長い冬が終わり、ようやく春が来て出かけやすい季節になりました。
今回は日本酒がお好きな方向けに、お勧めスポットとして京都伏見にある藤岡酒造「酒蔵Barえん」をご紹介いたします。
目次
「灘の男酒、伏見の女酒」
「灘の男酒、伏見の女酒」という名言を聞かれたことはないでしょうか?
日本酒の造りには、水が大変重要ですが、名水があるところには、名酒があると言われています。
神戸の灘の水は、近くにある海の影響もあり、ミネラル分であるカリウムやカルシウムが多く含まれているため、いわゆる硬水になりますが、これは「宮水」と呼ばれています。これらのミネラル分は、日本酒造りの上で、酵母の栄養源になるため、お酒が比較的短い期間で発酵するので、造りとしては酸が多くキレがいいタイプのお酒に仕上がります。
一方、伏見は、その土地の地層により、マグネシウムやカルシウムなどの成分がほどよく含有された中硬水になります。
中硬水であることにより、比較的ゆっくりと発酵が進むため、酸は少なめ、なめらかできめ細かい淡麗な酒になると言われています。
今回ご紹介する藤岡酒造は、伏見の名水で日本酒を造っている酒蔵のうちのひとつになります。
藤岡酒造「酒蔵Barえん」
藤岡酒造と同じ建物内でオープンされている「酒蔵Barえん」。
お勧めポイントは、なんといってもバーカウンターのガラス越しから見える仕込み蔵を眺めながら、お酒を楽しめるところです。酒のタンクが見え、まるで蔵の見学をしているようです。
ぜひ蔵の様子を眺めながら、お酒とおつまみを楽しんでみてください。
おすすめ
複数のお酒を少しづつ試してみたい方は、ぜひ3種の飲み比べセットを頼んでみましょう。その時により、セット内容は変わるようです。
筆者が訪問した際のセット内容は、「純米吟醸生酒 山田穂」「純米吟醸 おりがらみ 山田錦」「蔵づくり米 キヌヒカリ」でした。
カウンターには、お酒で使われた酒米が置かれていました。酒蔵ならではですね。
この時いただいた飲み比べセットのお酒をもう少し詳しくご紹介します。
一番左のお酒は純米吟醸生酒 山田穂です。
酒米の山田錦は非常に有名ですが、山田穂は実は山田錦のお母さん的な酒米だそうです。生酒特有の甘さを感じつつ、繊細な造りを感じました。
真ん中のお酒は、純米吟醸 おりがらみ 山田錦です。伏見造り特有の米の丸みがあるタイプで、少し乳酸の酸っぱさも感じます。おりがらみが好きな人には特にお勧めのお酒になります。
右のお酒は、蔵づくり米 キヌヒカリです。こちらのキヌヒカリは蔵での造り米だそうです。まったりと穏やかな香りがふんわりと立ち、優しい甘旨味と清涼さを感じる爽やかなタイプです。
いずれも違うタイプのお酒を3種セレクトされており、この飲み比べセットで各々のお酒を楽しむことができます。
「蒼空」酒瓶の魅力
蒼空が瓶で出された際には、ぜひ酒瓶にも注目してみてください。蒼空の酒瓶は通常の四合瓶の750mlではなく、500 mlのサイズになるのですが、瓶のシェイプがとても美しいです。
スタッフの方にお聞きすると、イタリアのベネツィアよりこの酒瓶を取り寄せされているそうです。
以上、藤岡酒造のBarえんをご紹介させていただきました。
過ごしやすくお出かけしやすい季節になりましたので、ぜひ観光がてら一度足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。