「ワイン」は、世界各地でつくられています。ヨーロッパやチリ、あるいはアメリカ、オーストラリアなどが有名ではありますが、それ以外の地域でも、それぞれ特色のあるワインがつくられているわけです。今回はそんな国のなかから、「ウルグアイ」をとりあげたいと思います。
目次
ウルグアイワインの特徴と考え方
「ウルグアイ」といっても、「どこにある国かイマイチよくわからない」と思う人もいるかもしれません。
ウルグアイは、南米に存在する国です。「ブラジルとアルゼンチンに接している小さな国」といえば、どこら辺か分かりやすいかもしれません。
日本に輸入されているワインの量で1位になっている「チリ」から、飛行機で2時間半ほど飛ぶとつける位置にあります。チリが優れたワイン生産国であるように、ウルグアイもまた、優れたワイン生産国だと言えます。
ウルグアイにおいて、ワインは、「輸出用の飲み物」とは位置づけられていませんでした。スペインからもたらされたブドウを国内で育て、ワインをつくっていましたが、それは国内で生産―消費されるためのものであり、国外に輸出するものではありませんでした。ウルグアイのワインが国外に向けて輸出されるようになったのは、つい最近のことです。そのため、日本での知名度はそれほど高くはありません。
ワインづくりには広大な土地が必要であるため、首都から遠く離れた場所で育てられることも多いのですが、ウルグアイの場合は首都であるモンテビデオの郊外あたりでよく育てられています。地理的に近い所にあるチリと似たような気候条件をみせるため、ワインづくりが行いやすい地方でもあります。
ウルグアイで作られるワインは、力強く、パワフルで、マッシブな印象を持っているものが多いといえます。
それを作りだしているのが、「タナ」というブドウ品種です。タナは、赤ワインのためのブドウとしてよく使われるものです。フルボディの、非常に重い味わいになることが多く、どっしりとしたワインに仕上がることが多いといえます。なお、タナはフランスでも使われていますが、現在タナをもっともよく生産―利用しているのは、この「ウルグアイ」です。
実際にウルグアイのワインを飲んでみよう
ここからは、実際にウルグアイのワインを飲んでみたときの感想を綴っていきましょう。今回挑戦したのは、ウルグアイ、トラヴェルサの作った「トラヴェルサ・タナ」です。
トラヴェルサ・タナは、名前からも分かるように、「タナ」を使ってつくられたワインです。しかしタナ100パーセントではありません。メルローも入っています。タナだけを原材料としてワインをつくる方法もありますが、このようにメルローも混ぜてつくるやり方も、よく注目されます。これによってまろやかさが出ると考えられているからです。なお、トラヴェルサ・タナの場合は、タナ90パーセント、メルロー10パーセントの比率です。
トラヴェルサ・タナは、干しイチジクと甘草の香りを強く感じます。また、濃厚なベリー系の果実も感じられます。香りのなかに甘さがあるのが大きな特長で、香りはかなり強いものです。
口に含んでみると、意外なほどにタンニンがなめらかで軽いことがわかります。まろやかで飲みやすく、どんな料理であっても合わせやすいでしょう。ただ、濃厚な香りとまろやかな味のギャップに、少し戸惑う人もいるかもしれません。
香りは濃厚であるものの、味わい自体はそれほど重くはありません。タナを使ったワインはフルボディによく分類されますが、トラヴェルサ・タナはミディアムボディくらいでしょう。
軽いブリーチーズや、熟成の進んでいないブルーチーズなどを合わせると飲みやすいかと思われます。また、ゴマドレッシングを使ったサラダなどとも高相性です。