最近はコンビニエンスストアでもワンコインのお手頃ワインが購入できますが、やはり「ワインは舶来ものの嗜好品」そんな気がしませんか?なんとなく気おくれしてしまう、そんなイメージの一端を担っているのがワインラベルの見た目の醸し出す品格のように思います。ラベルデザインの王道といえば、やはりフランスワインがお手本です。
1) 堂々としたワイナリーの建物の正面イメージイラスト
2) 金色の伝統的で格式ある文字書体
3) 産地名や高名なぶどう畑の名前を示しているだけのシンプルさ
このフォーマルなデザインを模倣したものが1世紀以上もの間ワインラベルの主流であったために「とりあえずビールで乾杯!」といった気軽さからはまだまだ遠い存在だと感じてしまいます。そして、売り場に陳列されていても「どれもこれも同じに見える。」「この前飲んだあのワインが美味しかったけれど、どれだったのかなぁ。」というのが本音ではないでしょうか?
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目を引くラベル
さてさて、下の写真。色々と並んだワインボトルたちの中でパッと焦点があったものはありませんか?
伝統的なラベルの貼られたボトルの中にあって、一見風変わりにも見えるなんともかわいらしい小動物が描かれたラベルになんとなく目が止まりませんか?
このような絵柄のラベルを付けたものは”Critter wine(クリッターワイン)”と呼ばれ、ワイン市場において販売戦略のひとつとして確立した地位を得ています。
クリッターワインとは?
この販売戦略を始めたのはオーストラリアの家族経営ワインメーカー「カセラ・ファミリー・ブランズ」です。オーストラリアに生息する小型の有袋動物 “ワラビー” の飛び跳ねた姿を同国の先住民が伝統的に描く“Aboriginal Art (アボリジナル アート)”で表現した鮮かで楽しいラベルが話題となり、2001年に米国で発売されると瞬く間に輸入ワイン全米No.1に輝きました。日本でも「世界中に愛されるオーストラリアワイン」のキャッチコピーで人気のブランドになっていますね。
ラベルにはワラビーのイラスト、ブドウの品種、そしてブランドの名前。3つの要素しか書かれていません。ですが、ラベルに目が止まり2秒、「これはオーストラリア産のワインなのだろうな。」と理解ができ、そして印象に残ります。
販売当初は伝統と格式のあるワインの世界では異端児でしたが、若者や気軽にワインを楽しみたいという消費者たちの指示を得て、「ワインをラベルデザインの好みで選ぶ時代の到来だ!」と、”ワインビジネスのルールを変えた”と言われるほどの影響を与えました。なんともくつろいだ感じのデザインはとても親しみやすく手に取りやすいですよね。ラベルのイメージ同様に1,000円の前後のお手頃価格で購入でき、品質も良く飲みやすいというスタイルです。これがワインを飲みたいと思う人々に愛されないはずがありません。
家で気軽に楽しむなら「今日は好きな動物のラベルのワインにしてみようかな。」と、今までに購入したことのないワインを選んでみるのもいいですよね。ラベルのイラストはカンガルーやコアラなどオーストラリアに生息する動物から発展し、ペンギンやヤモリ、更には犬に猫などのより身近で親しみやすい柄が登場しています。
初めてのブランドでも気軽に購入でき、その味を美味しいと感じて、また同じものを購入したい時にも見つけやすい。クリッターワインは今のおうち生活にうってつけではないでしょうか。
お供には...ぱりぱりチーズ
厳選された地域で作られるナチュラルチーズはもちろん格別に美味しいものですが、気軽に飲むワインに合わるのならお供のチーズも馴染みのあるものが良いですよね。
材料
・とろけるスライスチーズ:1枚
・ピスタチオ:10粒
作り方
・クッキングシートに縦6等分にカットしたとろけるスライスチーズを間隔をあけて並べます。
・殻を剥いたピスタチオを飾ります。
・500Wのレンジで1分30秒加熱します。※ピスタチオを枝豆に変えて黒胡椒を振ると、ビールにぴったりのお供になります。
とろけるスライスチーズが登場したのは1980年代後半。それ以前は銀色のアルミに包まれ赤いカットテープの付いた固形のチーズが定番でした。溶けたチーズが美味しいという文化は、宅配ピザが一般家庭に普及し、パンの飛び出す縦型おトースターから横置きのオーブントースターに代わってからです。「とろけるスライスゆきじるし〜♪」のCMソングとともに、当時は食欲が減退すると敬遠されていた「黒」を採用したインパクトのあるパッケージが大ヒット。今では色々なメーカーから販売され、とても身近なチーズになりました。
固形からとろけるに、そして更にカリカリにして味わってしまおうなんて。チーズの美味しい食べ方の進化にも乾杯!