「ウォッシュチーズ」とは、「ウォッシュタイプ」などとも呼ばれるものです。簡単に解説するならば、「表面を、お酒や塩水で洗って作りこむものです。
ウォッシュチーズはかなり個性的なものが多く、食べにくさを感じるものもあります。ただそのなかでも、お酒に合うものや食べやすいものを紹介していこうと思います。
目次
ミラベラ
ミラベラは、ブランデーで洗って作っていくものです。
ナッツのような香りがあり、香ばしさがあるのが特徴です。
ウォッシュチーズでありながら臭みがほとんどなく、ウォッシュチーズ初心者の人でも楽しむことができます。嫌味のない香ばしさがあり、白ワインなどとも相性の良いものです。ちなみに、チーズの周りは葦で巻かれています。
「ブランデーで洗ってある」ということから、「個性的過ぎる香りがあるのではないか」と思う人もいるかもしれません。しかし意外なほどに優しい味わいに仕上がっているので、だれでも食べやすいウォッシュチーズといえます。
ポン・レヴェック
「司祭・司教の橋」という意味を持つチーズです。生まれ故郷の名前からこう名付けられました。
生産者によって味に多少の違いがみられます。漬物臭はあるものの、香りはそれほど強くありません。スモークチーズのような香りが楽しめるでしょう。
塩水で洗って作り上げていくウォイッシュチーズであるため、コクがしっかりと感じられます。ウォッシュチーズはその個性的な味わいゆえ、「買った直後はおいしかったけれど、熟成が進むと食べにくくなった」というようなことも起こりがちです。しかしポン・レヴェックの場合、買った直後からある程度熟成が進んだ後まで、いつでも楽しむことができます。
時代によっても味が変わってきたチーズですが、近年はマイルドな風味で作られたものが多いようです。
赤ワインと合わせたいもの。
ロレーヌ・サンドレ
これは、牛乳で作られたウォッシュチーズです。それをさらに灰にくるんで仕立てていきます。
このチーズはかなり香りがきつく、ウォッシュチーズらしい独特の香りを放ちます。「穏やかなウォッシュチーズ」に飽きた人は試してみるとよいでしょう。食感はクリーミーです。ただし、後味にやや苦みと、そして強い旨味がもたらされるものです。この意味でも、ロレーヌ・サンドレは、個性派でオリジナル色にあふれるチーズだといえるでしょう。
熟成が進んでいないときには、白ワインと合わせるのが基本です。また、軽いものならば赤ワインとも合います。熟成が進むとさらに香りが変化するため、日本酒などと合わせられるチーズへと変化します。しかし熟成が進んだロレーヌ・サンドレは初心者さん向きとはいえない味わいになります。そのため、買った直後の味でも「個性的だな」「少し食べにくいな」と感じたのならば、早めに食べきってしまうことをおすすめします。
ウォッシュチーズは、非常におもしろいチーズです。個性派で、パンチがあって、それなのに味わいはクリーミーと、人の舌を楽しませてくれるものです。ただその個性ゆえ、初めての人は扱いに少々困ってしまうものでもあります。まずは試しやすいものから食べてみてくださいね。