美酒と美食の里ブルゴーニュ。
フランスで1、2を争う程有名なワイン産地であり、ちょっと田舎的で、たまらなく美味しい郷土料理の宝庫です。
同じ地域のワインと料理を合わせて、至福のマリアージュを楽しみましょう!
目次
ブルゴーニュってどんな所?
ブルゴーニュは、パリから東南へ高速列車TGVに乗り約1時間40分で到着する位置にあり、南北に約150kmの細長い形をした地域です。
ブルゴーニュの地名の由来は、中世にこの地方を支配したゲルマン人の一派ブルグント族に由来します。ブルゴーニュ公国という極めて独立国家に近い支配領域でした。
ワインでは、代表的な5地域シャブリ、コート・ドール、コート・シャロネーズ、マコネー、ボージョレがあり、84のAOCが認定されています。
土壌は主にジュラ紀の海洋起源の泥灰土と石灰岩で構成されていて、ピノ・ノワールとシャルドネの栽培に適しているため、全体の80%以上がピノ・ノワールとシャルドネで占められています。同じブドウ品種を栽培しても北と南では気候や土壌が異なるため、味わいもそれぞれです。同じ村でもその区画ごとの繊細な違いを映し出すのがブルゴーニュワインの魅力です。
それ故に、ブルゴーニュワインは「テロワールを表現する芸術」と言われています。
他にも、ガメイ、アリゴテ、ソーヴィニヨン、セザール、ピノ・ブーロ、サシィ、ムロンなどが栽培されています。
世界で最も高価なワインとされるロマネ・コンティなど、著名なワインが数多くあります。ブルゴーニュには、ナポレオンが遠征に持っていったことで有名なシャンベルタンや、シャルルマーニュ大帝がこよなく愛したコルトン・シャルルマーニュの産地の歴史を感じさせるエピソードが溢れています。
郷土料理と相性のいいワイン
ブルゴーニュはフランスきっての美食の里で、美味しい郷土料理が沢山あります。そんな郷土料理にブルゴーニュのワインを合わせて楽しんでみませんか?
グジェール
チーズを混ぜた風味の良いシュー生地を焼き上げたパンです。チーズの塩気がおつまみにちょうど良く、ブルゴーニュのパン屋に並ぶのはかなり巨大なサイズです。
相性のいいワイン:クレマン・ド・ブルゴーニュ、プティ・シャブリ、アリゴテ、ボージョレ
エスカルゴ
食用カタツムリの上にパセリ、エシャロット、ニンニク等をバターと合わせたエスカルゴバターを塗って焼き上げた料理です。
バケットにのせて食べると、エスカルゴバターがバケットに染みて美味しいです。
絶食している冬眠期のエスカルゴが特に美味しいです。
相性のいいワイン:プイィ・フユイッセ、アリゴテ、シャブリ
ジャンボン・ペルシェ
豚のモモ肉のハムとパセリのゼリー寄せです。ディジョンでは復活祭に食べる習慣があり、昔は「復活祭のハム」と呼ばれていました。
冷製のオードヴルとして提供されます。スーパーや惣菜屋さんには、必ずといていい程並んでいます。
相性のいいワイン:シャブリ、ボージョレ、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュの白
コック・オー・ヴァン
雄鶏肉の赤ワイン煮込みです。元来は肉の硬い未去勢の雄鶏を食べやすくするために考案された料理です。若鶏には出せない滋味があります。ジュヴレ・シャンベルタンの赤を使うのが一般的です。ですが、今は若鶏でつくってるところが多いみたいです。
相性のいいワイン:ジュヴレ・シャンベルタン、ヴォルネイ、ジヴリーの赤
ブッフ・ブルギニョン
牛肉の赤ワイン煮込みで、ビーフシチューの元になった料理です。地元のシャロレー牛も有名です。この料理はブルゴーニュで最も有名な料理だと思います。
相性のいいワイン:ヴージョの赤、サントネイの赤、メルキュレーの赤
ポワール・オ・ヴァン・ルージュ
洋ナシのコンポートです。ブルゴーニュの赤ワインや、ディジョンのカシスリキュールを使って煮込んだコンポートです。
相性のいいワイン:クレマン・ド・ブルゴーニュのロゼ
チーズ
アミ・デュ・シャンベルタン
シャンベルタンの友として、エポワスを手本につくられました。水とマールで洗ったウォッシュタイプのチーズです。AOCではなく、グーゴリー社の商標名です。
相性のいいワイン:シャンベルタン、コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ
エポワス
エポワス村のAOCで認められたチーズ。マールで洗ったウォッシュタイプのチーズです。
有名な美食家であり司法官であったブリヤ・サヴァランはこのチーズを「チーズの王」と評しています。結構好き嫌いの別れる、癖の強さがあります。(笑)
相性のいいワイン:ニュイ・サンジョルジュ赤、ポマール
その土地の料理と、ワインってどういうわけか、相性のいいものが多いです。
日本でもフランスの地方料理が手に入ったり、レストランで提供していたりで、楽しめるかと思います。旅行気分でペアリングを試して楽しいワインライフをお過ごしください。