世の中にはたくさんのリキュールがあります。今回はそのなかでもイチオシの、「ピノ・デ・シャラントー」について取り上げていきます。
目次
ピノ・デ・シャラントー? ヴァン・ド・リキュール?
多くの人にとって、ピノ・デ・シャラントー(ピノー・デ・シャラントとも)は聞き馴染みのない言葉でしょう。これがどのようなものを知るためには、まずは「ヴァン・ド・リキュール」について知らなければなりません。
ヴァン・ド・リキュールは、酒精強化ワイン(ブドウを発酵していく段階でアルコールを加えて、発酵自体をやめさせる方法で作られたワイン)に分類されています。その酒精強化ワインのなかでも、ヴァン・ド・リキュールは、未発酵段階のブドウの果汁を使って作られるものです。未発酵段階のブドウの果汁にアルコールを加えて、しばらく熟成させて作るものであり、フランスの名産品のうちのひとつに上げられています。
ヴァン・ド・リキュールは「アルコール」を加えて作りますが、この「加えるアルコール」によって名前や風合いが異なります。
ここで出てくるのが、「ピノ・デ・シャラントー」という名称です。
ピノ・デ・シャラントーは、ヴァン・ド・リキュールのなかでもコニャックを加えて作るお酒を指します。対して、アルマニャックを加えた場合は「フロック・ド・ガスコーニュ」と呼ばれます。
「酒精強化ワイン」というところからも分かるように、度数は一般的なワインに比べて高めです。17度以上になることも珍しくありません。
なお、ピノ・デ・シャラントーはフランスでは白やロゼのものを楽しむこともできますが、日本に入って来るピノ・デ・シャラントーのほとんどが白のものであるため、ピノ・デ・シャラントー=白 という認識を持っている人もいます。
なおここでは「ピノ・デ・シャラントー」を中心としてフランスの酒精強化ワインを取り上げていますが、酒精強化ワイン自体は世界各国でみられます。スペインのシェリーやポルトガルのポートワインなどが特に有名です。
ピノ・デ・シャラントーの味は?
今回紹介するのは、アンブルヴィル村にあるシャトーで作られている「ピノ・デ・シャラントー」です。なお、品名としては「ヴァン・ド・リクール」とされます。「レイモンラニョー ピノー・デ・シャラント」というかたちで販売されています。
6年間の熟成期間を経て売り出されるものであり、ブランデー用に適したブドウを生産する地域で作られているブドウを利用して作り上げられています。このピノ・デ・シャラントーに限った話ではありませんが、貴腐ワインのような滑らかな甘さを持っており、ブランデーが苦手な人であってもおいしく飲むことができます。ブランデーの美しくかぐわしい香りや味を楽しめるものでありながらも、ブランデーが苦手な人が感じる苦みのようなものがほとんどなく、飲みやすいのが特徴です。
まったりとした甘さ、口の中に広がるブドウの香り、オーク樽の香りは、ピノ・デ・シャラントーだけが持つ魅力です。食前酒や食後酒として使われることが多いお酒でもあり、上質なはちみつやデザートのような味わいを楽しむことができます。
ピノ・デ・シャラントーは、それだけで完結したお酒です。ただ、チーズなどの相性とは悪くありません。はちみつを少し落とした上質なブルーチーズなどと合わせるのもよいでしょう。
ピノ・デ・シャラントーの持つ甘さはよく知られています。度数が高いのに、人によってはワイン以上に飲みやすく感じることでしょう。特にピノ・デ・シャラントーはきんきんに冷やして飲むことが前提となるため、さらに飲みやすくなります。そのため、「飲みすぎ注意」のお酒でもあります。小さめのグラスに入れて飲むことをおすすめします。
参考サイトURL:http://brandydaddy.com/chishiki_14_pineau.html