貫造り(もへじラベル)
秋鹿酒造で作られた「へのへのもへじ」の第一号作である「一貫造り」(もへじラベル)。
このお酒は、無農薬有機栽培を開始した特定の自営田で収穫された酒米より作られた日本酒です。2020年に出荷されたものは、蔵出限定468本でした。
大きく描かれたもへじマークが、自前の酒米で作られた「農醸一貫」をアピールしています。
次回の一貫造りの発売は秋になりますので、今回は今でも購入ができるミニもへじマークがついた定番商品「秋鹿 山廃純米 火入原酒」をご紹介します。
秋鹿 山廃純米 火入原酒
秋鹿独特の土の香り。
「いかにも山廃」と思える膨らみのあるテイストに、口の中で感じる心地よい酸味。
原酒の力強い余韻が残り、味わいが後口まで続きます。
生酒バージョンと比較し、この火入れシリーズではお酒自身に締りがあります。
【商品情報】
商品名:秋鹿 山廃純米 火入原酒
製造者:秋鹿酒造 大阪豊能郡能勢町
使用米:自営田山田錦
精米歩合:70%
日本酒度:+9
酸度:2.6
Alc度:17 度
毎年、通常であれば、秋に生酒が出荷され、その年を越すくらいに火入れが行われます。
秋鹿酒造は、材料重視で日本酒作りをされており、同じシリーズでも、その年によってまったく違う仕上がりになることも特徴的です。
今年秋以降に発売されるお酒がどのような味わい、風味になっているか楽しみにしていましょう。