ニュージーランドで3番目のワイン生産量を誇るギズボーンを訪れてみました。
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ニュージーランド第3の産地
ニュージーランドのワイン生産地域として真っ先に挙がるのがマールボロ。これには異論は無いのではないでしょうか。今の世界におけるニュージーランド・ワインの発展は、この地域で造られるワインがもとになりました。
次はホークス・ベイか、近年ピノ・ノワールから造られる赤が人気のセントラル・オタゴでしょう。
ニュージーランド・ワイン自体がまだまだ浸透していない日本においては、上記の3地域以外はいまだにあまり知られていない感もありますが、ギズボーンは生産量においてマールボロ、ホークス・ベイに次ぐニュージーランド第3位の生産地域です。
ギズボーンってどこ?
南北ふたつの大きな島からなるニュージーランド。ギズボーンはその北島のちょうど真ん中あたり、東側に大きく出っ張った部分のちょっと下辺りにあります。生産量第2位のホークス・ベイの北側です。
ニュージーランドの東側に日付変更線がある関係で、世界最東端のワイン生産地と言われています。余談ですがニュージーランドには世界最南端の産地である、セントラル・オタゴもあります。
シャルドネの栽培比率が多いことから「シャルドネの首都」とも呼ばれますが、近年はゲヴュルツトラミネールなども高品質と評価されています。
気候的には海に面した海洋性気候、北島全域において極端に暑くなることも寒くなることもありませんが、ギズボーンは国内でも最長の日照時間と最高気温が観測されている地域です。
ヒヒ・ワインズ Hihi Wines
ニュージーランドはいたるところでモーニング・マーケットやナイト・マーケットが行われ、どこも多くの人で賑わいます。売られているのは地元で採れた農産物やパンなどの食材、特産品、もちろん食べ物や飲み物のストール(屋台)もあります。ヒヒ・ワインズはギズボーン中心地のモーニング・マーケットに出店していたワイナリー。
かわいい小鳥をあしらったラベルが印象的ですが、ワイナリーの名前であるヒヒというのはこの鳥のマオリ語名。英語ではスティッチバードという、ニュージーランドでも希少な鳥の1種。
オーナーでワインメイカーのアンディ・ニモさんが直接ストールを出し、売りに来ています。話を聞くとニモさんのところは小さいワイナリーで、セラードアーを持っていないそうで、このモーニング・マーケットをセラードアー代わりにして、毎週土曜に自分で売っているとのこと。彼のワインを扱うお店もありますが、そのほとんどが地元周辺のリカーショップで、まさに地産地消ワイン。こういうワイナリーって他にも結構あるのでしょうね。
ワインの値段はほぼすべて15NZDと非常にリーズナブル。アルネイスやアルバリーニョ、テンプラニーリョなんて変わった品種も造っています。こういうワイナリーに出会えるのも地元ならではです。
ミルトン・ヴィンヤーズ&ワイナリー Milton Vineyards & Winery
ニュージーランドにおけるオーガニック、ビオディナミの先駆者といえるワイナリー。オーナーのミルトン夫妻は40年ほど前、ワイン造りを志しフランスやドイツのワイナリーでワイン造りを学ぶうち、バイオダイナミクス理論と出会い、この方法にてぶどう栽培することを決意しました。
ワイナリー設立以来約30年、当初は誰も彼らの成功を信じなかったそうですが、スタートから5年目にしてニュージーランドで初めて公的オーガニック認証を獲得。今では世界も認めるニュージーランドの生産者のひとつとなりました。
またミルトンはフランス・ロワール地方の有名なビオディナミ推進者、二コラ・ジョリーが主宰する世界的なオーガニックワイン団体のニュージーランド唯一のメンバーとなっており、二コラのシュナン・ブランから造られるワインをリスペクトした、同品種のワインも造っています。
中心都市オークランドからギズボーンへは約500km。南側にあるホークス・ベイに行くのとさほど変わらない距離ですが、車だと後半はかなりキツイ山道のドライブを強いられます。もちろん国内線旅客機も飛んでいます。
ニュージーランドへお越しの際の、選択肢のひとつにしてみてくださいね。