DOCa.リオハは、スペインで最もよく知られる赤ワインの産地。地図上では、DOCa.リオハは、スペイン中北部に位置し、ラ・リオハ州、バスク州、ナバーラ州、カスティーリャ・イ・レオン州の4州にもまたがります。面積は65000ヘクタールにも及ぶのです。
(リオハ・アルタ)
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リオハはDO.より格付けが上?!DOCa.
(リオハ・アルタのメッカ「アロ」の街)
DOCa.というのは、スペインの原産地呼称ですが、Denominacion de Origen Calificada(デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ)の省略形。原産地はDO.で称されますが、リオハとカタルーニャ州のプリオラットは、それより評価が高いDOCa.で称されます。DOCa.リオハは567ものワイナリーが124カ国へ輸出している、まぎれもなくスペイントップのワイン産地と言えるでしょう。
なぜリオハがスペインで2地方しかないDOCa.を称されるのかというと、リオハはスペインの中で先陣を切って品質の向上が成された地方だから。19世紀の終わりにフランスのブドウ畑を害虫フィロキセラが襲い、代わりにワインを醸造できる場所としてリオハを選んだのです。ボルドーのブドウ栽培、醸造技術をスペインでいち早く手に入れ、スペインでトップのワイン産地として名をはせるようになりました。
リオハワインはサブゾーンによって大きな違いが!
(リオハ・オリエンタル)
そんなDOCa.リオハ、裏ラベルには記載されませんが、3つのサブゾーンがあります。リオハ・アルタ、リオハ・アラベサ、リオハ・オリエンタルの3つです。リオハ・アラベサはバスク州に位置する、DOCa.リオハの中では北部にあり、リオハ・アルタは西部、以前はリオハ・バハと呼ばれていたリオハ・オリエンタルは東部に位置します。
(リオハ・アラベサの中世の趣が残る街)
この3サブゾーン、同じDOCa.リオハでもカテゴリーが若干違います。DOCa.リオハの中でもリオハ・アラベサのワインがスペイン人には最も評価が高いのです。リオハ・アラベサは標高が高く小さなブドウ畑が多い地域。酸味のしっかりしたエレガントなワインが作られます。リオハ・アルタはアロの街で有名で、列車の開通とともに栄え、やや大きなワイナリーが多いです。ワインツーリズムも盛ん。内陸性気候で寒冷な地域なので、アラベサのように酸味がしっかりとしています。リオハ・オリエンタルは地中海性気候の影響を受けた内陸性気候で、比較的暖かく、土壌は肥沃なので、ブドウの収穫量が多く酸味の低い風味のワインが特徴です。
裏ラベルにはサブゾーンは書いていない!
(DOCa.リオハは、エブロ川上流の広域)
このように、同じDOCa.リオハでもサブゾーンによってカテゴリーもワインの風味も異なります。裏ラベルにはサブゾーンまでは記載されていませんが、生産地を見ればどの州か分かるので、調べてみるとサブゾーンが分かります。もちろんワイナリーによって風味は異なるものですが、「あれ?リオハワインってこんなだったっけ?以前飲んだのと大分印象が違う」と感じたら、サブゾーンの違いかもしれません。