緊急事態宣言の開けた6月30日現在、ようやく飲み屋も開き始めてきた。とはいえ、時短営業、アルコール提供無しなど、酒好きにとっては辛い状態が続く。
ただ、飲むのをやめるつもりもなく。スーパーにも夏の日本酒、夏酒が並ぶようになってきた。今回はラベルに一目ぼれしたお酒を味わう。
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【今回のお酒】
宮城 大和蔵酒造 「雪の松島 イルカラベル」
生貯蔵酒と呼ばれるお酒。冬季に搾ったお酒を、生きたまま、つまり菌を殺さないままタンクに入れ、氷温(-3℃)で貯蔵して、出荷時に火入れして瓶詰。フレッシュさを残したまま、貯蔵による旨みがしっかり乗ってくる、良いとこどりのようなお酒。
夏酒らしい、まろやかでスッキリな口当たり。度数もやや低めでさらりと飲めるのも良い。貯蔵のおかげで、程よい米の旨味も楽しみながら、爽やかに味わうことができる。
何より、イルカの描かれたブルーのボトルが目にも涼やか。
日本酒は紫外線を当てると著しく劣化する。茶色や緑色のガラスはあまり紫外線を吸収しないという研究があるため、日本酒の瓶はこの2色が多い。ただ、夏酒は季節物ですぐに飲み切る前提なので、紫外線を気にしない色合いになっている。
このように、飲み切るとラベルの内側のイルカが見えてくるという演出も面白い。ボトルがクリアブルーだからこそできる仕掛けだし、店で飲んでいてお酒がかなり残っている状態だったら気付かなかったかもしれない。
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長期の自粛の中で、家での日本酒の楽しみ方も分かってきた。外飲みが恋しいと思いつつも、すぐに自由に行けるようになるわけでもないので、こうして自宅で夏を感じ取る。