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グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスの違い
同じ品種でも栽培方法によって色が変わります。
○グリーンアスパラガス
良く見かけるグリーンアスパラガスは、芽が出て、日光に当てて栽培されるので、栄養価も高く、カロテンなどが含まれます。そして、葉緑素が作られるため緑色をしています。なので、ワインもグリーンノートのワインがおすすめです。
○ホワイトアスパラガス
ホワイトアスパラガスは、芽が地中から出ないように、上に土を盛って軟白栽培されます。日光に当たらないため、色が白く、柔らかい食感で、甘みがより感じられます。
日本では、土は盛らずに遮光して栽培するところが多いです。
栄養面では、グリーンアスパラガスに劣り、手間がかかるので値段も高めです。
ワインは、みずみずしさを活かすミネラルの感じるワインがおすすめです。
ヨーロッパ各国のアスパラガス事情と食べ方
ヨーロッパ各国では、桜前線ならぬアスパラガス前線が駆け巡ります。
アスパラガスが春を告げる風物詩として、親しまれているからです。
地域ごとに様々な特色がありますが、アスパラガスの食べ方としては、茹でても栄養成分がほとんど流出しないという嬉しい特徴があり、茹でて食べるのが一般的です。
フランス
フランスでは、ホワイトアスパラガスが一般的で、生産量の70%を占めます。
次にパープルアスパラガスが20%、最後にグリーンアスパラガスが10%です。
フランスで売られているグリーンアスパラガスはスペイン産が多いです。
太陽王ルイ14世の大好物でもあったホワイトアスパラガス。
常に絶えずに食べれるようにと、王の菜園で1年中栽培されていたそうです。
フランスの南西地方ランド産の砂地で栽培されたアスパラガスが1級品とされていて、パリの三ッ星レストランのシェフたちからも『ランド砂地の白い宝石』と呼ばれる人気の高級食材です。しっかりとした甘みに、春を感じさせる仄かな苦味があります。
ボルドーのソーヴィニヨン・ブランとセミヨンのブレンドの白ワインととても良く合います。
アルザス産のホワイトアスパラガスは、ミュスカと合わせるのが定番です。リースリングも合います。
ロワールでは、ボージェの砂地で栽培されているものが有名で、ホワイトアスパラガスとグリーンアスパラガスの両方が栽培されています。ロワールのソーヴィニヨン・ブラン、シュナン・ブランどちらも素晴らしく合います。
フランスでは、茹でたアスパラガスに、オランデーズソースという卵黄に澄ましバター、レモン汁を合わせて塩で味つけたソースを合わせるのが一般的です。
ドイツ
ドイツでは、グリーンアスパラガスよりも、シュパーゲル=白アスパラガスが圧倒的に人気で、シーズンには、国民中が夢中になり、祭りが開かれたり、家族が集まってシュパーゲルパーティーをします。
日本人に例えるなら桜のような位置付けで、毎年シュパーゲルのシーズンを楽しみにしているそうです。
ベーリッツ産、ヴァルベック産、もっとも有名なのが、シュパーゲル発祥の地シュヴェッツィンゲン産です。
もともと宮廷の庭で、王家のために栽培されていたため『王の野菜』や『金の野菜』と呼ばれています。
塩とレモンで茹でたシュパーゲルに、塩味の効いたハムやソーセージ、じゃがいもを添えて、食べられるのが伝統的です。
伝統的なソースは、澄ましバターのソースで、澄ましバターと卵黄を使ったオランデーズソースがポピュラーでよく合わせられます。
ワインは、ピノ・ブラン=ヴァイス・ブルグンダー、シルヴァーナーが一般的です。
イタリア
イタリアでも、各地でアスパラガス祭りが開催され、シーズンになると賑わいます。
イタリアらしく地域の特色が豊かで、合わせるワインもソースも様々です。
○ヴェネト州のグラッパの産地でもあるバッサーノ・デル・グラッパが産地として、もっとも有名で、唯一の原産地表示D.O.Pのブランドホワイトアスパラガスです。
料理も有名で幾つかありますが、代表的なものが『アスパラージ・ビアンキ・コン・ルーヴォ』は茹でたホワイトアスパラガスに、ゆで卵を添えたもの。
バッサーノ風は、茹でたアスパラガスに、ゆで卵をフォークで潰し、レモンを絞り、オリーブオイルを加えて和えたタルタルソースのような状態のソースをつけて食べます。
『リゾット・コン・アスパラージ・ビアンキ』はホワイトアスパラガスのリゾットです。
地元では、どちらもヴェスパイオローナの白ワインを合わせます。しかしながらこのワインは、日本ではほとんど入手困難です。
○トレンティーノ・アルト・アディジェ州では、ホワイトアスパラガスをボルツァーノソースと合わせて食べます。
このボルツァーノソースは、ゆで卵、エシャロット、ピクルスなどが入ったソースです。
そして、同郷のソーヴィニヨン・ブランの白ワインと合わせて楽しむ習慣があります。
○ロンバルディア州では、メッツァーゴの穂先がピンク色の珍しいアスパラガスが有名です。
穂先がバラの蕾のようで、美しいです。苦味は少なく、甘く柔らかいのが特徴です。
○エミリア・ロマーニャ州では、グリーンアスパラガスが主に栽培されています。
○ピエモンテ州では、グリーンアスパラガスが主に栽培されています。グリーンアスパラガスと卵を合わせたオムレツ『フリッタータ・ディ・アスペラージ』がよく食べられます。
そして、グリーンアスパラガスを茹でてから、レモン汁とオリーブオイルをかけてフライパンで焼き、半熟の目玉焼きをのせ、上からパルメザンチーズをかけたアスパラガスミラネーゼも有名ですね。合わせるワインは、ロエロ・アルネイスの白ワインです。
○リグーリア州では、甘くてバターの香りのするクリーミーなパープルアスパラガスとピガート、ヴェルメンティーノが良く合います。
アスパラガスをワインに合わせる際に、参考にしていただけると幸いです。
楽しいワインライフをお過ごし下さい。