2025年に登場した、日本発・日本人の感性に寄り添う“AIワインソムリエ”アプリ、Labelly(ラベリー)。スマホでラベルを撮るだけで、AIがそのワインの背景や味わいを物語として語ってくれる——そんな開発者の想いが込められています。
情報検索だけではなく、飲んだワイン記録やテイスティングコメントを残すこともできます。Vinicaの代替候補としても気になるアプリを、今回は実際に使ってみました。
目次
Labellyとは
Labellyは、ラベルをスキャンするとワイン詳細や“AIソムリエ”がストーリー、テイスティングノートを表示してくれるアプリです。Apple StoreでDLできます。
「ワインのラベル、読みにくい…」
「このワイン、どんな味だろう?」
そんな時に使えるのがLabelly。ラベルをスキャンするだけで、分かりやすく教えてくれます。
ワインラベルを撮るだけで、そのワインの物語や味わいを知れるアプリ「Labelly」をリリースしました!!#ワイン好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/cho9uH0piR— Labelly (ラベリー) AIワインソムリエアプリ (@Labelly7722) September 12, 2025
開発者であるソフトウェアエンジニアのHigaさんによると、「ワインを選ぶとき、“味が分からない”“銘柄を覚えられない”という実体験から、もっと気軽に“ワインの世界を楽しめる体験”を作りたいと思ったのが開発のきっかけです」とのこと。
ワインの知識がなくても感覚的にワインを体験できる設計にしているそうです。
購入には500円かかりますが、アプリ内課金はなく、広告も表示されません。
実際に使ってみた
今回は、9月30日に発売されたファミリーマートの「エイレーネ ピノ・ノワール 2022」をスキャンしてみました。
操作は直感的で簡単です。
スキャンすると出てくるのがこんな内容です。
セントラル・オタゴがどんな個性・特徴のワイン産地なのかが伝わってきます。このワインに関しては、おすすめペアリングは出てきませんでした。実際は1600円のワインなので、金額は大きく違っています。これはセントラル・オタゴのピノ・ノワールの平均的な価格が表示されているのだと考えられます。改めて、このワインのコスパの良さを実感しました。
テイスティングノートの内容を見てみると、色味の説明はルビーよりガーネットの方が近いかなと思いました。このワインについては、一般的なピノ・ノワールのテイスティングコメントが表示されているようです。必ずしもそのワインに当てはまるテイスティングノートが表示されるとは限りませんが、自分のコメントに変更することも可能です。
私は表示されていたテイスティングコメントを参考に、感想と共にこのようにまとめました。ゼロからコメントを書くよりも、表示された内容を参考にすることで、表現のヒントが得られ、書きやすかったです。
現時点でできるのは、ラベルスキャンでワイン詳細表示→テイスティングコメントの参照→感想の記録→お気に入り登録と、非常にシンプルなワイン検索・記録です。シンプルだからこそ、確かに直感的にワインを知ることができ、より親しみを持ってワインを体験できると感じられました。
こんな人におすすめ
●ワイン初心者
ワインに興味があるけど、品種や産地の特徴を知らないという方には、簡単な操作でワインの背景を知れます。「おいしい!」と感じたら、同じ品種や産地など次のワインを探す手掛かりにもなり、ワインへの興味が深まりそうです。
●テイスティングコメント作成を練習したい方
表示されているテイスティングコメントを参考に、どんな香りを探したらいいのか、タンニンや酸、余韻をどう表現したらいいのかを考えるヒントになるかと思います。必ずしもそのワインとマッチしたテイスティングコメントが表示されているわけではなさそうなので、自分が感じたことを他の人はどうとらえたのかなど、よりそのワインを知りたいと感じるきっかけになりそうです。
●ワインボックスをよく買う人
私はよくバラバラのワインが入ったワインボックスを購入するのですが、外出先でどんなワインが自宅にあるのかを確認したい時に便利だと思いました。ちょうどドラジェのワインボックスがあったので、すべて“お気に入り”に登録。家にあるワインをすぐに見られるようにしておけば、スーパーで買い物をする際に「家にあるどのワインと合うかな…」と考えながら買い物できるので重宝しています。
●ワインの記録を残したい人
飲んだワインを全て記録したいけど、SNSには厳選したものだけ投稿したい人にはちょうど良いアプリです。
今後できるようになること
今は非常にシンプルにワインを知り、ワインを記録できるアプリです。現在はワイン初心者の方にお勧めしたいアプリとはなりますが、今後はコミュニティ機能や外部SNSへの投稿機能も追加予定とのこと。そうなってくると、ワインの感想を比べたり、好みが近い人を探したり、自分好みのワインを探したりすることもできるので、ワイン中級者~上級者にも魅力的なアプリになりそうです。
また、私のようにワインボックスを購入する人に朗報なのが、今後お気に入りに登録したワインの解除ができるようになるとのこと。つまり、お気に入りリストのカスタマイズが可能になります。まだ飲んでいないワインをお気に入り登録し、飲んだワインを解除できるようになれば、自宅のワイン管理が楽になりそうです。
今後の進化に期待したいAIソムリエ
現在は、ワイン初心者がワインに親しみを持つきっかけを与えてくれ、ラベルを撮影するだけで簡単に飲んだワインが記録できるシンプルなアプリですが、コミュニティ機能や外部SNSとの連携、お気に入りワインのカスタマイズが可能になると、グッと使い方が広がりそうです。
個人的には、飲んだワインの評価(星の数か点数)も写真と一緒に表示されるようになると、後で振り返りやすくなるなと思いました。
今回、開発者のHigaさんにお話も伺いましたが、この記事はPRではありません。「忖度なく書いてください」とおっしゃっており、自信のほどがうかがえました。私も進化を見守りながら、今後も使い続けていこうと思っています。