今回ご紹介する、エヴァン・ウィリアムス 12年は、アメリカ・ケンタッキー州のヘブンヒル・バーンハイム蒸溜所で製造されるバーボンウイスキーです。12年間の熟成を経て、アルコール度数50.5%(101プルーフ)という高めの度数でボトリングされています。【バーボン】【12年】と聞いて、ある事にピンとくる方もいるかもしれません。そう、例に漏れず日本市場限定商品です。I.Wハーパーなどが有名ですね。12年という超長期熟成のバーボン。実に難しい商品になります。早速飲んでみましょう。
目次
【レビュー】
グラスに注ぐと、深みのある琥珀色が目を引きます。色合いは非常に魅力的ですね。濃く、力強い味わいを期待させます。香りは、熟したバニラやキャラメルの甘さに加え、オークやスパイスのアクセントが感じられ、複雑で豊かなアロマが広がります。口に含むと、超長期熟成バーボンらしい強い収斂みを感じる、タンニン由来の渋みが支配的です。ストレートではこの支配的な味わいから脱するのは難しいかもしれません。ゆっくりと味わうか、少しの加水でようやく落ち着いてくると思います。さて、味わいとしてはダークチョコレートやメープルシロップのリッチな甘さが広がり、ピリッとしたスパイスが後押しします。フィニッシュは長く続き、温かみのある余韻と共にオークとバニラの風味が残ります。
ストレートで飲むと、その力強い味わいと複雑な香りをダイレクトに楽しむことができますが、先述の通りタンニンが支配的であることと、アルコール度数が高いため、バーボンを飲み慣れていない方には少し刺激が強く、なおかつ味を捉える事が難しいかもしれません。ロックにすると、氷が溶けることで甘さが引き締まり、オークやスパイスの風味が際立ちます。ハイボールにすると、炭酸によってフルーティーでバランスの取れたキャラメルとスパイスの風味が爽やかに広がり、食事との相性も良好です。高い度数のおかげで割り負けもしません。
【まとめ】
エヴァン・ウィリアムス 12年は、超長期熟成による深い味わいと高いアルコール度数が特徴のバーボンウイスキーです。日本市場向けに展開されていることから、国内外のバーボンファンの間で特別な存在となっています。一昔前は超長期熟成のバーボンは日本人以外には敬遠されていたようですが、近年、現地での嗜好も変わりつつあり、受け入れられ始めているようです。リッチな甘さとスパイシーなアクセントが調和し、ストレート、ロック、ハイボールとさまざまな飲み方で楽しむことができます。価格帯も比較的手頃でありながら、濃厚な味わいを提供しており、樽熟感を好む方は満足のいくアイテムとなっています。
ぜひお試しください。