世界には数多くのワインがあり、そのすべてを飲むことは不可能だといえます。
しかし、多くのワインに触れ、多くのワインを楽しむことは、その土地を知ることにもつながります。
今回はそのなかから、「ポルトガルワイン」を取り上げます。
目次
比較的有名? ポルトガルワインについて
「ポルトガルワイン」を、「有名なワイン」と位置付けることには少々違和感を覚える人もいるかもしれません。ポルトガルは比較的よく知られたワインの名産地だからです。また、古く長い歴史を持つ国でもあります。
ポルトガルでは、紀元前2000年ごろからワインが育てられていました(ただし、「紀元前500年ほど前からではないか」とする説もあります)。フェニキア人などによって育てられたブドウはポルトガルによく根付き、多くのワインを作り出していました。
しかしポルトガルのワインにも、逆風が吹きます。イスラムの支配を受けて、ポルトガルワインの成長は停滞したのです。この期間は決して短くなく、8世紀から11世紀まで続くこととなります。ワインの名産地のなかにはこのような逆境に見舞われたことのある国は、珍しくはありません。
その後、キリスト教徒による領土回復が行われます。これに伴い、ワインづくりもまた行われるようになりました。その後スペインからの独立を経てからも、ポルトガルワインの進歩は続きます。近代的な醸造技術を使うことで、ポルトガルは、「ポルトガルワイン」の独自性を築き上げていくことになります。
ポルトガルのワインのなかでもっとも有名なのは、「マデイラワイン」「ポートワイン」でしょう。マデイラワイン、ワインに良くないといわれている「酸化」の力を借りて作られます。まだ今ほど管理技術がしっかりしていなかった時代において、赤道近くを通るときにワインが酸化してしまったのですが、それによって独特のかぐわしさがつきました。これを「商品」として確立したのがマデイラワインです。
ポートワインは、ブランデーを加えて作るものです。甘口のものが一般的ですが、実は辛口のものも存在します。
また、ヴィーニョ・ヴェルデも有名です。これは「緑のワイン」と呼ばれるもので、わずかな発泡がみられるものです。アルコール度数は比較的低めで飲みやすいのが特徴で、多くの人に愛されています。
ただ、ポルトガルにはそれ以外にもたくさんのワインがあります。近年非常に注目を浴びている産地でもあるため、ポルトガルワインはこれからも多く流通していくであろうと予想されます。
ポルトガルワインを飲んでみよう! カステロ・ダルバ・ドウロ・ブランコ
さて、ここからは実際にポルトガルのワインを1本とりあげ、それについてレビューしていきましょう。
今回取り上げるのは、「カステロ・ダルバ・ドウロ・ブランコ」です。
カステロ・ダルバ・ドウロ・ブランコは、ポルトガルの土着品種である「ラビガド」「ヴィオニショ」「ゴデガ・ド・ラリーニョ」を使ってつくられています。そのため、ポルトガルのワインの味の特性が存分に出ています。
非常にフレッシュなワインであり、若々しさを感じます。花の香りがやや支配的ですが、奥の方には柑橘系の香りも見られます。
塩などのミネラル分を強く感じさせるさわやかなワインでもあります。
酸はありますが、適度な甘みがあるため、バランス感覚にも優れています。果実の味わいとともに酸を味わうことができるため、とても飲みやすい仕上がりになっています。比較的晩年受けをするワインであり、ワインを飲みなれていない人にも飲めるでしょう。
カステロ・ダルバ・ドウロ・ブランコは、非常にコストパフォーマンスが良いワインです。1260円程度と、テーブルワインとして使える価格であるため、日常の食卓にとりいれやすいでしょう。決して「重厚なワイン」「厚みのあるワイン」「高級感のあるワイン」とはいえませんが、家で少し軽く飲みたいときに使えるワインです、冷やして飲むと、より飲みやすく感じられるでしょう。
ポルトガルで育てられるワインは、専門家からも熱い視線を集めています。カステロ・ダルバ・ドウロ・ブランコが気に入ったのならば、ポルトガルが誇るマデイラワインやポートワインなどを飲んでみて、カステロ・ダルバ・ドウロ・ブランコとの違いを楽しむのもよいでしょう。
https://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=PR
http://www.osaka-portugal.jp/culture/wine.html