10月も後半になり、一気に寒さが増してきた。年末に向けて、時間も加速しつつある。このままハロウィーンを終え(執筆当時は10月下旬)、街はクリスマスの支度を始め、我が家は子ども2人のプレゼントを楽しく悩む時期があっという間に来るだろう。
仕事はといえば、うちの会社は12月決算なので最終四半期になっている。コーナー回って最後の直進。コロナ禍の厳しい状況でも目指せ目標達成。部下と必死に働きながら、数字と実績を積み重ねていく。
そんな中でも、平日夜や休日に飲むお酒は楽しみの一つ。今回は、今秋飲んだ日本酒のコラボレーション銘柄を紹介する。
田酒(でんしゅ)、鳩正宗(はとまさむね)、陸奥八仙(むつはっせん)。青森県を代表する3つの蔵元が合同企画で醸したお酒である。去年も春先に出していたが、今年はこの時期に登場。
テーマは「nostalgia」、早速味を見ていく。
目次
【1杯目】
青森 西田酒造「田酒」
その名の通り、「田んぼの米のみを使う酒」として、純米酒造りにこだわる。地元青森の古城錦や華想いといった珍しい酒米を使用するなど、青森の地酒としての立ち位置をしっかりと貫いている。
口当たりは軽めだけど、飲んだ後の味は重め。辛さがしっかり前面に出てるのも、東北の酒らしくて良い。濃口醤油の肴と合うイメージ。
【2杯目】
青森 鳩正宗株式会社「鳩正宗」
“昭和の初期のある日、一羽の白鳩が蔵に舞込み神棚に止まった。蔵人が追い逃がそうとするが再び神棚に舞戻り、そのうち棲みついてしまった。「鳩は、平和の象徴。この鳩は蔵の守神に違いない。」と大切に飼い、鳩の死後祠を作り鳩神様として祀り、以降鳩正宗と改名し現在に至る。”(会社HPより) こういうストーリーを知りながら飲むと、お酒をより楽しめる。
いつもの鳩正宗同様、かなりスッキリとした味わい。キレもしっかりあって、飲み飽きることなく楽しめる。
【3杯目】
青森 八戸酒造 「陸奥八仙」
1775年創業、まもなく250年という老舗。地元の漁師町で愛され続ける辛口酒を多く生み出してきた酒蔵。
リンゴのような華やかな香り、滑らかな口当たりながらも、塩辛い海鮮にぴったりの辛口。この芳醇なバランスのおかげで、食中酒のみならずお酒単体でも楽しめる一杯になっている。
なぜこの酒のテーマがノスタルジアなのか、よく分からなかったというのが率直な感想である。ただ、こうして「いつも通り」美味しい酒を飲みながら、まだ行ったことのない青森に想いを馳せたり、地元栃木を思い出したりすることが、正に「望郷」の嗜み方なのだろう。
そろそろコートを出そうか、なんて気分にもなってきた。暑かった夏も、歩きやすい秋も、過ぎるのは一瞬。今年の残り日数を数えつつ、年末年始に実家に帰る予定を立てたりしてみる。