ラムとココナッツのフレーバーというのは非常に相性が良いと感じます。
両者が南国に由来するからでしょうか。
ラムベースのリキュールはココナッツフレーバーであることも多いですし、ラムベースのカクテルもココナッツの味わいが楽しめるものが多いように感じます。
今回はココナッツフレーバーのラムをご紹介いたします。
目次
ラムリキュールにあらず、これはココナッツラム
有名なココナッツリキュールでマリブという商品があります。
こちらはバルバドスで作られているラムにココナッツを浸漬したものをさらに蒸留し、出来上がった原酒にシロップなどを添加して作られています。
シロップで加糖されているため、口に含むとハッキリとした甘味を感じます。
一方、今回ご紹介するセルバレイ ココナッツラムはシロップなどで加糖されていません。
ここが決定的な違いで、糖分が含まれているものは日本ではリキュールに分類され、含まれていないものはスピリッツになります。厳密にいえば、どの程度含まれているかで分類が変わるのですが、大まかな認識としてはこの説明で十分だと思います。
ファンキーなラム
ラムを含め、お酒を飲んだ時、様々な言葉を使って表現することがあります。
テイスティングコメントなんて言われたりしていますね。
一般消費者がお酒を買う時の判断基準になることもある為、様々な人が躍起になって色々な-時には意味不明な-言葉を使って表現しています。
個人的にはあまり好きな習慣ではありません。
だってそのコメントを見たら、その情報に引っ張られて、その味にしか感じなくなりますから。
個人が持つ味覚の可能性を狭めているというのが私見です。
閑話休題
そのテイスティングコメントで、ファンキーな、という表現があります。
実に分かりづらいですよね。
ファンキーという言葉には元々は臆病という意味らしいですが、独創的・個性的という意味があったり、音楽用語としてジャズやソウルにおいて、強烈なリズム感やグルーヴ感があるものを指したりするようです。
じゃあグルーヴ感って何なのさ、という話になってしまいそうなので、これ以上深掘りはしませんが、私は体が動き出してしまうような、そういった心地良さがあるという感じで捉えることにしました。
このセルバレイのラムには、そのファンキーな味わいが備わっています。
ココナッツフレーバーを抜きにした、元々のラムの味わいにも感じられます。
フルーティな、特にトロピカルフルーツのフレーバーを感じる時に、ファンキーという言葉が使われることが多いです。
さて、ファンキーである理由がきっともう一つあります。
それはこのラムを世界的なミュージシャンであるブルーノ・マーズがプロデュースしているからです。
ブルーノ・マーズはファンキーな歌声で世界中のファンを魅了していますね。
そんな彼が最も好きなお酒だというラムをプロデュースしたのですから、ファンキーな影響が出たのでしょう。
あくまで予想なので、きっと、という言葉を使いました。
セルバレイ ココナッツラムの特徴、味わい
改めて特徴や味わいをご紹介していきましょう。
色は透明です。セルバレイのホワイトラムは熟成したのちにチャコールフィルターで色を落としているので、おそらくこのココナッツラムのベースとなっている2年熟成のラムも熟成ののちにフィルターで色を落としているものと思われます。
バカルディと同じですね。バカルディでは1年から1年半の期間アメリカンオークの樽で熟成をしたのちにチャコールフィルターで色を落としています。
このようにして作られたホワイトラムは、極めて滑らかな舌触りを備えています。
色からの予想に反する、柔らかで穏やかな熟成感を感じることができます。
さらに良質なココナッツエキスをブレンドされているので、ラムが持つ甘い風味と、ココナッツが持つラクトンの柔らかく甘い風味の完璧とも言える調和により、素晴らしい味わいを作り出しています。
また度数が30%と、リキュールと比べると高く、ハードリカーにしてはかなり低いのも特徴的です。
この低めの度数のおかげで、先述した柔らかく甘い風味がアルコールの刺激に邪魔されず、何杯でも飲みたくなる味わいを生み出していますね。
これがリキュールのように加糖されていると、飲み飽きしてしまいがちですが、ココナッツの自然の甘さなので、本当にいくらでも飲めてしまいます。
香りはココナッツの香りがほとんどを占めていますが、どこか懐かしさを感じました。
何でだろうと考えていたら、思い当たる節が。
子供の頃にプラモデルを作っていた時に感じた香りです。
接着剤、すなわち溶剤の香りですね。
この溶剤の香りも、バーボンウイスキーなどでよく使われる表現で、あまり食欲をそそる表現ではありませんが、あまりネガティブな意味で使われることは少ないように感じます。
今回のラムもココナッツの甘い香りと溶剤の独特な甘い香りが感じられますが、調和していたため、個人的には不快な感じはしませんでした。
味も香りも甘さが一番強く感じられるため、グラスに注ぐたび魅了されるラムです。
おすすめの飲み方
ベタつきの少ない甘さのためストレートやロックでも楽しめます。
しかしこれはトロピカルフルーツ系のカクテルと相性が抜群ですね。
ココナッツミルクとパイナップルジュースなどで作るピニャコラーダをこのラムで作れば、最高でしょう。
気取らずにフルーツジュースで割ったり、コーラで割っても美味しいですよ。
コーヒーに少し垂らすのも良いかもしれません。
まとめ
滑らかで甘く、飲みやすいラムです。
価格は少し高い部類に入りますが、味わいとしては蒸留酒を飲み始めた人にも優しく、飲みやすいのでぜひ若い人におすすめしたいですね。
南国を感じたい人にもおすすめです。
一口飲んで目を閉じれば、燦々と陽の光が降り注ぐ美しい砂浜が広がる……かもしれません。
カジュアルに楽しめるラムなので、ぜひ試してみてくださいね。