「お酒をアイスにかけて楽しむ」という楽しみ方は、昔からいろいろなところで行われています。ここでも3つのお酒を、それぞれアイスにかけて楽しんでみましょう。同じ「お酒をかける」という行為であっても、まったく違う味わいになりますよ!
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赤ワイン×アイスはブドウの風味が生きる味わいになる
まず初めに試したのは、「赤ワイン×アイス」の組み合わせです。ただ、「赤ワイン」といってもその種類はさまざまです。
ここで使っている赤ワインは、レバノンで育てられた赤ワインです。「プリウレ・クサラ」という赤ワインで、フルボディの重みのあるものです。カベルネ・ソーヴィニヨンなどを使って作りだされた1本で、ミントのような清涼感と豊かな果実味を持っています。
これをバニラアイスにかけるとどうなるのかを試していきましょう。
赤ワインを受け止めたアイスには、ブドウの風味が上乗せされます。ブドウの風味がよく生きたアイスとなり、非常にフルーティーです。上でも述べたように、プリウレ・クサラはかなり重厚感のあるワインで渋みや苦みもありますが、これがバニラアイスの甘さとよくバランスをとるようになります。ブドウの持っているベリー系の香りがバニラアイスに乗せられることで、旨味に変わっていきます。
コーヒーをバニラアイスと合わせたときのような、「渋み」「苦み」がバニラアイスに加わります。非常におすすめの組み合わせです。バニラアイスを肴にして、赤ワインを楽しむのもいいかもしれませんね。
ブランデー×アイスは分量の調整が重要
ブランデーは、サントリーの「サントリーブランデーV.O」を使っています。1000円程度と手ごろな値段でありながら、フルーティーな味わいを持ち、香りもしっかりとある1本です。知名度が非常に高いので、「ブランデーといえばこれのイメージ」という人も多いのではないでしょうか。
ちなみにブランデーは、果実酒を蒸留して作られるお酒ですが、現在では多くの場合は「ブドウを使って作られたワインを、蒸留して作ったお酒」という意味で使われるようになった単語です。(それ以外の原材料で作ったものは、「チェリー・ブランデー」などとのように特別な呼称で呼ばれるのが基本です)。
赤ワインとほぼ同じ程度の分量をかけてみましたが、これくらいの量だと、苦みがやや勝ちすぎてしまいます。このため、苦みが苦手な人には少し食べにくさが出て来るでしょう。ブランデーの香りとアイスの甘味の相性は決して悪くはありませんが、ブランデーの量はもっと調整すべきだと思いました。初めはほんの1サジ程度だけたらしてみて、後で微修正をかけていくやり方の方が良いと思われます。また、フランペを行えば味わいは変わるかもしれません。
ベイリーズ×アイスはお菓子的な美味しさになる
私たちが「ベイリーズ」と呼んでいるものの正式名称は、「ベイリーズ・オリジナル・アイリッシュ・クリーム」のことです。ただ、ほとんどの場合「ベイリーズ」と呼ばれます。
アイリッシュウイスキーにクリームなどを加えて作ることになるもので、カカオの風味も感じられます。カルーアと混同されることもありますが、この2つは違うものです。ただ、「甘いお酒である」という点では共通しています。
ベイリーズをアイスにかけた場合、甘味が非常に強く出るのが特徴です。お菓子らしい風味が口の中に風呂がります。フレッシュクリーム×アイリッシュウイスキー=ベイリーズですから、同じように「クリーム」であるバニラアイスとの親和性が高いことは、だれもが認めるところでしょう。安いバニラアイス(今回のバニラアイスは、近所のスーパーで100円で売られているものを使っています)が高級感のあるバニラアイスに変化するという面白さがあります。
ただ、「お菓子らしさ」が前面に出過ぎる組み合わせではあります。また、「定番の組み合わせ」であるがゆえに、味わいの驚きには乏しく、いささか凡庸な引用を残してしまいがちです。あまり面白みはないでしょう。
もっとも、「定番の組み合わせ=悪いもの」とまでは言い切れません。甘い物が好きな人には間違いなく心に響く組み合わせとなるでしょうし、不自然なくお互いを引き立て合う組み合わせでもあります。
お酒は、食中酒として楽しむことができるものです。しかし「デザートにかけて食べる」という楽しみ方を選んだ場合は、また違った面白さが出ます。いろいろ試してみてくださいね。