ワインは、語られるべき長い長い歴史を持っています。世界各国に存在し、それぞれの風土に合わせたワインが育てられています。
ワインの起源がどこにあるのかは議論のわかれるところではありますが、そのうちのひとつとして、現在の「アゼルバイジャン」が挙げられます。
今回は、このアゼルバイジャンでつくられるワインについて取り上げていきます。
目次
アゼルバイジャンのワインとは
「ワインとアゼルバイジャンの関係」を、明確に結び付けて考えられる人は、恐らくはそう多くはないのではないでしょうか。
だれもが、「ワイン」といえばフランスやイタリア、スペイン、あるいはアメリカなどを思い浮かべるからです。
しかしながら、アゼルバイジャンは、ワインの歴史を語るうえで非常に重要な場所だとされています。なぜなら、アゼルバイジャンは「ワイン発祥の地のうちのひとつ」だと考えられているからです。
ワインは昔から人間の生活に存在するものでしたが、現在のアゼルバイジャン、現在のアルメニア、現在のジョージア共和国があった「コーカサス地方」でワインは生まれたといわれています。
この土地では、ワインをつくるために使われていた発酵(「醗酵」と記されることもあります)のための器や、同じようにワインづくりに関わる土器などが発見されているのです。
現在でこそワイン用のブドウは世界各地で育てられていますが、これのもともとの原種とされているブドウ「サティヴァ」もまた、この地で見つかっています。このサティヴァは、人間の手で育てたことが確認されている初めてのブドウです。
このような発見とあいまって、「アゼルバイジャンは、ワイン発祥の土地のうちのひとつ」と考えられているのです。
ただ、ホームページなどによっては、「ワイン発祥の土地はあくまでジョージア共和国であって、アゼルバイジャンはそのお隣の土地」としているところもあります。
昔から数多くのブドウを育てていたアゼルバイジャンですが、ソ連時代にはワイン造りが禁止されていました。そのためか、アゼルバイジャンのワインは日本ではそれほどメジャーではありません。おそらく、「アゼルバイジャンのワインは飲んだことがない」という人も多いのではないでしょうか。
しかし現在はアゼルバイジャンのワインも、少ないながらも日本で手に入れられるようになっています。そのなかでも比較的有名で、多くのショップが扱っているのが、「バヤン・シラ」です。
アゼルバイジャン発、「バヤン・シラ」を飲もう
アゼルバイジャンのシェルグ・ウルドゥズ社で育てられている「バヤン・シラ」は、その名前の通り、バヤン・シラ100パーセントで育てられています。シェルグ・ウルドゥズ社は、アゼルバイジャンで最大規模の農場を持っている会社です。
緑がかった美しい黄色をしているのが特徴のワインです。
緩いかんきつ系の香りを持っています。バニラやバターの香りを持っているといわれていますが、これはスワリングをすることでより鮮やかに感じられるようになるでしょう。
口に含むと、バニラやチェリー系の香りが後を引きます。ミネラル感が強く出るのが、この「バヤン・シラ」の特徴です。ただ、バニラやチェリーの香りは持ってはいるものの、味わいは甘くはなく、鋭い酸やドライな味わいを持っています。このため、料理やチーズに比較的合わせやすいでしょう。特に、カマンベールチーズなどとよく合います。それほど強い味のチーズとは合わせないで、穏やかな風合いのチーズと合わせる方がよいでしょう。また、料理を合わせる際にも、主張の強すぎる料理ではなく、さっぱりとした料理を合わせると不自然さが出ません。
ワイン発祥の地のうちのひとつだと言われているアゼルバイジャンの「バヤン・シラ」は、2000円~2500円ほどで販売されることが多いといえます。デイリーワインのひとつとして利用してください。