高級ワインと聞いて、まず何を思い浮かべますか?フランス5大シャトー?シャンパーニュ?それらと並んで日本人にとって高級ワインの代名詞ともいえるワインがあります。オーパスワンです。そんなオーパスワンは、一体そんなワインでどのような歴史があるのか説明していきます。
オーパスワンは、カリフォルニア州ナパ郡いわゆる銘醸地として名高いナパ・ヴァレーにあるオーパスワンワイナリーで生産されているワインです。
オーパスワンワイナリーは、ボルドー1級シャトーで知られるシャトー・ムートン・ロートシルトの当時のオーナーである『フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵』と、カリフォルニアワイン界の重鎮と言われるロバート・モンダヴィの間で、“最高品質かつ他に類を見ないワインを造る”という夢のもとカベルネ・ソーヴィニヨンを使用したボルドー風のワインを造るワイナリーとして1978年に設立されました。2人の出会いは数年前、アメリカ国内を旅していたロスチャイルド男爵は、モンダヴィ氏と出会いました。モンダヴィ氏は当時、一族経営のワイナリーから独立して自分のワイナリーを創業したばかりで、ワインに対する価値観や芸術に対する想いなどについて熱く語り合う中で、2人は意気投合する仲となっていきました。それから数年が経ち、ロスチャイルド男爵は1978年にモンダヴィ氏をフランスに招き、ディナーをともにします。その後、新たなワイン造りに向けた計画を2人で練り、オーパスワンワイナリーが誕生する流れとなりました。ロスチャイルド男爵は保有するシャトーの醸造長をアメリカに送り込み、モンダヴィ氏の息子とともにワインづくりがスタートしたのです。
オーパスワンとは音楽用語で「作品番号1番」を意味します。“一本のワインは交響曲、一杯のグラスワインはメロディのようなものだ”という考えからロスチャイルド男爵が命名したものです。ラベルにはモンダヴィ氏(東向き)とロスチャイルド男爵(西向き)の2人の横顔とサイン(ラベル下)が連なって書かれています。
オーパスワンのワイン造りは最高品質を謳うだけあって、作業のいたるところにこだわりが見受けられます。まず、収穫ですが、自然農法により育てられたブドウの収穫は日が昇る前の夜間に収穫を行うナイト・ハーべストを実施しています。これにより、ブドウの糖度が抑えられ、最高のコンディションのブドウが収穫できます。この収穫はなんと全て手摘み!その後、機械と人の手により未熟の果実や腐敗した果実を選別していきます。次に醸造ですが、オーパスワンはカリフォルニア初のグラヴィティ・フローシステムを導入しています。グラヴィティ・フローとは、自然の重力を利用し、果実やワインを移動させる方法。ポンプによる移動に比べ、衝撃が少なく、優しくブドウやワインを取り扱えます。このほかにもブドウのロットごとに専用のタンクを用いる、温度調節機能により最適な温度に保つなど徹底した管理により、オーパスワンは造られています。
このような厳しい品質管理・熟成を経て、リリースされるまで収穫から約3年という長い年月がかかっており、その間手間をかけた作業が行われ続けているのです。
価格も年代によって異なりますが、1本4~6万円台が多く、現在販売されている中で最も若いオーパスワンとなる2016は1本6万円代で販売されています。またレストランなどでオーパスワンを注文する場合は、7〜9万円ほどが一般的です。
抜栓してデキャンタ―ジュしたオーパスワンを飲んでみます。
華やかな香りが立ち込めています。口に含むとブドウが長年熟成された果実味がしっかり感じられ、余韻にしっかりとしたタンニンが残ります。極上のステーキと合わせるのもいいですが、パンとチーズを供に頂いていこうと思います。これだけで十分と思ってしまうくらい、ワインのポテンシャルが高いです。
オーパスワンは贈り物としても重宝され、誕生日のプレゼントや内祝いなどでもよく購入されます。オーパスワンワイナリーがジョイントベンチャーとして成功した歴史もあり、験を担いでビジネス関連の会合で登場することもあるほど、人気の高いワインです。是非一度、特別な日にこの特別な1本で乾杯してみてはいかがでしょうか?