目次
11月5日・6日の土日に行われた「第20回 和酒フェスin中目黒」に参加してきた
和酒フェス公式HP:https://sakefes.com/
両日第一部・第二部とあり、各回500人のチケットは10月時点で完売。12日・13日の土日は大阪でも実施したという人気の催し物だ。
和酒フェスは、春・夏・秋に開催され、「美味しい和酒をもっと知り、感じて、共有する」をコンセプトに、季節を感じながら 旬の和酒、食、日本文化を楽しむ利き酒のイベントである。今回は会場の熱気を含め、お伝えしていこうと思う。
まず会場で受け付けすると、プラスチックのお猪口が配られる。これで野外会場内、全国各地から集まった30酒蔵、約150種類の和酒が飲み放題。週末の昼から贅沢の極みである。
もちろん、テントやキッチンカーで料理も販売されており、如何にも日本酒に合いそうな蒸し牡蠣からしっかりお腹に溜まりつつ濃い酒とのペアリングはばっちりの肉巻き味噌きりたんぽなど、バラエティに富んだ食事を堪能することができる。
会場にはMCの方がいてそれぞれのブースにインタビューをして気になるお酒を紹介してくれる他、ゲストアーティストの方が心地よいインストや歌を流してくれる。騒ぎすぎず、静かすぎず、オトナ向けのイベントで一気にファンになってしまった。
※イベントのメインスタッフ 左から和酒フェス実行委員会の黄(こう)様、金澤様
たくさんの種類を口にしたので、その中の幾つかをご紹介していこう。
【1杯目】静岡 遠州山中酒造 「葵天下(あおいてんか)」
「県外不出の酒米、誉富士を南アルプス系の軟水で醸す」という、聞いただけで垂涎もののお酒。
口に含むと、思った以上に綺麗な味わい。滑らかな舌触りに和梨を彷彿とさせる優しい酸味としっかりした甘みがジュワッと出てくる。ほとんど苦みを感じないまま、スッキリ感たっぷりでキレていく。
【2杯目】兵庫 白鷹酒造 「悦蔵(えつぞう)」
白鷹酒造の創業者、辰馬悦蔵氏の名をとったというお酒。少量仕込につきもともと阪神エリアで数軒の特約店限定のお酒だったようだ、東京初お目見えとのこと。
上立ち香りが華やか。口に含んだ瞬間は軽め、でもすぐに米の膨らみを感じる旨味が広がっていく。甘さを感じているうちに辛味が出てくるバランスの良さ。生酛造りらしい乳酸菌感も仄かに感じられて、食中酒としての力量に驚かされる。
【3杯目】愛知 福井酒造 「四海王」
今回は熱燗ブースがあり、頼んだお酒を和酒スペシャリストの方がオススメの温度にして注いでくれるという、なんとも贅沢なテントだった。そこで飲んだのがこのお酒。
重すぎない、スッキリとした辛口。爽やかさとキレが旨味を引き立てる。もちろん冷や(常温)でも良いけど、燗だとお酒のコクが全面に出て、ふくよかさが広がるのが良い。飲み疲れないので、出汁のきいた料理とともにゆっくりじっくり味わえる。
***
初めてこのイベントに参加したけど、蔵の方と話しながらさまざまなお酒を少しずつ味わえる点も考えると、あまりお酒に強くない方でも日本酒が好きならチケット代を払って参加する価値は十分すぎるほどあると思う。
あと、何より楽しい。「日本酒が好き」という繋がりだけで集まった人々が、節度を守りつつワイワイと自由に日本酒を飲めるというのは、まさに「お祭り」という感じで存分に非日常を味わえた。
さて、次回は春に開催予定とのこと。週末の予定がまた一つ増えそうだ。